介護環境と介護の仕事を理解する

介護職の体調不良あるある9選 退職に追い込む管理者たち

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一部の介護の現場における介護職の体調不良あるあるをまとめて見ました。実際に働く介護職員の経験を一覧にしたかたちです。目的の一つは、理不尽な対応を受けている介護職員の気持ちを少しでも和らげること。

二つ目の目的は、実際にこのような対応をしている介護の管理者やリーダーたちにもしも読んでいただけたなら、改善するきっかけにしていただくことです。

あくまでも一部の介護の現場においての対応についてです。良い会社は介護職に限らず必ずありますし、介護職に限らずどの業種・業態においても似たような風景はあります。

休みの連絡を入れると態度が変わる

頭痛、腹痛、熱、風邪。季節や疲れ、ストレスなどによって体調を崩しがちです。誰もが体調不良になります。特に介護職員は夜勤があったり休憩がなかったりサービス残業が当たり前になっていたり、常に人材不足で忙しく疲れ切っています。

そのような状態では誰もが簡単に体調を崩しがち。それにもかかわらず休みの連絡をするとなぜか機嫌を悪くします。休憩を与えないこと、人材不足にもかかわらず仕事を減らさないことは管理者側の怠慢だと思いますがそれを棚に上げ不機嫌になるのです。

介護はチームケアだとか偉そうなことを言う方もいます。チームって支え合うものじゃなかったでしたっけ? でもなぜか体調不良は個人の責任であり介護職員だけのせいにされ、支え合うことなくつぶし合います。

誰も休まないから休みづらい

施設長やホーム長など管理側に配置される方は比較的介護のお仕事が大好きです。早出、残業、休日出勤などをあまり嫌がらない傾向にあります。体調不良を押して出勤される方も少なくありません。

一見するととても責任感が強く自己犠牲をいとわず福祉に尽くすその姿勢が、とても正しく見えがちですがそれはある側面から見た場合の評価です。もう一方の側面から見るとそのような職場ではとても休みが取りづらいものとなります。早出やサービス残業などもしてくれる人がやる気があって、しない人や体調を崩しやすい人は困るみたいな雰囲気をつくりあげます。

さらに他の側面から見ると「福祉」という意味を全否定しているようにも見えます。「福祉」とは、人々がみんな幸福で安定した生活を目指すといった理念があります。早出・サービス残業、体調不良でも出勤するといった自己犠牲の上に成り立っている福祉の仕事は矛盾しているのだと気がついていないのでしょう。

「休むときは早めに連絡」と言いながら、早めに連絡しても機嫌が悪い

体調不良で突然当日休みをもらう場合には早めに職場に連絡しなければなりません。介護の現場はシフト勤務。一人分の穴ができればその穴を埋める交代要員をすぐさま用意する必要があります。つまり他の介護職員に負担がかかる仕組み。それができなければ今いる介護職員たちに少ない人数で回してもらうか残業してもらうかのどちらかになります。

管理職の方はもちろん他の介護職員にも迷惑がかかること。そのため「休むときは早めに連絡」というのは当然のことのように思えます。しかし実際に休みの連絡を入れると態度が変わったり、体調不良がわかった時点ですぐ連絡したのに「もっと早く連絡してよ」と理不尽なことを言われます。

機嫌悪くされるのだから早めに連絡したくなる気持ちが萎えるのは当たり前です。体調を崩すことってそんなに悪いことですか? そもそも人は体調を崩すもの。そんな誰にでもわかることを想定せず、体調が悪くならないものとしてギリギリの運営しかできていないことは悪くないのでしょうか? 体調不良を想定できない上役の方が悪いと考えます。

インフルエンザなどの感染症だけは強制的に出勤禁止

介護職では悪魔のように忌み嫌われる体調不良。それにもかかわらず率先して休むように協力してくれる体調不良があります。インフルエンザなどの感染症。理由は単純。休んでくれないと自分も利用者様も同じ感染症にかかってしまうからです。

