介護保険制度を理解する

高齢者のためのなんでも相談所「地域包括支援センター」とは

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あなたは、親御さんのことで悩んだらどうしていますか。友達や旦那さんに相談しますか。書籍を購入して調べますか。すでに介護保険サービスを利用している方でしたらケアマネージャーに相談するでしょうか。そんな親御さんに関する悩み、専門家が聞いてくれる相談窓口があなたの街にもあります。今回は、高齢者のためのなんでも相談所「地域包括支援センター」について説明します。

1、「地域包括支援センター」とは

「地域包括支援センター」とは、市町村が運営する、高齢者のためのなんでも相談所です。高齢者のためにあるので、65歳以上であれば、介護保険サービスを利用していない方も、要介護認定を受けていない方も相談することができます。もちろん、親御さん本人が相談に行けない場合は、家族であるあなたが相談しても大丈夫。

「地域包括支援センター」は、大きく分けて4つの相談にのってくれます。「介護予防を支援(介護予防ケアマネジメント)」「高齢者の権利を守るための支援(権利擁護)」「住み慣れた場所で生活し続けるための支援(包括的・継続的ケアマネジメント)」「その他の幅広い相談・支援(総合相談・支援)」の4つです。

1−1、介護予防を支援してくれる(介護予防ケアマネジメント)

ケアプラン

「介護予防を支援(介護予防ケアマネジメント)」とは、親御さんが自立して、自宅や地域で暮らしていけるよう「介護を必要とする状態にならないように防ぐ」ための支援と、「介護を必要とする状態になっても、それ以上の悪化を防ぐ」ための支援をしてくれるサービスをいいます。

具体的には、介護予防サービスの情報をくれたり、実際にそのサービスへの参加を勧めてくれます。すでに「要支援1〜2」の要介護認定を受けている方の場合、「ケアプラン(介護予防サービス計画)」と呼ばれる計画書を作ってくれます。この場合、「ケアプラン」に沿って、実際に介護保険サービスを利用していくことになります。

「ケアプラン(介護予防サービス計画)」に関する詳しい内容は『介護保険サービスの玄関!ケアプラン作成「居宅介護支援事業所」とは』をみてください。

1−2、高齢者の権利を守るための支援をしてくれる(権利擁護)

「高齢者の権利を守るための支援をしてくれる(権利擁護)」とは、親御さんの家、土地、お金などの資産守る支援や、虐待を防止してくれるサービス。

高齢者になると判断力が著しく低下します。例えば、空焚き禁止のフライパンを長い間空焚きするようになります。明らかに乗り越えるのが難しい段差を乗り越えようとすることも。今までは危険だと回避していたことが回避されなくなるのです。

高齢者が、詐欺などの被害を受けやすい理由はこれが原因です。判断力の低下が、暴言や暴力の引き金になる人も中にはいらっしゃいます。認知症による記憶の混乱から余裕もなくなっているかもしれません。高齢者が被害者になる虐待も心配ですし、高齢者自身が加害者になる虐待・暴力も心配です。

「権利擁護」の具体的サービスは、お金や契約により、高齢者が損をしないように支援すること。例えば、資産を、信用と信頼できる人に管理をしてもらう「成年後見制度」の手続きと支援。「権利擁護サービス」提供会社の紹介などです。高齢者虐待の問題についても相談を受け付けており、防止するための支援を行なってくれます。

1−3、住み慣れた場所で生活し続けるための支援をしてくれる(包括的・継続的ケアマネジメント)

「住み慣れた場所で生活し続けるための支援をしてくれる(包括的・継続的ケアマネジメント)」とは、親御さんが地域で、自宅で暮らし続けることができるよう、地域全体で支援してくれるサービスです。

具体的には、地域の会社や役所や介護関連の仕事に携わる専門職の方々との連携体制を作ったり、それら組み合わせたサービスの紹介をしてくれます。

1−4、その他の幅広い相談・支援をしてくれる(総合相談・支援)

