介護保険制度を理解する

今更聞けない!高齢者の残りの人生を設計する「ケアプラン」とは

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いざ親御さんに介護が必要になったとき。誰もが一度は耳にする「ケアプラン」についてしっかり理解できているでしょうか。そんなケアプランも簡単に理解することができます。ケアプランを理解することは、あなたの親御さんの残りの人生について大切に考えるということになります。今回はケアプランについてご説明します。

0、ケアプランとは

「ケアプラン」とは、介護を必要とする要介護者とその家族の状況や要望にもとづいて「これからどのような生活を送りたいか」などの目標を設定し、その目標にむけて利用する介護保険サービスの種類や頻度を決めた利用計画書のことをいいます。

1、ケアプランの重要性

 

皆さんは人生設計や人生計画について、どのように考えているでしょうか。しっかり考えている方もいれば、そうでない方もいるでしょう。では、赤の他人であるケアマネージャーや介護職員に「適当にあなたの人生計画を立てられた」ら、どう感じるでしょうか。

「ケアプラン」は、介護を必要とする高齢者とその家族が、より充実した生活を送れるようにすることを目的として作られます。これは、「親御さんの残りの人生を計画する。」と言い換えることができるのではないでしょうか。

映画制作で例えるなら、介護を必要とする高齢者は映画の主人公。その家族はメインキャラクター。ホームヘルパーたちは、主人公とメンキャラクターを引き立てる、サブキャラクターといったところ。

介護保険サービスの責任者は監督。ケアマネージャーはプロデューサーや脚本家の役割。誰か一人でも「ケアプラン」を軽視していたのでは、良い映画を作ることはできませんし、親御さんの残りの人生が良いものになるとも思えません。

2、ケアプランの具体的内容

ケアプラン

2−1、家族の意向や援助の方針を決定する「サービス計画書(1)」

親御さんやその家族の生活に対する意向と、それに準じた援助の方針が決められます。旅で例えると、「どのような旅にしたいのか。」を決める部分です。ゆったり贅沢な旅もいいですし、忙しくても、たっぷりお腹いっぱいにたくさんの観光名所を巡る旅もいいかもしれません。

2−2、ニーズ(ゴール)や目標、サービス内容を決定する「サービス計画書(2)」

「ゆったり楽しい生活を送りたい」とか「だんだん歩けなくなってきている」などの課題は、誰しもにあります。そういった課題を洗い出し、解決すべきニーズ(ゴール)として設定します。

ニーズ(ゴール)を実現させるためには、いくつかの長期目標(6ヶ月)や短期目標(3ヶ月)という通過点が必要です。目標は、ニーズ(ゴール)を達成するための通過点でしかないということ。

例えば、ダイエットのように「3ヶ月で体脂肪率1%減少」とか、「6ヶ月で1キロマイナス」とか「3ヶ月で1キロ先にある公園まで歩けるようにする」などのように、具体的で、計測することのできる目標にすることがコツ。

計測することができると、親御さん本人も介護を提供する職員も家族であるあなたも、その目標に近づけば近づくほど、やる気に繋がります。また、通過地点があるからこそ現在地を把握できます。

目標が決まったら、目標地点を通過するために、親御さんが「どのようなことをするか」、ホームヘルパーは「どのようなサービスを提供するか」、「それを行うのはいつで」、「どの程度行うのか」、細やかな具体的サービス内容を決定します。

2−3、介護保険サービスを組み合わせる「週間サービス計画書」

親御さんやその家族の要望と方針が記載される「サービス計画書(1)」、ニーズ・目標・サービス内容からなる「サービス計画書(2)」を基に、どのような介護保険サービスを利用するかを決定し、スケジュール化するところです。

それぞれの介護保険サービスを、どのくらいの頻度でそれを提供していくのか、スケジュール表にまとめていくのです。

このように、「サービス計画書(1)」「サービス計画書(2)」「週間サービス計画書」、3つの様式で「ケアプラン」が構成されています。

3、今困っていることや要望などを聞かれます

ケアプラン作成の流れ

ケアプランの作成の際は、ケアマネージャーから介護保険サービスを利用する本人である親御さんとその家族のニーズや課題を聞かれます。

具体的に、「今までどのように生活してきたか」「その後なぜ介護が必要になったのか」「今後はどのような生活をして行きたいか」「家族はどのように関わって行きたいか」「家族はどこまで協力できるか」「家族との関係」「ご近所との関係」「心身の状態」「若い頃の環境や思い出」「介護サービス利用をする上で重点を置きたいこと」「介護保険サービスに期待すること」「介護に使える金額」など、さまざまなことを聞かれるでしょう。

もちろん、わからないことや悩んでいることがあれば、相談しましょう。いろいろなアドバイスや情報を提供してくれるはずです。この時聞いた情報を元に、後日ケアマネージャーが「仮のケアプラン」を作ってきてくれます。

4、サービス担当者会議

居宅介護支援事業所・ケアマネージャー・ケアプラン

「仮のケアプラン」を調整したら「サービス担当者会議」が開催されます。「サービス担当者会議」開催の目的は、課題の共有・検討、それぞれの役割を理解、「ケアプラン」を全員で承認すること。

そして、親御さんとその家族、提供する会社、ケアマネージャーなどが一致団結し、チームケアをしていけるようにすることが一番重要な目的となります。

「サービス担当者会議」の参加者は、親御さんとその家族、ケアマネージャー、訪問介護やデイサービスのサービス提供責任者など、「ケアプラン」の内容によって、必要な人材が召集されます。もちろん、都合がつかずに欠席される場合もあります。

ここでは、ケアマネージャーが中心となって、「仮のケアプラン」をもとに、それぞれの立場での意見を収集していきます。収集した意見をまとめ、どのように「ケアプラン」に反映させて行くかが決まります。

「サービス担当者会議」の開催場所は、介護保険サービスを利用する本人の家であったり、病院であったり、それぞれの会社の事務所を借りたり、状況によって場所が異なります。こうして会議の開催で再調整された「ケアプラン」は、本人や家族の同意を得ることで完成します。

いかがでしたか。今回はケアプランについてご説明しました。これであなたも、親御さんの残りの人生を大切に考える(ケアプラン)ことができるはずです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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実家終いノート編集部
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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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