しかしこのような運営はうまくいきません。なぜなら、感染症ではない、普通の体調不良時の休みの連絡時に機嫌を悪くしているからです。感染症になってしまった介護職員にとっては普通の体調不良も感染症も休んで迷惑かけることに変わりありません。

そのため頭では理解していても、感情面(恐怖や負の感情)で休むことをできる限り避けようとします。つまり、休まないよう病院に行くという選択肢を捨てるので、感染症になっていてもその診断ができません。たまたまお休み中に通院し感染症を把握していたとしても、休むのが怖いので、感染症であることを黙って出勤してしまう人も発生します。

LINEやメールでの休む連絡はマナー違反と言われる

電話・メール・SNS、3種とも異なる道具・ツールです。しかしコミュニケーションツールであることで共通しています。3種に増えたことで一つの問題が浮上しました。休む連絡をする際にメールやSNSを伝達手段として選択するとマナー違反と言われてしまうのです。

多くの介護の会社では「休む時には早めに連絡をする」というルールが存在します。5W1Hに当てはめると、いつ(早め)連絡するのかと、なにを(体調不良で休む)伝えるのか、2つしか決まっていません。「休む時には早めに連絡をする」といういつ・何をというルールの中に、見えないだけで、「どのように」の部分もマナーとして存在しているというのです。

電話・メール・SNS、どの手段を選択しても目的が達成されます。しかし暗黙の了解として電話が常識でマナーです。早めというのであれば、SNSやメールの方が早いはずです。なぜなら電話に出られるときと出られないときがあるからです。例えば夜中の3時に体調不良が判明したとして、夜中の3時に電話すればいいのでしょうか? SNSやメールなら夜中の3時であっても気兼ねなく送信できます。

そもそも福祉という仕事についているのに体調不良である人に対してマナーを守れというのはどうなのでしょうか? SNSやメールで体調不良を知った場合と、電話によって体調不良を知った場合、どのような差が生まれるのでしょうか? 直接文句を言えるか言えないかの差しかないように思えます。つまり電話連絡を受けた管理者や上役の気持ちの問題。ただの感情論です。

体調不良にある状態の人に対して不機嫌に対応したり、きっちり電話しろとかいうことの方がマナー違反に思えますがその辺どうなのでしょうか? 余計に体調が悪化しそうです。

体調管理も仕事のうちと言ってプライベートも縛る

体調管理って仕事なのでしょうか? そもそも押し付けるものなのでしょうか? たしかに体調管理を怠らないメリットはたくさんあります。健康でいられる時間が長い方が幸せ。プライベートも仕事も充実するでしょう。スタイルもキープできますしいつまでも若く見られるかもしれません。

しかしそれは守るものができた時、責任を感じた時など、人生の転換期とも言えるそれなりに大きなライフイベントが発生した時に、自然に考えるようになってくるものなのではないでしょうか? 実際、しっかり体調管理をしていたって病気になるときは病気になります。コロナウイルスがいい例です。避けられない病気はいくらでも存在します。

仕事だと言いながら給料が発生していないのもおかしな話。無給=仕事ではありません。介護職員は体調管理のスペシャリストではありません。利用者様に寄り添い、生活を仲介するスペシャリストです。

リーダーや管理職にとって部下のモチベーションを維持向上させることも仕事の内なのですから、「体調管理も仕事のうち」とかいってやる気を奪っている時点で仕事を怠っているといえます。

体調不良中の失敗や事故、接し方を責められる

無休憩にサービス残業。体調不良の連絡をすると機嫌が悪くなり、体調管理も仕事のうちとかいう始末。SNSやメールで連絡するとマナー違反とののしられます。こんなことを続けられていたらやる気もなくなってしまいます。体調不良でも休みづらくて仕方ありません。

そのような環境で仕事をしていたらどのような結果を招くかなんて誰にだって予想がつきます。職員同士の揉め事が増えることは確実。利用者様同士の雰囲気も険悪になります。失敗や事故も増えます。遅刻や無断欠勤、無断退職なども増加してくるかもしれません。

