親御さんを介護をしている家族にとって、気の休まるときってあまりないですよね。家族で旅行だってしたいですし、友達づきあいだってあります。たまには息抜きしたいですし、家族が病気になってしまうことだってあります。そんなとき、あなたの親御さんを何日か、施設で預かってくれるサービスがあります。今回は(介護予防)短期入所生活介護[ショートステイ]についてご説明します。
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(介護予防)短期入所生活介護[ショートステイ]とは
ショートステイ(短期入所療養介護)とは、施設に泊まって、他の高齢者とともに昼食、入浴、リハビリ・訓練、レクリエーションなどを受けることのできるサービスです。ショートステイは利用する親御さんの気分転換にもなりますが、家族の負担軽減も目的の一つです。例えば、介護のお休み、家族旅行、病気、冠婚葬祭、様々な理由でショートステイを利用できます。
似たようなサービスに『短期入所療養介護』があります。
ショートステイの種類とタイプと利用できる人
ショートステイの種類と利用できる人
サービス名称 | 利用対象者 | 目的 |
---|---|---|
短期入所生活介護 | 要介護1〜5 | 不自由なく日常生活ができるような「支援」「介護」 |
介護予防短期入所生活介護 | 要支援1〜2 | 要介護状態を「遅らせる」「防ぐ」「改善する」 |
ショートステイのタイプ
タイプ | 概要 | 空き状況 |
---|---|---|
併設型 | 特養などの介護施設内の部屋に宿泊する | なかなか空きがなく、すぐに利用できない |
単独型 | ショートステイ専用施設 | ほとんどないので利用できない |
タイプ | 概要 | 料金 |
---|---|---|
ユニット型(準)個室 | 個室+共同生活スペース | 高め |
従来型個室 | 個室 | 普通 |
多床室 | 2〜6名の大部屋 | 安い |
ショートステイで働く職員
- 生活相談員
- 生活相談員とは、説明・契約・手続き・関連機関との連携などを行うものをいいます。福祉の専門知識を持った、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格。介護の専門知識を持った、ケアマネージャーや介護福祉士などが生活相談員業務に携わっています。
- 看護師
- 保健師助産師看護師法に基づき、看護師養成所(学科を3年以上)を卒業し、看護師国家試験に合格することで得られる、看護師免許を与えられた、療養上の世話または診療の補助を行う職員です。
- 介護職員
- 介護の専門知識を持った、ケアマネージャー、介護福祉士。介護職員初任者研修、実務者研修といった研修を行い、介護の専門知識を持った職員が介護職員業務に携わっています。
- 栄養士
- 栄養指導や給食管理、栄養管理に関する専門知識を持った、管理栄養士や栄養士が栄養管理を行なっています。
- 調理員
- 栄養士が考案したレシピをもとに、ショートステイで提供される食事を作っています。
- 機能訓練指導員
- 機能訓練に関する専門知識を持った、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、柔道整復士、あん摩マッサージ指圧師などが機能訓練指導員業務に携わっています。
ショートステイの具体的サービス
- 送迎
- 自宅からショートステイ間の送迎をしてくれます。
- 健康管理
- 看護師が1人必ずいますので、ショートステイ利用中の健康管理もしっかり行ってくれます。
- 入浴
- 看護師の判断で入浴を中止されない限り、介護職員による入浴介助が行われます。
- 洗濯
- 必要に応じて、洗濯や乾燥を行います。
- 食事
- 介護職員による見守り、介助を受けながら、友人・仲間と楽しく食事をします。
- 訓練・リハビリ
- 理学療法士などの機能訓練指導員を中心に、友人・仲間と楽しく訓練やリハビリを行います。
- レクリエーション
- 介護職員のアドバイスやお手伝いを受けながら、友人・仲間と楽しくレクリエーションを行います。レクリエーションという遊びを通し、身体機能の維持・向上、認知症防止を目指します。
- おやつ
- 休憩を兼ねて、友人・仲間とおやつをいただきます。
- 起床介助
- 寝たきりの防止のため、朝起きるときにお手伝い・介護します。
- 整容
- 適切な整容が行われるようお手伝い・介護します。
- シーツ交換
- 清潔に安眠できるよう、定期的にシーツ交換を行います。
- 排泄
- 自分一人で排泄できない方であっても、その都度、介護職員が排泄介助をしてくれます。水分量や排泄量などのチェックも行っていますので安心です。
ショートステイを利用するまでの流れ
- ケアマネージャーに「ショートステイ」を利用したいと希望します。ケアマネージャーに勧められることもあります。
- 「ショートステイ」を、具体的にどこの会社にお願いするか決めます。
- ケアマネージャーが、決めた「ショートステイ」の会社に連絡してくれます。
