離れて暮らす老親の生活支援と介護

認知症専門の治療をしてくれる『もの忘れ外来』受診の症状 流れ 準備

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

物忘れと認知症の違い

物忘れの原因は「正常加齢」によるものと「病的認知症」によるものと2種類ある

年を重ねるごとに増加する物忘れの原因は2種類あります。「正常加齢」によるものと「病的認知症」によるもの。簡単な判別方法としては、一部忘れているのか、体験そのものがなくなってしまっているのかを判断ポイントにする方法です。

「朝ごはん何食べたっけ。」と「朝ごはんを食べていない。」、「どこで待ち合わせだっけ。」と「待ち合わせなんてした覚えない。」。このように、一部の記憶だけが曖昧な場合は「正常加齢」によるもの、体験丸ごと欠落した状態は「病的認知症」である可能性が高いといったように判断します。

しかし、専門家ではない私たちに専門的な検査をすることはできません。どちらかの「診断」をすることができるのは専門医だけです。

「病的認知症」であっても、早期発見と適切な治療で回復する場合もある

治らないイメージの強い認知症ですが、実は治るタイプの認知症も存在します。病名は漢字の羅列が多く見るのも嫌になってしまうのでここには記載しませんが、原因別に様々な種類の認知症があります。

その種類によっては、適切な治療によって治るタイプのものがあるのです。しかし、「物忘れ外来」などへの受診をせず、発見が遅れてしまうと治すことが難しくなってしまう恐れがあります。気になったら早期受診を。

認知症は放置していると進行してしまうので早期発見が大切

治らないタイプの認知症であっても、早期受診・早期発見が必要です。どうせ治らないのならといって適切な治療なく放置していると、認知症はどんどん進行してしまうからです。一度進行してしまった認知症を元に戻すことは、現状できないといわれています。

しかし、適切な治療によって大幅に進行を遅らせることは可能です。早期に発見し、早期に対処することが大切な理由です。誰にでもすぐにわかるほどに明らかな症状が出てしまってからでは、すでにだいぶ認知症が進行してしまっているのです。

「物忘れ外来」では認知症の専門家が診断してくれる

「物忘れ外来」にて診察を行なってくれる先生は、認知症の専門家です。精神科や神経内科、脳外科などの脳に関する専門医とはまた異なり、日本老年精神医学会や日本認知症学会など、認知症診療において十分な経験と知識を有した先生が診断してくれるのです。

経験も知識も違う専門医ですがら、治療に関しても適切な方法に期待できます。日本認知症学会の公式サイトでは、都道府県ごとに認知症専門医リストを参照できるようになっています。

日本認知症学会
http://dementia.umin.jp

「物忘れ外来」はどんな症状があるときに受診すれば良いのか

記憶力
物の名前を思い出せなくなることが増えた
もののしまい忘れ、置き忘れ、なくすことが増えた
何度も同じことを言うようになった
何かを探していることが増えた
今までできていたことができなくなる
薬など時間的変化の含まれる管理ができなくなってきた
料理など、今まで問題なくできていた作業での失敗が増加した
簡単な計算ができなくなってきた
性格が変わる
怒りやすくなった
疑い深くなった
以前好きだったことや、趣味に対して興味が薄れた
おしゃれをしなくなった
時間と場所がわからなくなる
慣れている場所で道に迷った
時間や場所など、約束の内容が不確かもしくは忘れるようになった

上記のような症状に思い当たりのある方、もしくはご家族から見た親御さんの行動に当てはまる場合などに「物忘れ外来」に受診します。ただの物忘れかもしれませんし、病気(認知症)かもしれません。そのどちらかは、受診して専門医に診断してもらわなければわかりません。

「なんだか熱っぽいな。」と思って受診するのと同様に、「なんだか忘れっぽくなったな。」と感じたら受診しましょう。誰しもに訪れる病気です。進行してからでは遅いのです。躊躇せず、早めに受診することをお勧めします。

「物忘れ外来」受診の流れ

上記の症状を感じたら、「物忘れ外来」のある病院に電話して予約します。「かかりつけ医」がいる場合にはまずかかりつけ医に相談し、紹介状を書いてもらうことも必要です。

急に予約するのに躊躇があるのであれば、病院内受付横などに設置される「医療福祉相談室」、「市役所の福祉課」、「地域包括支援センター」などに相談することをお勧めします。

「物忘れ外来」のある病院がわからない場合も同様。「餅は餅屋」ということわざにあるように、専門分野のことは専門家に聞いた方がよく知っています。気兼ねなく相談しましょう。病院により多少異なるかと思いますが、受診の流れはおおよそ以下のような流れになるかと思います。

  • 予約
  • 受付(保険証、健康保険高齢受給者証、後期高齢者医療被保険者証など)
  • 問診
  • 神経心理学検査
  • 頭部画像診断MRI(またはCT)
  • 血液検査等その他の検査
  • 再来院

「物忘れ外来」受診前の準備

「物忘れ外来」といっても、特別に他の科と異なるわけではありません。内科などと同じようなことを質問されたり、記入用紙への記入を求められます。内容は以下の通りです。受診してから困らないよう、メモやコピーなどをしっかり準備してから受診しましょう。

  • 体調や症状
  • 家族構成
  • 現病歴と既往歴(過去の病歴)
  • 生活歴(出生、教育歴、職歴、婚姻歴など)
  • 服用中の薬
  • かかりつけ医がいる場合は紹介状

他の科と大きく異なるのは、ご家族の付き添いを求められる点にあります。求められなかったとしても、できる限り付き添うことをお勧めします。同伴は、ご本人の生活状況をよく知っている人が行います。認知症において、本人の生活状況は診断と治療にとても重要な情報になるからです。

また、上に記載した症状例にもあるように、自分では気がつかないこと、気が付けないこと、そんなことない、大丈夫だと思いがちなこと、たくさんあります。多くの「物忘れ外来」では、ご本人のお話を聞いた後、ご本人のいないところでご家族だけに症状などを聞かれます。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

相続した実家が空き家⇛ 築40年超えの古家でも高く売る方法

親の介護費用が払えない!? 親が認知症になってからでは遅い

築47年の一戸建てを相続したが住まない長男が実家を売却【母親が介護施設に入所】

  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

-離れて暮らす老親の生活支援と介護