親御さんの初めての要介護認定申請、不安ですよね。申請の流れ、申請書類、訪問調査(一次判定)など。初めてならなおのこと。今回は要介護認定調査の流れについてご紹介します。
Contents
0、要介護認定までの流れ
- 要介護認定申請書を提出
- 訪問調査(一次判定)
- 主事意見書(二次判定)
- 要介護認定の結果が届く
要介護認定はたった4つの工程だけ。シンプルですね。申請対象である親御さん本人、またはその家族が直接関係するのは、1の「要介護認定申請書を提出」、2の「訪問調査(一次判定)」だけです。
1の申請から、4の結果が届くまでの期間は、おおよそ30日。早くて助かります。
1、要介護認定申請書を提出
きっかけは、入院中、または通院した際、主治医に、要介護認定の申請を勧められることがほとんどかと思います。もちろん、主治医の勧めがなくても申請可能です。
要介護認定に申請先は、親御さんがお住いの市役所、または地域包括支援センターです。市役所なら「介護保険課」、地域包括支援センターなら「総合相談」窓口に行きましょう。申請する際に必要なものがありますので、忘れずに。
もし、主治医がいない場合には先に市区町村指定の医師の診察が必要です。市役所の「介護保険課」または地域包括支援センターの「総合相談」窓口に相談しましょう。
1−1、持ち物
- 申請予定の親御さんの介護保険被保険者証
- 申請予定の親御さんの健康保険証
- 申請予定の親御さんのマイナンバーまたは通知カードまたはマイナンバー入り住民票の写し
- 申請に行く人の身元確認書類2点(運転免許証など写真入りのものと健康保険証など)
- 主治医の名前とその病院名と住所と電話番号のメモ
- 申請に行く人の印鑑
1−2、申請書類の記入
市役所または地域包括支援センターには、「介護保険(要介護・要支援)認定申請書」「認定調査連絡票」という用紙が用意してあります。この2枚の用紙を記入します。市役所のホームページからこの2枚の用紙をダウンロードできますので、家でゆっくり記入することをお勧めします。
介護保険(要介護・要支援)認定申請書
「介護保険(要介護・要支援)認定申請書」には以下の内容を記入します。
- 申請予定の親御さんの名前
- 申請予定の親御さんの生年月日
- 申請予定の親御さんの住所
- 申請する理由
- 主治医の名前
- 主治医の病院名
- 主治医の病院の住所
- 主治医の病院の電話番号
※主治医がいない場合には先に市区町村指定の医師の診察が必要です。市役所の「介護保険課」または地域包括支援センターの「総合相談」窓口に相談してください。
ご家族であるあなたが申請の代行をしている場合は、以下の内容の記入も必要です。
- あなたの名前
- あなたと親御さんとの関係
- あなたの住所
- あなたの電話番号
- あなたの捺印
認定調査連絡票
「認定調査連絡票」には以下の内容を記入します。
- 申請の理由
- 調査する場所の住所と名称と連絡先
- 転院・退院の予定
- (調査する際の)立会者の名前と関係と連絡先
- 調査日の都合が悪い日や都合が悪い時間
- 駐車場の場所
- その他の留意事項
- 主治医意見書の依頼状況
申請の理由は主治医に言われた意見をそのまま書けば大丈夫です。調査する場所は、その時点で親御さんが普段いる場所にします。例えば、入院中でしたら看護師または医療ソーシャルワーカに相談の上、病院を指定します。普段自宅で暮らしているのであれば自宅住所です。
もちろん、調査日によっては、退院先または転院先になってしまうので、その旨「転院・退院の予定」に記入します。「主治医意見書の依頼状況」にはすでに依頼してある場合だけチェックします。
注意が必要なのは、「(調査する際の)立会者」。ここでは、「本人」「家族等」「その他」から選択できます。選択は自由ですが、申請する理由になっている親御さん本人だけでの「訪問調査(一次判定)」は、できる限り避けましょう。できれば、今の親御さんの状況を一番知っている家族が理想です。理由は『訪問調査(一次判定)』で説明します。
1−3、申請書類の提出
全ての記入が終わりましたら、持ってきたものと一緒に、市役所の「介護保険課」または地域包括支援センターの「総合相談」窓口に申請書類を提出します。
申請予定の親御さんの「介護保険被保険者証」は、市役所がそのまま預かります。その代わりに「介護保険資格者証」を発行して渡してくれます。「介護保険資格者証」は、市役所に預けた「介護保険被保険者証」が必要になった時に、代わりとして使えます。
2、訪問調査(一次判定)
2−1、ケアマネージャーから電話がくる
市役所に申請すると間も無く、市役所または調査してくれるケアマネさんから電話がきます。調査する日を決めるためです。立会い可能な希望日時をお伝えしましょう。
2−2、訪問調査(一次判定)
決まった立会日時に、ケアマネージャーが調査しに来てくれます。調査する目的は、介護保険サービスをどれくらい必要としているかの度合い(要介護度:心身状態の悪い度合い)を測ることにあります。この介護保険サービスの必要度は、調査判定後に、要支援1〜2、要介護1〜5という等級に分けられます。
要支援より要介護の方が必要度が高く、数字の多い方が必要度が高いとの判定です。高いほど、心身状態が悪いということになります。この判定結果が、のちの介護保険サービス利用の頻度や受けられるサービス内容などを大きく左右することに。
要支援1の人は、現時点ではあまり介護サービスを必要としていないので、限度額が少なく、介護保険サービスはあまり利用できません。要介護度5の判定を受けた人は、限度額が大きいので、かなりたくさんの介護保険サービスを受けることができます。
調査の方法ですが、介護をよく知らない人から見ると、親御さんとケアマネージャーが、楽しそうに会話しているようにしか見えないでしょう。
ケアマネージャーは、調査対象である親御さんの心を閉ざさないよう、聴きづらいであろう内容も、柔らかく、楽しそうに、通常の会話に乗せて、上手に聞き出してくれます。そのため、ただ楽しそうに話しているようにしか見えませんが、その都度、しっかりメモを取っているはず。
ケアマネージャーは、会話しながら睡眠、食事、トイレ、入浴、歩行、着替え、整容、記憶力、伝達力など、多岐にわたる調査を行います。時には、実際に椅子から立ってもらうように言われたり、足を屈伸するように言われたり、体を動かす要求をされるかと思います。この間早いと約30分、長くても1時間。
要介護認定の申請において、家族のやるべきことはここまで。あとは「介護保険の認定調査」の結果が届く(申請からおおよそ30日)のを待つのみです。「介護保険の認定調査」の結果には、被保険者番号、被保険者氏名、判定結果と判定年月日、その理由などが記載されます。要介護度がいくつに判定されたか、確認しましょう。
いかがでしたか。今回は要介護認定調査の流れについてご紹介しました。これで初めての要介護認定申請もバッチリです。ぜひ参考にしてみてくださいね。