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一人でもできる!ケアマネや利用者様に伝わる介護記録の書き方とコツ

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介護職員にもケアマネにも、管理者やリーダーにも読んで欲しい、モニタリングの始まり『介護記録』を、介護職員、ケアマネや医師・看護師、ご家族などに「伝わりやすく」するための取り組みについてご紹介するページです。

一人でもできる「伝わりやすく」するための取り組みですが、組織的にできるのであればそれが一番です。ケアプランというインプットから始まり、介護記録などのアウトプットまでの一連のサイクルを円滑に進めるために必要な事。

このページにおけるゴールは、読んでいただけた介護関係者に、ケアプランという道具のより良い改善を図り、利用者様の人生の目的地へしっかり迷わず導いていけるようになってもらうことです。

このページでは、インプットとアウトプットという言葉がたくさん出てきますので、あらかじめその意味を確認しておいてください。

  • インプットとは:申し送り、ケアプラン、知識、体験など情報を頭の中に入れることです。
  • 業務とは:毎日継続して行われる仕事。業務は必要なインプットがあるからこそ遂行することができます。
  • アウトプットとは:業務を行なった結果得られた知識、体験などの情報のこと。

6W2H & ケアやその根拠、判断基準、状況、様子、反応、発言、表情、変化

介護記録を書くコツは、When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・Whom(誰に)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どのように)・How much(どれくらい)といった、6W2Hを意識した文章を心がけることです。

あなたが伝えたいことは「What(何を)」ですか

最も重要な部分が「What(何を)伝えたいのか」という部分。テーマと言い換えることもできます。「What(何を)」の部分を最初に明確にしておけば、作られる文章の脱線を防ぐことができます。

また伝えたい「What(何を)」1つに対して1つのまとまりにします。伝えたいことが2つある場合にはまとまりを2つに分けます。

当サイトのページも1ページ1テーマでつくられています。1ページに2つのテーマ、例えば入浴介助のコツとトイレ介助のコツを両方ご紹介したらわかりにくくなってしまいます。伝えたいものがケアプランに沿ったケアサービスなのか、ケアプランにないサービスなのか。その時の状況、様子、反応、発言、表情、変化など、1つの「What(何を)」に関係するものは全て記載します。

登場人物は何人いますかWho(誰が)・Whom(誰に)

比較的忘れられがちなのがWho(誰が)・Whom(誰に)の部分。誰が誰に行なったのか、誰が誰にいった発言なのか、はっきりさせておかなければ後々大きな問題になりかねません。

ボソッといったご家族の発言が、利用者様本人へ向けられたものなのか、介護職員など会社側に向けられたものなのか、その違いで揉め事に発展することもあります。

また、薬や処置などの重要な事柄においては大きな事故につながります。Who(誰が)・Whom(誰に)は明確に記入しましょう。

伝えたい内容の中心になることもある When(いつ)・Where(どこで)

事故が発生したのであれば、事故が発生した事実よりもその場所の方が重要になることがあります。その場所自体に問題があるのであれば、その場所を改善しない限り、いくら介護職員が注意しても事故の発生リスクが下がりません。

同じように、時間が最も重要な伝えたい内容になることもあります。夕方になると帰宅を望むのか、朝方になると帰宅を希望するか、時間帯の違いで、どの年代、どんな状況、誰のため、何のため、どのような義務感から帰宅しようと考えているのか全く違ってきます。

つまり、場所であれば「キッチン」とか「浴室」とか曖昧な表現ではなく、「キッチンの入り口」とか「浴室内の浴槽ふちのあたり」などのように、より具体的な表現を心がけます。

「10:00 おやつの「あんこ玉」をお出しするとすぐに涙を流しました」「水で濡れたキッチンの入り口」といったように、その時の状況や環境、様子なども一緒に記載します。

このように記載しておけば「あんこ玉に何らかの思い出がある」とか、「水が原因だった」とか、仮説を立て、それを裏付ける情報を調査し、何らかの対応をすることができるようになります。

それを行った根拠・判断基準 Why(なぜ)

ケアプランに沿ったケアサービスを中止した場合や臨機応変な対応をしたとき、思い付きで実行したケアサービスなど、ケアプランに記載ないサービスを提供した場合。もしくはケアプランに想定できないような出来事や会話などのような状況が発生したときには、それを行った根拠や判断基準、相手の発言に対する返事など、細やかに記載する必要があります。

