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親の人生がテンプレートでいいはずがない!ケアマネージャーの選び方

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大切な親御さんの残りの人生計画(ケアプラン)を立てるケアマネージャー。多くのケアマネージャーがテンプレートな人生計画(ケアプラン)を作っています。「けど、どうやって選んだらいいかわからないわ。」そんな悩みも、7つのポイントを何気なく聞いてみるだけで、簡単に解決することができます。今回は良いケアマネージャーの選び方をご紹介します。

モチベーション・マネジメントとケアプランそのものの重要性をしっかり理解している

 

ケアマネージャーとは、戦争でいう「軍師」のようなものです。ケアプランという戦略・戦術書を駆使し、他の介護保険サービス事業者とその職員と交渉を行うのです。この重要性を理解していないケアマネージャーがとても多い。そのため、多くの方が高齢者の気持ちや介護職員の気持ちに配慮されていない、自己満足でテンプレートなケアプランを作成しています。

天才軍師 諸葛孔明は、「人の心は他人の都合では変えられない。」と言っています。介護の対象である高齢者のやる気も、介護を提供する職員のモチベーションも、会社やケアマネージャーの都合では上がらないということです。

ケアマネージャーの仕事は、自分の都合で適当に、テンプレートなケアプランを作ることではありません。高齢者と職員それぞれの好きや夢、目標に関連づけ、他人の都合から自分の都合に変えることがケアマネージャーの役目です。

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高齢者と介護職員それぞれのモチベーションを維持・向上させるケアプラン(戦略・戦術)を作ることができること。そして、自分の仕事(ケアマネージャー)の重要性を理解している人が理想のケアマネージャーです。

あなたの親御さんの残りの人生計画書「ケアプラン」。ケアマネージャーの都合で、テンプレートなものでいいはずがないのです。

聞き上手

聞き上手

ケアプランに限りませんが、計画を立てる上で情報収集はとても大切です。なぜなら計画は、情報をもとに立案されるからです。情報そのものが間違っていると全てが台無しです。

例えば、あなたの友人とその子供が、田舎からあなたの住む都心部に出てくると聞いたとします。そこであなたは、お出かけをする計画を立てました。あなたの年齢は50歳で、お子さんは28歳です。同じような年齢だと思い込み、ショッピングの計画を立てたのです。当日、会ってみて驚きます。友人の子供はまだ小学生だったからです。

重要な情報は、介護を必要としている本人とその家族からしか得ることができません。聞き上手でなければ、十分な情報は得られないのです。あらかじめ小学生だと知っていたら、小学生向けのお出かけプランを立てていたかもしれません。

尊重し、説明してくれる

居宅介護支援事業所・ケアマネージャー・ケアプラン

「尊重し、説明してくれる」かどうかも重要です。介護業界は、サービス内容のせいか閉鎖的になりがち。介護業界同士との横のつながりは他の業界に比べ強い傾向にありますが、他の業界との関係が非常に気薄です。

その閉鎖的な環境は人から柔軟性を奪います。簡単にいうと、似たような人(同じ業界)としか接することがないので、新しいことや意見を受け入れづらく、既存のものや方法に頼りがちになるということ。

いくら聞き上手でも、プロではない素人である本人とその家族の意見を尊重できる人でなければ意味がないのです。なぜならケアプランは、本人とその家族のために作るからです。

得られた情報を専門家として噛み砕き(アセスメント・解釈)、どのように再構築すれば親御さん本人とその家族がより充実した生活を送れるようになるのか、考えられる人でなければなりません。そして、専門家はその情報をどうしてそのように噛み砕き(アセスメント・解釈)、再構築したのか、納得がいくまで丁寧に説明してくれるケアマネージャーが理想的です。

現場によく足を運んでいる

 

どんなに良いケアプランでも、絵に描いた餅では意味がありません。そして、介護業界では基本的に絵に描いた餅になります。なぜなら、ケアプランを実行するのは現場であって、ケアマネージャーではないからです。

天才軍師 諸葛孔明は、「人に力を貸してもらえる人になりなさい。」と言っています。介護はチームで行われます。さまざまな企業の職員を一つにまとめることはとても大変ですが、ケアマネージャーの役割はまず「人の和」を作ること。これができなければ、介護を実行する職員にまとまりがなく、計画は失敗に終わります。計画が失敗に終わるということは、親御さんの残りの人生が充実することなく、なぁなぁで終わってしまうということになります。

ケアプランとは全く関係ない話ですが、例えば、料理が下手な人が旦那さんを喜ばせることを目的に、3ヶ月で料理スキルを得る計画を立てたとします。この場合、自分で計画を立て、必要なものを揃え、時間を作り、その時間内に練習をします。毎月の月末に旦那と外食に行き、旦那の味覚情報を収集し、毎週木曜日に料理教室に通うなどの計画です。

