高齢者住宅と介護施設の種類

高齢者の安全と快適な暮らしに住宅改修 リフォームが必要な5つの理由

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 日本の住宅構造は、高齢者にやさしくありません。高齢になっても、安全で快適に暮らし続けるためには、住宅改修(リフォーム)が必要不可欠です。今回は、高齢者の安全と快適な暮らしに住宅改修(リフォーム)が必要な5つの理由をご紹介します。

段差が多い

 高齢になると、筋力が低下し、バランスを取ることが難しくなり、関節の柔軟性も損なわれてゆきます。その結果、片足で体を支えることが難しくなり、「すり足」になります。

「すり足」とは、足の裏を地面にこすりながら歩く状態のことをいいます。氷の上を歩くときは、高齢者でなくてもみんな「すり足」になります。こうすることで、片足で体を支えることを自然に避けているのです。

「すり足」の場合、足を地面に擦り付けている状態ですので、たった5mmの段差にも引っかかります。高齢者の場合、筋力もバランス力も柔軟性もありませんから、足を引っ掛けると、そのまま転倒または転落。骨密度も低下していますので、転倒・転落した際に骨折をする可能性も大です。

 対して日本の住宅構造は、玄関の上がりまち、部屋と部屋・部屋と廊下の間など、住宅内のあらゆる場所に段差が存在します。それぞれの段差は5mmを大幅に超えます。段差の解消は、高齢者の安全と快適な暮らしに必要不可欠です。

幅が狭い

 自走用の車椅子の幅は、約70cmあります。車椅子の動きは、直進または方向転換。ハンドリム(自走するときに回すタイヤについている輪っか)を操作するためのゆとりを考えると、プラス10〜15cmは必要です。合計すると約85cmの幅が必要。

では、廊下や入口などの幅が85cm以上あればいいかというとそうではありません。これでは、方向転換することができないからです。常に一方通行です。一度侵入したら、バックで戻るしかありません。360度方向転換できるようにするためには、最低でも150cmの幅が欲しいところです。

 対して日本の住宅は、「尺貫法」と呼ばれる古い単位が使われている場合が多く、廊下や入口が狭くなりがち。「尺貫法」で設計する場合、「半間(3尺)」=91cmが基本になります。91cmの幅の両サイドに壁を設置すると、おおよその廊下幅が75cmになるのです。

車椅子の幅が約70cmですから、75cmの廊下幅のままでは、ハンドリムを操作するたび手を挟んでしまうことでしょう。もちろん方向転換はできません。玄関や部屋の入り口の幅も、約75cm幅でできている状態です。

面積が狭い

 日本の住宅構造の特徴には、壁の多さもその1つとしてあげることができます。部屋数が多いので壁が増加。もちろん、1つ1つの室内面積が狭くなります。開放感がないことが特徴です。幅の問題と同じ理由になりますが、室内で車椅子などの福祉用具を利用することが非常に難しいのです。

段差や福祉用具を利用しづらい狭さの場合、屋内での行動が制限されてしまいます。多少動ける方であっても、室内での行動に恐怖を感じたり、実際に移動ができないことを理由に、さらに身体能力が低下して悪循環です。

元気に生活できる期間を長引かせるためにも、寝たきりを防止するためにも、住環境を改善し、生活しやすい環境を作らなければなりません。普段の生活での行動が、自然と介護予防につながり、要介護度の上昇速度を抑制。金銭的にも介護負担も結果的に減るからです。

和式を利用するには身体機能が不可欠

 畳、トイレ、浴槽、座布団など、さまざまな種類ある「和式」。身体機能の低下する高齢者に「和式」は向いていません。

畳は、転倒した時の衝撃を吸収してくれる能力がとても高い材質です。しかし、ザラザラしている割に滑りやすく高齢者には危険です。畳に椅子は使いませんから、座ったり立ったりも大変です。

和式のトイレで高齢者がしゃがんだら、もう一人で立ち上がることは難しいでしょう。転がってしまうかもしれません。

様式の浴槽の深さが約45cmに対して、和式の浴槽は約60cm。約60cmをまたいで入るには、高齢者にはとても難しく危険。また、入浴時に心臓までどっぷり浸かってしまうので、心臓や高血圧に悩む高齢者にも不向きです。

温度差が大きい

 日本の住宅構造は、湿気の多い夏を基準に設計されています。断熱性がなく、窓から熱がダダ漏れの状態なので、冬がとても寒い。家全体を暖めるという習慣もなく、部屋は暖房で暖めても、トイレや浴室を暖めている家庭は少ないでしょう。

暖房器具も比較的新しいものが多いので、高齢者の場合使い慣れているコタツしか利用していない場合も珍しくないでしょう。

 対して、脳血管性の病気や心疾患などの病気は、特に冬増加します。温度差が激しいと血管が萎縮しますので、血圧が急激に変化します。また、冬はもともと乾燥しがちにもかかわらず、暖房器具によってさらに乾燥。体に水分が足りなくなり、血液がドロドロに。

温度差と乾燥している環境が、脳と心臓への負担を増加させるのです。特に温度差の激しい浴室では、脳梗塞や心筋梗塞などの病気リスクを高くします。

 いかがでしたか。今回は、高齢者の安全と快適な暮らしに住宅改修(リフォーム)が必要な5つの理由をご紹介しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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