利用者様本人の希望で行ったのであればそのままその発言を記載。その際にはやはり、様子なども忘れずに書きます。「寒いとご本人様の訴えがありました。背中部分はほんのり汗で濡れていましたので、タオルで汗を拭いてからカーディガンを着ていただきました。寒いと訴えがあった際に汗をかいていた場合の対応方法の統一が必要だと感じました。」などのように書きます。

根拠や判断基準は推測になることもありますので注意が必要です。原則、事実情報を記載することになりますが、例外的にこのような場合には推測でこのように判断したと書きます。

ケアプランのサービスを中止した場合の理由ですが、ただ単に忙しくできなかった場合にもその事実を書きます。何らかの事故があってたまたまできなかったのであれば、変更や改善をする必要はありません。しかしそのケアサービスについて、10%も実行できていないようでしたら、他の仕事を減らす、もしくはこのケアサービス事態をなくす、はたまたやり方を変えるなどの対応が必要となります。

職員の知識・技術が足りないが故できていないのであれば、そのケアサービスを実行できるようになるような訓練も必要となります。根拠・判断基準を記載しておくと、その後のケアカンファが内容濃いものに変わります。

状況、様子、反応、発言、表情、変化 How(どのように)・How much(どれくらい)

例えば「お昼ご飯の準備の手伝いをするといい、キッチンの入り口へ向かいました。入り口部分は床が濡れており、そこを通り過ぎようとした時に後ろにひっくり返るように転倒。意識を失っていたので頭をぶつけたのだと推測し即座に救急対応。意識を失っていた時間はおおよそ5分間でした」

などのように状況、様子、反応、発言、表情、変化に合わせて、How(どのように)やHow much(どれくらい)などもしっかり記入します。

誰に:読み手を意識して書く

介護記録の登場人物の「誰に」とは別に、その記録の読み手を意識して書く必要があります。介護記録はケアマネや管理者、看護師や医師、介護職員など様々な立場の人が読みます。

最も忘れてならないのは利用者様本人やそのご家族です。介護記録は自分のために書くわけではありません。利用者様とそのご家族のために書くのです。それを忘れてはいけません。

専門用語・略語を使わない

利用者様本人やご家族など読み手を意識して書くことにすれば、自ずと専門用語や略語は使わないようになります。その常識はどの立場にとってのものなのか、考えながら記入しなければなりません。できる限り一般的な言葉を使い、略すことなく記入しましょう。

客観的に事実だけを書く

介護記録は原則、客観的な事実だけを記載するようにします。例外として、すでに行ったサービスを提供した、根拠や判断基準などを記載しますが、その際読み手が誤解のないようしっかり推測や提案出ることがわかるように記載します。

なぜこのように「事実」と「推測」をしっかり分けなければならないのかというと、正しい「アセスメント(情報解釈)」を阻害してしまうからです。

例えば「おやつの「バナナ最中」をお出しするとすぐに涙を流しました」と事実だけ記載する場合と、「おやつの「バナナ最中」をお出しすると嬉しそうに涙を流しました」と記載する場合、かなり印象が変わります。

「バナナ最中」をお出ししたタイミングと涙を流したことは事実です。しかし「嬉しそうに」という部分は主観であり推測です。読み手からすると「バナナ最中」に涙をするほどの良い思い出があるのかと推測を急がせるような文章になってしまいます。

それを防ぐために、『おやつの「バナナ最中」をお出しするとすぐに涙を流しました。何か良い思い出があるような様子だと推測しました』と記載したほうが、読み手の解釈を誘導しなくて済みます。

利用者様専用の刑事のように裏付け情報も探す

上の「バナナ最中」の場合のように、「アセスメント(情報解釈)」にはしっかりとした裏付け情報が必要です。まるで刑事のようですが、介護という仕事は命に関わります。そのため裏付け情報とセットで「アセスメント(情報解釈)」する必要があるのです。

命に関わらないことであっても本気で利用者様の人生の目的達成や自立支援を行おうと思ったら、慎重な解釈が必要です。正しい情報を基に正しい「アセスメント」ができれば、本当の「ニーズ」にたどり着ける可能性が上がります。

全く見当違いの「笑顔」につながらない介護をしないためにも、「事実」か「推測」か、明確にしておかなければなりません。ケアマネや介護職員は利用者様専用の刑事であるべきです。つまり上のような状況では、なぜ泣いてしまったのか、利用者様が嫌がらない程度に理由を聞いて、その時の反応や発言まで記載する方が、今後のケアサービスの品質向上に役立てることが可能です。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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