介護保険制度を理解する

介護保険サービスの種類を6つに分類してスッキリまとめてみた

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介護保険サービスって、なんだかわかりづらいですよね。同じようでいて漢字がたくさんのサービス名称は、働いている側からしてもわかりづらいことこの上ないです。そんな介護保険サービスも、6つに分類するだけで簡単に把握することができます。今回は、介護保険サービスについてご説明します。

1、計画作成・訪問・通い・泊まり・生活環境・施設

介護保険サービス6つの分類

介護保険サービスを大きく分類すると、計画作成・訪問・通い・泊まり・生活環境・施設の6つに分けることができます。

自宅で暮らす親御さんの場合、まず計画作成のサービスを依頼し、訪問・通い・泊まり・生活環境の4つを組み合わせた介護保険サービスを利用していくことになります。

施設で暮らす親御さんの場合、施設のケアマネージャーが計画作成をしてくれた上で、施設で不自由なく暮らしていけるよう、介護保険サービスをしてくれます。

2、介護系とケア・リハビリ系

訪問・通い・泊まり・施設の4つは、さらに「介護系」と「ケア・リハビリ系」に分類されます。「介護系」は介護をしてくれるサービスで、「ケア・リハビリ系」は治療やリハビリなどの医療的サービスが中心となるサービスです。

3、介護予防

介護予防

介護保険サービスには、サービス名称の頭に「介護予防」とついているサービスとついていないサービスの2種類があります。ついていてもいなくても、サービスの内容は一緒です。目的だけが異なります。

「介護予防」とあるサービスは、要支援1〜2の方向けの介護保険サービスです。要介護状態にならないようにするため、介護予防を目的としているサービスです。
名称の頭に「介護予防」がついていないサービスは、要介護1〜5の方向けの介護保険サービスです。体の不自由な高齢者が、できる限り不自由なく暮らしていけるよう介護していくことを目的としています。

大事なことなのでもう一度いいますが、サービス名称の頭に「介護予防」とついていてもいなくても、それ以下のサービス名称が一緒であれば同じサービス内容です。

4、地域密着型サービス

地域密着型サービス

「地域密着型サービス」とは、住み慣れた地域での生活が継続できるようにとの目的を目指すサービスです。そのため、他の市町村にお住いの高齢者は、原則利用することができません。

わかりやすく、サービス名称の頭に「地域密着型」とついているサービスもありますが、ついていない「地域密着型サービス」もあります。

「地域密着型サービス」と普通のサービスと、名前が一緒のサービスであればサービスの内容に違いはありません。内容に変わりありませんが、普通のサービスに比べ、『サービスの濃さ』と『住まいからの距離』が違います。

普通のサービス比べ、「地域密着型サービス」の方が小規模なので、より濃いサービスを受けることができます。また、他の市町村にお住いの高齢者は、原則利用できませんので、住み慣れた地域で介護保険サービスを受けることができます。

例えば、川口市にお住いの親御さんでしたら、川口市内にある「地域密着型特定施設入居者生活介護」には入所できますが、戸田市の「地域密着型特定施設入居者生活介護」には、原則入所することができません。

なぜ地域に密着する必要があるのか。理由は、暮らし慣れていない場所に移動(引越しなど)すると認知症が悪化する恐れがあるからです。そのため、認知症の方向けに作られた介護保険サービスは、「地域密着型」と頭についていなくても、基本的に「地域密着型サービス」になります。