体調不良やストレス過多の状態で仕事をしているのですから失敗や事故、接し方が悪化するのは当然のことにもかかわらず、自分の対応を棚に上げて部下に文句を言う上司がたくさんいるのです。

失敗や事故、接し方の問題の多くは個人の問題ではありません。組織全体の課題であり、原因は一人にはありません。そもそも一人にだけ原因があるという考え方も変です。システムや戦術、手順にも問題は潜んでいるはずです。

体調不良による連休中の外出を責められる

体調不良になるときがどんなときか気にしたことがあるでしょうか? 統計を取ったわけではないので不確かですが、休みが多いと感じるのは、休みの次の日か、もしくは休みの前日です。

介護職のシフトでありがちなのは「早」「遅」「夜」「明」「休」とか「早」「早」「遅」「休」とか、2〜4日出勤して休みを入れる形かと思います。ストレスや休憩がないこと、サービス残業などにより日々疲れ気味の介護職員は、休み前後に疲れを感じやすい傾向にあると思います。

疲れが蓄積されていて休んでも疲れが取れません。疲れてくると心もどんどん弱っていきます。つまり、休み+シフト上の休み=連休が欲しくなるのです。皆さん同じですよね? 

疲れがたまっている人の休みの取り方もみなさん似てくると思います。初日の欠勤日はしっかり休養をとります。1日休めば体の疲れはそれなりに回復します。若ければ若いほど体の回復は短くて済みます。しかしそれに反比例するように、若ければ若いほどに精神的な疲れが長引きます。つまり、体調不良で休んだ当日はゆっくり休むものの、その次の日は心のバランスを取るために友達や恋人とデートに出かけた利することもあり得るのです。

決して悪いことだはないはずです。休みの取り方は人それぞれ自由なんですから。しかしもしこの外出を他の職員に見られていたり、SNSなどで知れたりすると、その外出を責められてしまうことがあります。外出も休養の一つです。責めてやる気を奪うのはどうかと思います。

手術を伴う大きめの病気でも正論を振りかざす

介護職と因果関係ある病気、例えば腰痛のような病気もありますが、介護職とは何ら関係しないような病気にかかってしまうこともあります。いつ誰がどのタイミングで病気になるのかなんて誰にも予測することはできないのです。

ある介護の施設に入社したてのある介護職員のお話です。入社して2ヶ月にも関わらず手術が必要な病気になってしまいました。この介護職員、経験や利用者様との接し方、仕事への姿勢など、様々な部分を評価されおり、入社したばかりにも関わらずリーダーになってほしいと施設長に言われていました。本人は勉強しつつ挑戦してみるつもりでした。

しかしこの病気が原因でリーダーを断り転職することすら考える結果になってしまったのです。理由は手術が必要な病気だったからです。

この方は好きで病気になったわけではありませんがそれを聴いた施設長はその職員を攻め立てました。人材不足であること、一人のために勤務表を作っているわけではないこと、一度作った勤務表の変更が大変なこと、入居者のために介護職員が存在しているなどを理由に攻め立てたのです。

最後に

超高齢化社会である日本では現在、介護職に限らず多くの業態で人材不足です。特に介護職は人気がない職業として有名。

厚生労働省の調査によると、介護職の離職理由の2位は「法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった」で25%。3位は「職場の人間関係に問題があった」で24.7%。5位は「心身の不調(腰痛を除く)、高齢」が22%です。

1日24時間あるうち8時間勤務で8時間睡眠だとすればプライベートの時間はたったの8時間です。通勤時間が長い人はもっと短いはずです。8時間の睡眠は心身に必要かつ良いことなわけですから、心身不調の原因の半分が仕事ということになります。

人材不足を解消したいのであれば穴の開いたバケツに水(求人)を入れるだけでなく、穴を塞ぐ努力も必要です。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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