高齢者住宅と介護施設の種類

親の退院後の自宅復帰を手助け!信頼厚い介護老人保健施設(老健)とは

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 親御さんが入院して1ヶ月で退院。不安ですよね。身体機能の低下、半身麻痺、要介護認定。さまざまな不安が一気に押し寄せてきます。そのような状態でも、自宅復帰を手助けしてくれる施設があります。今回は介護老人保健施設(老健)をご紹介します。

介護老人保健施設(老健)とは

 介護老人保健施設(老健)とは、病院と自宅の中間的立ち位置にある施設です。入院し治療をしてくれる病院を急性期病院(救急搬送される病院)といいます。急性期病院に入院した場合、おおよそ2週間から1ヶ月で治療を終え、状態の安定を目指します。急性期病院の役目は、治療と状態安定まで。

 そのため、2週間から1ヶ月で状態が安定すると、そろそろ退院を考えなければなりません。しかし、高齢者の場合特に、状態の安定から身体機能の回復までにとても時間がかかります。入院した理由にもよりますが、脳や心臓の病気だったら半身麻痺になっていることも少なくありません。

 このような状態にあるにもかかわらず、退院して自宅に戻っても、日常生活に支障が出る可能性が高く危険。そこで、一度介護老人保健施設(老健)にて看護や介護、医療ケア、リハビリなどのサービスを受け、家庭復帰を目指してもらうのです。

 一般的に、3ヶ月〜6ヶ月の期間を持って家庭復帰を目指すことになります。ずっと暮らせる場所ではないので、この期間に、介護老人保健施設(老健)退所後の準備をします。

 車椅子になってしまった方の場合、自宅へ戻る前に「住宅改修(リフォーム)」が必要かもしれません。有料老人ホームに入所する予定であれば、3ヶ月〜6ヶ月のリハビリ期間に手続きを済ませておきます。

介護老人保健施設(老健)を利用できる人

 ①65歳以上で、②要介護1以上、③入院治療が必要ない、または治療が終わって状態が安定している方が入所できます。

 また、病院からの転院の場合には④診療情報提供書(診断書)が必要になります。通常の”暮らす施設“ではないので、状態を見て主治医から勧められることもあります。

介護老人保健施設(老健)の具体的サービス

設備サービス

 療養室、診察室、機能訓練室、談話室、食堂、浴室、レクリエーション・ルーム、洗面所、トイレ、サービス・ステーション、調理室洗濯室、汚物処理室などが必ず設置されています。

 火災など非常災害に備えた建物です。バリアフリー設計で、廊下も広く車椅子2台が余裕を持ってすれ違うことができます。エレベーターの設置も義務付けられているので、階の移動も安心。

療養室

 療養室の定員は4人以下の「多床室」、「従来型個室」、「ユニット型個室」と3種類があります。床面積は1人あたり8㎡以上必要なので、1人約5畳、4人部屋なら最低でも20畳あります。必ず1人1台のベッドと保管庫、ナースコールが用意されます。

人材サービス

介護老人保健施設(老健)で働く職員(人員基準)
職種基準 配置基準 必要な資格等
医師 入所者100人に対して1人以上 医師免許保有者
薬剤師 適当数 薬剤師免許保有者
看護師 入所者3人に対し看護師または介護職員1人(看護師7分の2、介護職員7分の5程度) 看護師、准看護師資格保有者
介護職員 入所者3人に対し看護師または介護職員1人(看護師7分の2、介護職員7分の5程度) 主に介護福祉士や介護職員初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級)などの有資格者
支援相談員 入所者100人に対して1人以上 社会福祉士、社会福祉主事任用資格などの資格保有者
機能訓練指導員 入所者100人に対して1人以上 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの資格保有者
栄養士 入所者100人に対して1人以上 管理栄養士、栄養士資格などの資格保有者
介護支援専門員 入所者100人に対して1人以上 介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格保有者
調理員・事務員・その他 適当数 規定なし

 介護老人保健施設(老健)では、医師の指示に基づき、医療ケアやリハビリを中心に、介護や生活支援などが行われます。健康管理、栄養管理、薬の処方まで行われるので、かなり病院よりの施設です。

 看護師の割合も非常に高く、100人の入所者がいる介護老人保健施設(老健)なら、9〜10人もの看護師が配置されます。看護師の割合の多いチームで3ヶ月単位での家庭復帰を目指すことになるので、とても安心です。

介護老人保健施設(老健)の料金

介護老人保健施設(老健)の費用
入居一時金(初期費用) 月額施設利用料 月額介護保険サービス料(1割の場合) その他介護保険外サービス等 月額合計
0円 6万~15万円 約20,000円~40,000円 0円〜10万円 約8万〜30万円

 介護老人保健施設(老健)には、入居一時金がありません。月額費用の内訳は、家賃、管理運営費、食費、光熱水費、その他の費用など。

 家賃に関しては、「多床室」でおおよそ13,000円「従来型個室」ならおおよそ50,000円、「ユニット型個室」でおおよそ60,000円となりますので、月額費用の範囲を広げる大きな要因の一つです。状態や懐事情に合わせて部屋を選びましょう。

 月額介護保険サービス料は、介護保険サービスである「介護老人保健施設」の料金です。上の表では自己負担1割。2割の方は2倍してください。

 月額介護保険サービス料が、20,000〜40,000円と範囲がある大きな理由は要介護度です。要介護度が軽い人の方が安く、重い人の方が高くなります。

 その他介護保険外サービスは、おむつ代などが考えられます。

 いかがでしたか。今回は介護老人保健施設(老健)をご紹介しました。退院後の生活に不安を感じる場合には利用しましょう。ぜひ参考にして見てくださいね。

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実家終いノート編集部
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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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