5、介護保険サービスの種類

介護保険サービスの種類
サービス分類 サービス名称 利用条件 サービス概要
介護計画(ケアプラン)作成サービス 居宅介護支援 要介護1〜5 自宅で暮らす親御さんが、介護サービスを利用するための玄関となるケアプランを作成してくれる。
介護予防支援 要支援1〜2 居宅介護支援と同じ。
訪問系介護サービス 訪問介護 要介護1〜5 ホームヘルパーが親御さんの自宅を訪問し、食事、入浴、排せつなどの介護や調理、買い物、洗濯、掃除などの家事を行なってくれる。
訪問型サービス 要支援1〜2
基本チェックリスト該当者
訪問介護と同じ+お住いの地域によってプラスアルファあり。『総合事業』サービスの1つ。
訪問入浴介護 要介護1〜5 親御さんが自宅のお風呂に入ることが難しくなってきた場合に、看護師とホームヘルパーが、専用の浴槽を持って親御さんの自宅に訪問し、脱衣から入浴後のバイタルチェックまで、お部屋にて入浴介助をしてくれる。
介護予防訪問入浴介護 要支援1〜2 訪問入浴介護と同じ。
夜間対応型訪問介護 ①要介護1〜5
②同市町村内
夜間(18時~8時)帯に、ホームヘルパーが、親御さんの自宅を訪問して、排泄の介助や安否確認などを行なってくれる。地域密着型サービス。
訪問系ケア・リハビリサービス 居宅療養管理指導 ①要介護1〜5
②医師の指示
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが親御さんの自宅を訪問し、健康管理や指導、アドバイスしてくれる。
介護予防居宅療養管理指導 ①要支援1〜2
②医師の指示
居宅療養管理指導と同じ。
訪問看護 ①要介護1〜5
②訪問看護指示書
看護師などの職員が、あなたの親御さんの自宅に訪問し、病気や障害の治療・処置してくれる。
介護予防訪問看護 ①要支援1〜2
②訪問看護指示書
訪問看護と同じ。
訪問リハビリテーション ①要介護1〜5
②訪問リハビリ宛てへの診療情報提供書(紹介状)
③訪問リハビリ病院への診察
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの職員が、親御さんの自宅に訪問し、リハビリをしてくれる。
介護予防訪問リハビリテーション ①要支援1〜2
②訪問リハビリ宛てへの診療情報提供書(紹介状)
③訪問リハビリ病院への診察
訪問リハビリテーションと同じ。
通い系介護サービス 通所介護(デイサービス) 要介護1〜5 施設に通って、他の高齢者とともに昼食、入浴、リハビリ・訓練、レクリエーションを楽しむ。
通所型サービス(介護予防デイサービス) 要支援1〜2
基本チェックリスト該当者
通所介護(デイサービス)と同じ+お住いの地域によってプラスアルファあり。『総合事業』サービスの1つ。
地域密着型通所介護(小規模デイサービス) ①要介護1〜5
②同市町村内
デイサービスとサービス内容は一緒。デイサービスに比べ、利用定員18人以下で小規模。地域密着型サービス。
認知症対応型通所介護(認知症デイサービス) ①要介護1〜5
②認知症の診断
③同市町村内
デイサービスとサービス内容は一緒。認知症デイサービスは、その名の通り認知症の方だけが利用できるデイサービスです。デイサービスに比べ、利用定員12人以下で小規模。地域密着型サービス。
介護予防認知症対応型通所介護(介護予防認知症デイサービス) ①要支援1〜2
②認知症の診断
③同市町村内
認知症対応型通所介護と同じ。
通い系リハビリサービス 通所リハビリテーション(デイケア) ①要介護1〜5
②リハビリ病院宛てへの診療情報提供書(紹介状)
③リハビリ病院への診察
介護老人保健施設や診療所、病院などに通って、リハビリテーションをしてもらい、心身機能の維持回復を図る。
介護予防通所リハビリテーション(介護予防デイケア) ①要支援1〜2
②リハビリ病院宛てへの診療情報提供書(紹介状)
③リハビリ病院への診察
通所リハビリテーションと同じ。
宿泊系介護サービス 短期入所生活介護(ショートステイ) 要介護1〜5 施設に泊まって、他の高齢者とともに昼食、入浴、リハビリ・訓練、レクリエーションなどをしてくれる。
介護予防短期入所生活介護(介護予防ショートステイ) 要支援1〜2 短期入所生活介護と同じ。
宿泊系ケア・リハビリサービス 短期入所療養介護 要介護1〜5 介護老人保健施設や診療所、病院などに泊まって、治療やリハビリテーションをしてもらい、心身機能の維持回復を図る。
介護予防短期入所療養介護 要支援1〜2 短期入所療養介護と同じ。
複合型(訪問+通い+宿泊)介護サービス 小規模多機能型居宅介護 ①要介護1〜5
②同市町村内
「通い」を中心に、「ケアマネージャーによるケアプラン作成」「訪問」「泊まり」4つを組み合わせたサービス。登録定員29人以下で小規模。地域密着型サービス。
介護予防小規模多機能型居宅介護 ①要支援1〜2
②同市町村内
小規模多機能型居宅介護と同じ。
