まとまったお金が必要になったけど手元にお金がないという時に、ほとんどの人は真っ先に思いつくのが、銀行からお金を借りるという方法ではないでしょうか?
しかし、銀行の融資には審査がありますし、借りたお金の使い道によっては融資を受けることができない可能性があります。
使い道自由なカードローンやフリーローンに関しては、審査が厳しくなっているため数百万円単位の融資を受けるだけでも至難の技です。
銀行借入ができないとなると、必要なお金を調達することは不可能になるのでしょうか?
そのようなことはありません。
最近は、自宅を活用してまとまったお金を調達する方法が増えてきています。
そのうちの1つの方法がリースバックという方法です。
リースバックは自宅に住み続けながら、まとまったお金を手にすることができます。
また、リースバックは比較的早く必要資金を調達することができる方法です。
リースバックとはどのような資金調達方法なのでしょうか?
この記事では、リースバックの概要やメリットとデメリットについて解説していきます。
Contents
リースバックとは?
リースバックとは、簡単に言えば、自宅を売却して、その後はリースバックを扱う会社に家賃を払って住み続けるという方法です。
まずはリースバックの概要や仕組みについて解説していきます。
リースバックの仕組み
リースバックの仕組みはいたってシンプルです。
①自宅をリースバック会社に売却
②リースバック会社と利用者が住む期間を決めてリース契約
③以後は自宅に住み続けながら、毎月家賃(リース料)を支払っていく
通常、資金を得るために自宅を売却した場合には、売主は自宅を退去しなければなりません。
しかし、リースバックを利用すれば自宅に住み続けながら、まとまった資金を手に入れることができるのです。
マンション・戸建も利用可能
リースバックに使用する物件はマンションや一戸建てなどどちらも利用することができます。
ただし、買取に応じてもらえるのはリースバックを行う業者が資産価値があると認めた物件のみです。
例えば、地方の中間間地域にあるような農家住宅などは買い取ってもらえない可能性があります。
将来的には買い戻しも可能
リースバックで売却した自宅は、将来的に買い戻すことが可能です。
リースバックで自宅を売却しても、将来的にお金を貯めることなどができれば、自宅を最終的に自分の所有に戻すことも可能です。
資金調達のために自宅を一度手放してしまったら、普通はまず戻ってきません。
新しい購入者が居住するためです。
しかも自宅を売却した人は、どこかで家賃を払って暮らす必要があります。
どうせ家賃を払うのであれば、自宅に住み続けた上で家賃を払ったほうが、メリットがあるのではないでしょうか?
さらにリースバックは将来的に自宅の買い戻しも可能になるため、まさに一定期間お金が必要になる間の時間を稼ぐという意味ではメリットの大きな方法です。
ハウスドゥ
最近テレビCMで話題のリースバックが、ハウスドゥのリースバックです。
ハウスドゥは様々な形態のリースバックを展開しており、商品ラインナップを見れば「まとまったお金を手にする」という目的以外にもリースバックの用途があることがよく分かるかと思います。
①クイックリースバック:再短9日間で資金化
②短期リースバック:2年間だけ賃貸し、購入価格が上がり、賃料が下がる
③シニア住替えリースバック:老人ホームの空きが出るまで自宅を賃貸できる
④新築リースバック:自宅を新築にした上で、その後はリース契約して居住
⑤リフォームリースバック:自宅をリフォームし、その後はリース契約で居住
⑥資産活用リースバック:自宅の敷地を賃貸などで運用して、賃貸収入を得ながら、リース契約で居住する
リースバックにも様々な形があり、まとまった資金を用意する必要がなくても、自宅の売却代金で新築やリフォームを行い住み続けるということが可能です。
リースバックに向いている人
リースバックに向いている人は、簡単に言えば「まとまったお金が必要な人」です。
具体的にどのような人がリースバックを活用することができるでしょうか?