聞き上手

「幅広い相談・支援をしてくれる(総合相談・支援)」とは、親御さんに関する相談を幅広く受付、幅広く支援してくれるサービスです。

具体的には、行政、保健所、医療、ボランティア、健康、民生委員など、介護に関する悩みだけでなく、生活する上で必要な、幅広い相談に応えてくれます。

2、「地域包括支援センター」では専門家が相談に乗ってくれる

居宅介護支援事業所・ケアマネージャー・ケアプラン

「地域包括支援センター」では、「社会福祉士」「保健師」「主任ケアマネージャー」など、介護や福祉の専門的な資格を持った職員が相談に乗ってくれます。

「社会福祉士」とは、国家資格の一つで、日常生活難しい方について、福祉に関する相談、助言、援助をしてくれる専門知識を持った人をいいます。医療など福祉に関連するサービス提供会社との連携も。「地域包括支援センター」では主に、総合的な相談や高齢者の権利に関する相談に乗ってくれます。

「保健師」とは、国家資格の一つで、簡単にいうと「看護師」。「保健師」の資格を取得するためには、まず「看護師」の資格を得なければならないので、資格取得までにとても時間と根気のいる大変な資格。

「看護師」は病気や怪我をした患者の治療を行うことを仕事にしていますが、「保健師」は病気や怪我の予防を行う仕事をしています。もちろん、「保健師」は「看護師」の資格もありますので病気や怪我の治療に関する知識も専門的です。「地域包括支援センター」では主に、介護予防・医療・健康に関連する相談に乗ってくれます。

「主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)」とは、ケアマネージャーの上級資格です。ケアマネージャーの親分みたいな立ち位置。地域のケアマネジャーをまとめたり、指導、育成まで行うことを仕事としています。いわば、介護全般の相談のスペシャリスト。「地域包括支援センター」では主に、住み慣れた場所で生活し続けるための相談に乗ってくれます。

相談内容の例

  • 要介護認定はされていないけど、急速な衰えを感じていて不安だ。
  • 「要介護」にならないためにどうしたら良いか。
  • 親の虐待に困っている。
  • ホームヘルパーによく怒鳴られる。
  • 親が詐欺の被害にあってしまった。
  • 親の資産の管理に不安がある。
  • 成年後見制度の利用手続きを援助してほしい。
  • 買い物や通院に不安がある。
  • だんだん調理ができなくなってきた。
  • 介護認定の代理申請をお願いしたい。
  • 介護保険サービスや、その他の保険・福祉のサービスの紹介と利用手続きの援助をお願いしたい。
  • ケアマネージャーを紹介してほしい。
  • 介護をしている家族の体調が悪くなってしまった。
  • 誰かの役に立ちたい。
  • ボランティアをしたい。

3、「地域包括支援センター」は、知らないだけで近所にあります

近所

厚生労働省によると、平成26年4月末時点での「地域包括支援センター」の設置数は、全国で7,228箇所にも及びます。コンビニ並みの設置数。川口市内だけでも、平成29年6月時点で20箇所もあります。

相談する場合、「地域包括支援センター」ならどこでもいいわけではないので注意が必要です。「地域包括支援センター」ごとに担当地区が決まっているからです。「川口市 地域包括支援センター」などのように検索して、担当地区を調べてから相談しに行きましょう。

地域によって多少違いがありますが、業務時間は8:30〜17:00までのところが多いようです。また、中には予約することができたり、状況によっては訪問してくれるところもあるようです。コンビニ並みに多いとはいえ、高齢者はかなり多く、「地域包括支援センター」は常に忙しい状態です。まずは電話で確認してから訪問することをお勧めします。

4、「地域包括支援センター」への相談は無料

 

「地域包括支援センター」への相談は「無料」です。紹介されたサービスを利用するときにだけ料金が発生します。

いかがでしたか。今回は「地域包括支援センター」についてご説明しました。ちょっとでも悩んだら、不安に思ったら、迷わず「地域包括支援センター」に行きましょう。これで親御さんの生活も安心です。

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実家終いノート編集部
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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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