複合型(訪問+通い+宿泊+看護)ケア・リハビリサービス 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ①要介護1〜5
②同市町村内
一日複数回、ホームヘルパーによる定期巡回サービスと、連絡により応対・訪問を行う随時訪問・随時対応サービス、主治医の指示で看護師等が親御さんの自宅を訪問する訪問看護、4つを組み合わせたサービス。地域密着型サービス。
看護小規模多機能型居宅介護 ①要介護1〜5
②同市町村内
「デイサービス」を中心に、「ケアマネージャーによるケアプラン作成」「訪問介護」「ショートステイ」、さらに「訪問看護」の5つを組み合わせたサービス。地域密着型サービス。
生活環境の整備(介護用品)サービス 福祉用具貸与 要介護1〜5 親御さんに必要な介護用品をレンタルするために必要な金銭的負担を軽減してくれる。
介護予防福祉用具貸与 要支援1〜2 福祉用具貸与と同じ。
特定福祉用具販売 要介護1〜5 親御さんに必要な介護用品を購入するために必要な金銭的負担を軽減してくれる。
特定介護予防福祉用具販売 要支援1〜2 特定福祉用具販売と同じ。
生活環境の整備(住宅リフォーム)サービス 住宅改修 要介護1〜5 親御さんが、住み慣れた自宅で暮らし続けることができるよう、リフォームに必要な金銭的負担を軽減してくれる。
介護予防住宅改修 要支援1〜2 住宅改修と同じ。
施設系介護サービス 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養) 要介護3〜5 要介護度が高く、自宅での介護が困難で緊急性の高い要介護者が暮らす介護施設。
地域密着型介護老人福祉施設(小規模特養) ①要介護3〜5
②同市町村内
介護老人福祉施設とサービス内容は一緒。介護老人福祉施設に比べ、利用定員29人以下で小規模。地域密着型サービス。
特定施設入居者生活介護 要介護1〜5 老人ホーム、シニア向け分譲マンション、ケア付き高齢者住宅、サービス付き高齢者住宅、ケアハウスなど、様々な高齢者が暮らす介護施設。
介護予防特定施設入居者生活介護 要支援1〜2 特定施設入居者生活介護と同じ。
地域密着型特定施設入居者生活介護 ①要介護1〜5
②同市町村内
特定施設入居者生活介護とサービス内容は一緒。特定施設入居者生活介護に比べ、利用定員29人以下で小規模。地域密着型サービス。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) ①要介護1〜5
②同市町村内
認知症の高齢者が暮らす介護施設。利用定員9人以下(2つくっついている場合18人:1階と2階とに分かれているなど)で小規模。地域密着型サービス。
介護予防認知症対応型共同生活介護(介護予防グループホーム) ①要支援2
②同市町村内
認知症対応型共同生活介護と同じ。
施設系ケア・リハビリサービス 介護老人保健施設(老健) ①要介護1〜5
②医師の指示
看護によるケアや作業療法士によるリハビリサービスを受け、在宅復帰を目指す介護施設。
介護療養型医療施設(療養病床) ①要介護1〜5
②医師の指示
医師、看護師、介護職員によって長期療養を受けられる介護施設。2018年3月廃止予定。
介護医療院Ⅰ型 ①要介護1〜5
②医師の指示
③医療の必要性が比較的高く、容態が急変するリスクがある方
「介護療養病床」に相当。医師、看護師、介護職員によって長期療養を受けられる介護施設。要介護度が重度の方でもしっかり対応。2018年4月新設。
介護医療院Ⅱ型 ①要介護1〜5
②医師の指示
③医療の必要性があり、容態が安定している方
「介護老人保健施設」に相当。医師、看護師、介護職員によって長期療養を受けられる介護施設。多様なニーズに応えられる柔軟な介護サービス。2018年4月新設。
医療外付型 ①要介護1〜5
②医師の指示
③医療の必要性があり、容態が安定している方
「医療機関+有料老人ホーム」に相当。いつでも訪問診療にてリハビリも医療ケアも受けられる病院と併設された介護施設。多様なニーズに応えられる柔軟な介護サービス。2018年4月新設。

※2017年7月時点での介護保険サービスです。

いかがでしたか。今回は介護保険サービスについてご説明しました。わかりずらかった介護保険サービスが、スッキリまとまったかと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

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最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

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だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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