介護療養病床は2018年3月に廃止予定です。病院なみの医療ケアと特養みたいな手厚い介護サービスを受けることのできる施設がなくなります。その代わりにできる施設がどのようなものになるのか。今回は介護医療院Ⅰ型についてご紹介します。
Contents
介護医療院Ⅰ型とは
介護医療院Ⅰ型とは、介護療養型医療施設(介護療養病床)廃止(2018年3月廃止予定)に伴って、新たに作られる予定の施設です。介護療養型医療施設(介護療養病床)の代わりになるサービスで、要介護者が長期療養を必要とした場合に、手厚い医療と介護の両方を受けることのできる施設。平成36年3月までに、介護療養病床から介護医療院Ⅰ型へ転換していく予定です。
医療的なケアが多いにもかかわらず、医療保険ではなく介護保険サービスとして、1割または2割の料金で利用できます。より医療の必要性の高い方は、医療保険にて提供される「医療療養病床」を利用することになります。
逆に、より医療の必要性が低く、容態が安定している方は「介護医療院Ⅱ型」または「医療外付型」を利用することになります。医療の必要性の順番に並べると「医療療養病床」 > 「介護医療院Ⅰ型」 > 「介護医療院Ⅱ型」 > 「老健」 > 「医療外付型」 > 「特定施設入居者生活介護」の順番になります。
介護医療院Ⅰ型を利用できる人
①65歳以上かつ②要介護1以上、さらに③医療の必要性が比較的高く、容態が急変するリスクがある方が入所することができます。④主治医の診療情報提供書(診断書)も必要です。
介護医療院Ⅰ型の具体的サービス
細かい内容が決まるのは2018年2月です。
設備サービス
食堂、浴室、病室、機能訓練室、談話室、診療室、洗濯室、トイレなどが必ず設置されています。火災など非常災害に備えた建物です。バリアフリー設計で、廊下も広く車椅子2台が余裕を持ってすれ違うことができます。
病室
病室の定員は4人以下の「多床室」、「従来型個室」、「ユニット型個室」と3種類があります。床面積は1人あたり8㎡以上必要なので、1人約4畳、4人部屋なら最低でも20畳。
介護医療院Ⅰ型では、老健と同じような設備・病室基準を満たす予定があるようです。介護医療院Ⅰ型は、介護療養病床相当のサービスになりますが、介護療養病床の病室の広さ基準は6.4㎡でしたので、この場合部屋が少し広くなります。
人材サービス
職種基準 | 配置基準 | 必要な資格等 |
---|---|---|
医師 | 入所者48人に対して1人以上 | 医師免許保有者 |
薬剤師 | 入所者150人に対して1人以上 | 薬剤師免許保有者 |
看護師 | 入所者6人に対して1人以上 | 看護師、准看護師資格保有者 |
看護補助者 | 入所者6人に対して1人以上 | 看護助手などの資格保有者 |
介護職員 | 入所者6人に対して1人以上 | 主に介護福祉士や介護職員初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級)などの有資格者 |
介護支援専門員 | 入所者100人に対して1人以上 | 介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格保有者 |
栄養士 | 入所者100人に対して1人以上 | 管理栄養士、栄養士資格などの資格保有者 |
機能訓練指導員 | 適当数 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの資格保有者 |
調理員・事務員・その他 | 適当数 | 規定なし |
介護医療院Ⅰ型では、介護療養病床と同じような人員基準を満たす、職員体制にする予定があるようです。医師の指示に基づき、医療ケアやリハビリを中心に、介護や生活支援などが行われます。健康管理、栄養管理、薬の処方まで行われ、ほぼ病院のような施設です。医師と看護師の割合が非常に高いのでとても安心。
夜間は必ず当直がおり、看護師が自宅でいつでも電話に出られる状態、いつでも出勤要請に応えられる状態にて待機しております(オンコール体制)。喀痰吸引や経管栄養を中心とした日常的・継続的な医学管理、24時間の看取り・ターミナルケアを可能とします。
介護療養型医療施設(介護療養病床)の料金
入居一時金(初期費用) | 月額施設利用料 | 月額介護保険サービス料(1割の場合) | その他介護保険外サービス等 | 月額合計 |
---|---|---|---|---|
0円 | 6万~15万円 | 約20,000円~40,000円 | 0円〜20万円 | 約8万〜40万円 |
細かい内容が決まるのは2018年2月です。上の料金表は「介護療養型医療施設(介護療養病床)」の料金表です。参考までにしてください。
いかがでしたか。今回は医療内包型1をご紹介しました。細かい内容はまだ決まっていませんが、まるで病院並みの医療ケアと特養並みの介護サービスを受けることのできる安心なサービスになることでしょう。ぜひ参考にして見てくださいね。