介護保険制度を理解する

介護保険サービスの玄関!ケアプラン作成「居宅介護支援事業所」とは

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

初めての介護保険サービス、とても不安ですよね。そんな介護保険サービスも、ケアマネージャーの存在によって簡単に利用できるので安心です。今回は、介護保険サービスを利用する方法とその玄関口である居宅介護支援事業所について説明します。

居宅介護支援事業所とは

 

居宅介護支援事業所とは、要介護認定を受け介護を必要とする方が、自宅で適切な介護保険サービスを利用できるように、さまざまな相談やお願いに応えてくれるサービスです。

居宅介護支援事業所・ケアマネージャー・ケアプラン

相談やお願いに応じてくれる人は、みなさんご存知「ケアマネジャー(介護支援専門員)」。ケアマネジャーは、親御さんの心身の状況や生活環境、親御さんとその家族の希望に沿って、「ケアプラン」と呼ばれる計画を作成したり、介護保険サービスを提供する会社との連絡・調整などをします。

4種の「介護保険サービス」の玄関はケアプラン

介護保険サービスの玄関

要介護認定を受けただけでは、介護保険サービスは利用できません。「介護保険サービス」を利用するには、まずケアプランの作成が必要です。「介護保険サービス」利用のスタート地点がケアプラン作成なのです。

自宅で生活する親御さんの介護に関する計画書「ケアプラン」は、基本的に4種に分類される介護保険サービスで構成されます。訪問・通い・泊まり・生活環境の4種類です。

訪問系のサービスは6つ、通う系のサービスは3つ、宿泊系は2つ、訪問・通う・宿泊の複合型サービスは3つ、生活環境は3つ、合計17の介護保険サービスの組み合わせで計画されます。施設サービス以外の訪問・通い・泊まり・生活環境、どれを利用するにもケアプランが先だということです。

例えば、要介護認定を受けた自宅で暮らす親御さんのために、訪問介護とデイサービスの利用を考えたとします。その場合でも、まずは「居宅介護支援事業所(地域包括支援センター)」に連絡し、計画書「ケアプラン」の作成依頼をしなければなりません。

計画(ケアプラン)を作ってくれる場所は2種類ある

居宅介護支援事業所と地域包括支援センター

少しわかりづらいのですが、計画(ケアプラン)を作ってくれる場所は「居宅介護支援事業所」と「地域包括支援センター」の2種類です。

「居宅介護支援事業所」は民間営業。あなたの街にたくさんありますので、近いところを選んでもいいですし、口コミで決めてもいいかと思います。また、「地域包括支援センター」や市役所でも紹介してくれます。

「地域包括支援センター」の場合、運営は市区町村。「居宅介護支援事業所」と同じく、あなたの街にいくつかあるのですが、選択することはできません。住んでいる場所によって決められています。

要支援1〜2の認定を受けた場合は、「地域包括支援センター」に相談したり、ケアプラン(介護予防サービス計画)作成の依頼をします。要支援1〜2の方にとって、介護保険サービスの玄関口は「地域包括支援センター」です。

要介護1〜5の認定を受けた場合は、「居宅介護支援事業所」に相談したり、ケアプラン(居宅サービス計画)作成の依頼をします。要介護1〜5の方にとって、介護保険サービスの玄関口は「居宅介護支援事業所」です。

もうお気付きの方もいるかと思いますが、要介護1〜5の方のケアプランの名前は「居宅サービス計画」。要支援1〜2の方のケアプランの名前は「介護予防サービス計画」と名称が異なります。名称は違っても、計画書である点に変わりありません。

名前が異なる理由は、その目的の違いから。「居宅サービス計画」は、すでに体が不自由な親御さんが、不自由なく暮らせるよう「支援」「介護」することを目的に計画されます。

要支援1〜2の方の場合、要介護1〜5の方に比べて、まだ体が不自由とはいえません。そこで、「介護予防サービス計画」では、不自由(要介護1〜5)になりそうな親御さんを、不自由(要介護1〜5)な状態になることを「遅らせる」「防ぐ」「改善する」ことを目的に計画されます。

ケアプランとは

ケアプラン

「ケアプラン」とは、介護を必要とする要介護者とその家族の状況や要望にもとづいて「これからどのような生活を送りたいか」などの目標を設定し、その目標にむけて利用する介護保険サービスの種類や頻度を決めた利用計画書のことをいいます。

「ケアプラン」作成の目的は、高齢者とその家族が、より充実した生活を送れるようにすることです。「ケアプラン」は、上のイラストにあるように3枚で構成。

1枚目は「介護の方針」。2枚目は「具体的目標やサービス内容」。3枚目は「スケジュール表」です。

ケアプランについての詳しい内容は『今更聞けない!親の残りの人生プランを設計する「ケアプラン」とは』をチェック。

ケアプラン作成までの流れ

ケアプラン作成の流れ

  • 「地域包括支援センター」または「居宅介護支援事業所」に「ケアプラン」の作成を依頼します
  • ケアマネージャーから、「親御さんの自宅にいつ訪問するか」などについての電話連絡が来ます
  • ケアマネージャーが名刺、事務所のパンフレット、契約書一式などを持って自宅に訪問してくれます(初回訪問)
  • ケアマネージャーに介護保険証の確認をしてもらいます
  • ケアマネージャーが重要事項の説明をしてくれます
  • 契約書や個人情報に関する同意書に署名捺印します
  • ケアマネージャーに今困っていることや要望などを聞かれます
  • ケアマネージャーが後日、要望に沿った仮の「ケアプラン」を作成して持って来てくれます
  • ケアマネージャーが仮の「ケアプラン」を調整します
  • ケアマネージャー、介護保険サービスを提供する会社などが集まる「サービス担当者会議」が開催されます
  • ケアマネージャーが中心になって、それぞれの意見をまとめてくれます
  • ケアマネージャーが「ケアプラン」を完成させ、自宅に持って来てくれます
  • 問題がないようであれば、その「ケアプラン」の同意書に署名します
  • 同意を得て完成した「ケアプラン」は、親御さんに介護保険サービスをしてくれる会社それぞれにも配布されます
  • 「ケアプラン」の週間サービス計画書に記載された予定通りに介護保険サービスが提供されます

居宅介護支援事業所のサービス利用料金

ケアプラン作成料は無料

「居宅介護支援事業所(地域包括支援センター)」の利用料金はなんと無料。ケアプランを作成してくれたり、他の事業所との連絡や調整をしてくれたり、会議を開いていれたりしても無料です。厳密には、毎月10,000〜14,000円の料金が発生していますが、全額介護保険が負担してくれます。他の介護保険サービスは1〜2割負担です。

いかがでしたか。今回は介護保険サービスの利用方法と居宅介護支援事業所についてご説明しました。介護保険サービスを利用するには、ケアマネージャーに依頼。要支援と要介護と、依頼する場所が違うだけ。これで介護保険サービス利用は安心です。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

相続した実家が空き家⇛ 築40年超えの古家でも高く売る方法

親の介護費用が払えない!? 親が認知症になってからでは遅い

築47年の一戸建てを相続したが住まない長男が実家を売却【母親が介護施設に入所】

  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

-介護保険制度を理解する