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要介護認定調査の訪問調査に家族が立ち会わないと損をする理由

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要介護認定調査における、要介護度の判定結果は、家族が立ち会うかどうかによって大きな差が出ることもあります。訪問調査に来るケアマネージャーは、普段から親御さんのそばにいるわけではありません。もちろん、親御さんの心身状態に詳しいわけがありません。聞き取り調査だけでは、しっかり正しい情報収集ができるかどうか、わからないのです。今回は要介護認定調査の訪問調査に家族が立ち会わないと損をする理由についてご紹介します。

訪問調査の内容は基本、聞き取り調査

要介護認定調査の訪問調査は、基本的にケアマネージャーによる聞き取り調査です。基本動作について13項目、生活機能について12項目、認知症について9項目、社会的行動について15項目、社会生活について6項目。

中には、聞き取りだけでなく足を上げてもらったり、立ってもらったりなど、実際に動いてもらうことで身体機能を評価していきます。

親御さんが見栄をはってしまう

聞き取り調査の場合、親御さんは恥ずかしいからか、つい見栄を張ってしまいます。これは誰にでもあることです。知らない人に「排泄にお手伝いは必要ですか。」と聞かれて、本当はオムツをしていてたまに尿もれがあっても、悪気なく「お手伝いは必要ないですよ。問題なくできます。」と言ってしまうのは当たり前のこと。

親御さんが突然元気になる

元気

恥ずかしいことを正直に言える人はほとんどいません。嘘をついてしまうのは当然のこと。しかし、それだけではありません。

親御さんの認知症がかなり進行しているとして、普段ほとんど会話もできなくなっているとします。しかし、ケアマネージャーさんが来ると突然覚醒します。本当に驚くほどに、急にまともになるのです。体までいつもより元気に動き出します。私の経験上、ほぼ100%。特に、若くて容姿の良い異性が来た場合には注意。

例えば、「今日は何年何月何日ですか。」と聞かれたとします。認知症が進んでいる方なら、このような簡単な質問にも答えることができないこと、珍しくありません。80歳を過ぎているのに、まるで自分が20代のように話す方もいらっしゃいます。この場合、50年以上前の西暦を答える方もいるかもしれません。

そのような状態にあるにもかかわらず急に正しい日付を答えるのです。まるで今までは寝ていたかのように、今覚醒したとしか思えないほどに、スラスラと答えてしまうこともあります。

調度よく介護度の判定がなされるのが一番

1番

認知症の度合いや身体能力の度合いで要介護度が決められます。一番良いのは、普段の状態を見て、普段の状態に合った、ちょうど良い要介護度で判定されるのが一番です。

要介護度3相当の心身状態の方がいたとします。介護保険サービスの料金は、要介護度が高くなればなるほど高くなりますので、要介護度が軽度に判定されるとラッキーに思えます。ですが、要介護度によって限度額も利用できるサービスも異なるのです。

簡単に言うと、場合によっては今まで利用していた介護保険サービス量を減らさなければなりません。今までのサービス量では、限度額を超えてしまう恐れがあるからです。量を減らすだけならまだしも、今まで利用していた介護保険サービスを利用できなくなってしまうこともあります。

例えば、特養に入居中の要介護度3相当の心身状態にある方が要支援2の判定を受けてしまった場合、その他の条件も揃ってしまえば退所が必要です。

自宅で訪問介護などの介護保険サービスを利用している方も関係します。要介護度3相当の心身状態にある方が要支援2の判定を受けてしまったら、ケアマネージャーを変えなければなりません。

居宅介護支援事業所に所属するケアマネージャーからケアプランを作成してもらうのではなく、地域包括支援センターに変えなければならないのです。今まで利用していた訪問介護やデイサービスなどの利用継続もできなくなります。

訪問調査に家族が必ず立ち会う

このような間違いが起こらないよう、必ず家族が立ち会う必要があります。家族の立会いがあれば、親御さんの見栄も、急に元気になってしまっても、家族がその場で訂正できます。

ケアマネージャーは、本人が見栄を張ってできると言ってしまったり、急に元気になってしまうことを理解しています。そのため、本人との会話の後、家族とだけで話す機会を必ず設けてくれます。そのときにしっかり、普段の親御さんの状態をお伝えしましょう。

訪問調査に家族が立ち会う方法

要介護認定調査の申請書類に「立会者の名前・関係・連絡先」を記入します。この時立ち会う家族は、今の親御さんの心身状況を一番知っている方がつとめましょう。その後は、要介護認定の流れの通り、日取りの調整のためのケアマネージャーからの連絡を待ちましょう。

要介護認定の流れについては『介護保険サービスの利用を考えている方に必要な要介護認定調査の流れ

もし、家族が誰も立ち会うことができない場合、現在のケアマネージャーや訪問介護などの介護保険サービス提供事業者に相談してみましょう。ケアマネージャーに立ち会ってもらったり、訪問介護中に訪問調査をお願いしたり、親御さんの心身状態を少しでも知っている方がいれば安心です。

誰かが立ち会ったにもかかわらず、実際の心身状態とかけ離れた要介護認定を受けてしまった場合には、「区分変更」の申請を考えます。「区分変更」の申請についての詳しい説明は『要介護度が下がったときの対象法!区分変更とは』を確認してください。

いかがでしたか。今回は要介護認定調査の訪問調査に家族が立ち会わないと損をする理由についてご紹介しました。これで、安易に親御さんだけで訪問調査をすることがなくなるかと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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