- 「ショートステイ」に見学、面談をしに行き、問題がなければ申し込みをします。
- 主治医に「診療情報提供書(紹介状)」の作成を依頼します。
- 「ショートステイ」側が、面談と紹介状をもとに、ショートステイが可能かどうかを判定します。
- 「ショートステイ」から、判定結果の連絡がきます。
- 「ショートステイ」に行き、契約します。
- 契約時に決めた日時にお迎え、または家族が送迎して「ショートステイ」開始です。
ショートステイの利用料金
ショートステイの利用料金は、「①介護保険適用費」「②宿泊費」「③食費」からなっています。
「①介護保険適用費」は、ショートステイを利用すると発生する「基本料金」と、リハビリ、看護、医療、送迎などの「追加料金」からなっております。「基本料金」は、単独型や併設型など「施設形態」、「部屋の種類」によっても変わりますが、表には、おおよその料金を記載。多くの方は1割負担。収入によっては2割負担なので2倍してください。
「②宿泊費」「③食費」は、介護保険適用外の費用で、利用するショートステイによって料金が異なります。介護保険の適用外なので全額実費負担。表には、厚生労働省が公表する基準料金を記載しました。多くのショートステイでこの基準費用を採用しているので、大きな差はないかと思います。
「要介護3」、世帯所得「第4段階」の方が「ユニット型個室」に宿泊した場合、自己負担額合計は、『①820+②1,970+③1,380=①+②+③4,170円/日』。おおよそですが、1日宿泊すると4,170円になります。5日なら約20,850円、10日なら約41,700円。
介護保険適用の追加料金、おむつ代、娯楽代、タオルやパジャマのレンタル代、日用品利用代、洗濯代なども考えたら、多く見積もってその1.5倍くらい考えておいてもいいかもしれません。この場合、5日なら約30,000円、10日なら約60,000円にもなります。
要介護度 | 料金全額 | 自己負担1割 |
---|---|---|
要支援1 | 約4,400 | 約440 |
要支援2 | 約5,500 | 約550 |
要介護1 | 約6,800 | 約680 |
要介護2 | 約7,500 | 約750 |
要介護3 | 約8,200 | 約820 |
要介護4 | 約8,800 | 約880 |
要介護5 | 約9,500 | 約950 |
世帯所得段階 | 部屋の種類 | 宿泊費(滞在費) |
---|---|---|
第4段階 | ユニット型個室 | 1,970 |
ユニット型準個室 | 1,640 | |
従来型個室 | 1,150 | |
多床室(大部屋) | 320 | |
第3段階 | ユニット型個室 | 1,640 |
ユニット型準個室 | 1,310 | |
従来型個室 | 820 | |
多床室(大部屋) | 320 | |
第2段階 | ユニット型個室 | 820 |
ユニット型準個室 | 490 | |
従来型個室 | 420 | |
多床室(大部屋) | 320 | |
第1段階 | ユニット型個室 | 820 |
ユニット型準個室 | 490 | |
従来型個室 | 320 | |
多床室(大部屋) | 0 |
世帯所得段階 | 食費 |
---|---|
第4段階 | 1,380 |
第3段階 | 650 |
第2段階 | 390 |
第1段階 | 300 |
※平成28年4月施行された、平成29年7月時点での料金表と限度額をもとに計算しています。
※地域によって多少異なります。
※通常は1割負担です。
※年金+年収が280万以上の方は2割負担。
※2018年8月からは、年金+年収が340万以上の方は3割負担の予定。
段階 | 概要 |
---|---|
第1段階 | 世帯全員が住民税非課税 老齢年金を受給 生活保護受給 |
第2段階 | 世帯全員が住民税非課税 本人の合計所得と課税年金収入額の合計が年間80万円以下 |
第3段階 | 世帯全員が住民税非課税 本人の合計所得と課税年金収入額の合計が年間80万円を超える |
第4段階 | 世帯の誰かが住民税を課税している |
ショートステイの制限
項目 | 利用期間 |
---|---|
連続日数 | 30日 |
累計日数 | 180日 |
ショートステイは、利用できる日数に制限が設けられています。連続日数は30日間まで。31日目から全額自己負担。もちろん、月の利用限度額を30日利用前に超えていたら、その時点で全額自己負担です。
累計日数にも制限があります。要介護認定期間の半数が利用制限。要介護認定の期間は基本的に360日(約1年)です。その半分なので180日間が利用限界になります。累計日数は更新とともにリセットされます。初めて要介護認定を受けた方の要介護認定期間は180日。そのため、累計日数の制限は90日になります。
いかがでしたか。今回は(介護予防)短期入所生活介護[ショートステイ]についてご説明しました。これで、家族旅行や友だちづきあいなど、息抜きすることができます。娘だからと全てを抱え込まず、社会で支えあっていきましょう。