リースバックは将来的に買い戻すことができるため若い人でも活用できますし、老人ホーム入居のためにまとまったお金が必要な高齢者でも活用することができます。
カードローンなどの借金がある
住宅ローンの返済には問題がないが、カードローンなどの借金が嵩み、毎月の生活がギリギリという人は、おまとめローンの代わりとしてリースバックを活用することができます。
リースバックで自宅を売却した代金で、住宅ローンとカードローンなどの借金を返済してしまえば借金は全て返済できるため、その後は家賃だけを支払って行くことができます。
将来的には貯蓄を行うか、退職金などで自宅を買い戻すことも可能ですし、複数の借金が減少すれば住宅ローンの審査にも通りやすくなるため、住宅ローンを活用して自宅を買い戻すことも可能です。
子供が医学系の学部に進学した
医学系の学部に進学すると、授業料や入学金は数千万円にのぼることもあります。
教育資金は銀行や日本政策金融公庫でも借りることができますが、さすがに数千万円の借入をすることは非常に難しくなります。
このような時にリースバックを利用することで大きなお金を手にすることができます。
やはり将来的には退職金などで買い戻しも可能ですし、夫婦だけで何処かに住替えるというような人生の選択肢も広がります。
手元にお金を用意しておきたい
高齢化社会になり、人気の老人ホームなどは空き待ちになっていることも少なくありません。
このような時には、手元にお金を用意しておき、空きが出た時にすぐにお金を振り込まないと、また他の人で埋まってしまいます。
このような場合にリースバックは活用できます。
リースバックで自宅を売却して、お金を手元に用意しておけば、老人ホームなどに空きが出たタイミングですぐにお金を振り込むことができます。
空きが出るまでは、家賃を払って自宅に住み続けれることができるため、負担なく老人ホームの空きが出るのを待つことができます。
リースバックのメリット
リースバックには「まとまったお金を手にいれることができる」というメリットの他にも以下のようなメリットがあります。
自宅を手放す必要がない
やはりリースバック最大のメリットは自宅を手放す必要がないという点です。
普通の売却では自宅に住み続けることはできませんが、リースバックは住み続けることができ、さらに将来的には買い戻すことまでできるので、「自宅を売却する」という重い決断をすることなく、どちらかといえば気軽に自宅を売却することができます。
売却したことが周りに知られない
自宅を売却したと言っても、自宅に「売却物件」という看板が立てられるわけではなく、外形上は全く変わりません。
登記簿謄本の所有者が変わるだけですので、そんなことは近所の人は全くわかりません。
お金に困って自宅を売却しようか考えている人には「世間体」を気にしてなかなか決断ができない人も多いですが、リースバックは近所の人に自宅の売却を知られることなく、自宅を売却することができます。
買い手を探す必要がない
自宅を売却すると言っても買い手がいなければ売却どころではありません。
通常、自宅の売却には1年以上の時間がかかることも珍しくありません。
しかし、リースバックの場合にはリース会社や不動産会社が買い取りをしてくれるため、買い手を探す時間と労力が必要ありません。
先ほどのハウスドゥであれば最短9日間で資金化することができ、不動産の売買では驚異の速度で資金化が可能です。
急いでお金が必要な時でもリースバックならしっかりと対応することができます。
リースバックのデメリット
リースバックは「自宅に住み続けられながらまとまったお金を手にすることができる」という点以外では、金銭的には損をすることが多い仕組みになっています。
しっかりと金銭的なデメリットを理解した上で利用することをおすすめします。
また、悪徳業者も多いため十分に業者選びには注意しましょう。
売却相場が安くなることが多い
リースバックで自宅を売却すると、売却代金が近隣の不動産相場よりも安く買い取られることが一般的です。
売却後も住み続けられるというメリットはあるものの、自分で買い手を探すほうが一般的には売却価格は高くなります。
家賃が高い
リースバックによって自宅を売却した後は、リース会社や不動産会社へ家賃を支払ってその後も住み続けることができます。
しかし、この家賃が近隣の家賃相場よりも高く設定されることが一般的です。
買い戻す際の価格が高い
リースバックは将来的に自宅を買い戻すこともできますが、この際の買取価格は近隣の不動産相場よりも高く設定されることが一般的です。
住宅ローンを利用して買い取りを考えている人も、近隣の相場よりも高く設定されてしまった場合には、担保割れになれば住宅ローンで満額を借りることはできませんので、自己資金がないとローンでの買い戻しは難しいでしょう。
このように、リースバックは「安く売って、高く借りて、高く買う」という取引ですので、金銭的にはデメリットが大きくなります。
また、リースバック業者の中には、お金に困っている高齢者などを狙って、異常に安い値段で買い取って、その後は高額な家賃を設定する悪徳業者も存在します。
利用の際には業者選びには十分に注意するとともに、複数の業者から見積もりをとった方がよいでしょう。
まとめ
リースバックは自宅に住み続けながら、自宅を売却することができる方法です。
家賃さえ払えば自宅に住み続けられ、また買い戻すこともできます。
しかし、買い取り価格が安く、家賃は高いというデメリットがあります。
リースバックはリースバックでしか得られないメリットがあるとともに、金銭的なデメリットも大きいため、短期間だけ利用するなど、賢く活用するようにしましょう。