この料理計画は、自分の出来る範囲で計画を立てているので成功する可能性が非常に高いと言えます。毎月達成状況を確認し、予定通りに進んでいなければ毎週金曜日は予習復習するなどの計画の改善を行います。これを3ヶ月続ければ、きっと旦那さんは大喜びしてくれるはず。

しかし介護の場合、ケアマネージャーが計画を立て、実行する人は別の人。しかも、在宅介護の場合、実行する人は同じ会社の人じゃありません。現場によく足を運び、現場の人との関係を大切に出来る人でないかぎり、現場で計画が実行されることはまずないでしょう。

実行されないのであれば、それはケアプランではありません。ただのケアスケジュール表。実際、現場でケアプランが活用されていることは非常に稀です。現場での、ケアプランの重要性に関しての教育が不十分な点と、ケアマネージャーと現場とのズレが大きな要因だと考えられます。

何しろ、現場は目の前の仕事でいっぱいいっぱいなほどに忙しい状態。出勤から退社までの間、時間みっちりに作業が詰め込まれています。ケアプランを確認する時間もありません。ひどいところでは、どこにケアプランが置いてあるのか知らないような会社もあります。

ケアマネージャーも忙しいですから、現場に足を運ぶのはとても難しいこと。それでも、現場との関係を密にしているケアマネージャーもいますし、この場合、ケアプランが生きたものになりやすいのは当然のことです。

現場で実際、ケアプラン通りに実行してもらい、その結果どうなったかの情報が得られないことには、ケアプランの改善もできません。初めに作ったケアプランが正しかったのか、足りなかったのか、全然反省も改善もできないのです。

現場職員の名前を覚えている

なまえ

「現場によく足を運んでいる」に被りますが、良いケアマネージャーは、現場の職員の名前すらフルネームで知っています。現場の一番偉い人の名前だけでなく、実際に、ケアプランを実行してくれる職員の名前です。

映画に例えると、現場の一番偉い人「管理者(施設長)」が監督なら、ケアマネージャーはプロデューサーや脚本家の立ち位置。親御さんが主人公なら家族であるあなたがメインキャラクター、介護職員たちは主人公の引き立て役であるサブキャラクターです。

親御さんとあなたが、楽しく面白いハッピーエンドな人生計画を立てる仕事を担っているのがケアマネージャー。そのケアマネージャーが、引き立て役である介護職員それぞれの名前すら知らずして、良いものを作るのは難しいのではないでしょうか。

担当している人数が少ない

 

ケアマネージャー1人が担当していい高齢者の人数は、最大35人。35人分のケアプランを作成し、35人分毎月ケアプランの実行度をチェック。3ヶ月に1度、35人それぞれのサービス担当者会議を開催し、改善。

35人それぞれの担当窓口として日々相談を承り、手続きを代行したり、関連企業と連携をとったり、それぞれの現場に足を運ぶのがケアマネージャーのお仕事です。ケアマネージャーは、1人で35人もの高齢者を支えなければならず、毎日がとても忙しい状態です。

そのため、担当している人数が少ない方が良いのです。その分、1人1人に対する時間の使い方が全く違ってきます。ですが、居宅介護事業所もケアマネージャーも生活がかかっています。多くの給料をもらっているわけでもなく、居宅介護事業所単体では多くのところで赤字。

このような状況にもかかわらず、1人1人のサービスを濃くするためにあえて、少ない人数しか担当しないケアマネージャーがいるとしたら、それは当然におすすめすべきケアマネージャーといえるでしょう。

高齢者全体のサービスに対する知識が豊富

 

介護保険サービス、介護保険外の高齢者向けサービスや商品、医療、福祉などなど、高齢者を取り囲む産業は、全ての産業を網羅しています。これらの情報に満遍なく精通しているケアマネージャーは、普段からたくさん勉強しているケアマネージャーといえます。

情報が一番重要であることは、すでに説明済みですが、重要な情報を持っているのは、サービスを利用する親御さん本人とその家族、介護保険サービス事業者やその職員だけではありません。
介護保険外のサービスや医療、福祉全般の情報まで、たくさんの情報を持っているケアマネージャーの方が、ニーズや課題に、よりたくさんの解決策を提示してくれるはずです。

いかがでしたか。今回は良いケアマネージャーの選び方をご紹介しました。これで良いケアマネージャーかどうかを判断することができます。是非、今のケアマネージャーになにげなく聞いてみてくださいね。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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