親の年金と介護費用とお金の悩み

親の金銭管理で兄弟・姉妹とのトラブルを防ぐ!介護家計簿とは

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親御さんが生活する上で発生する費用。介護保険サービス費、生活費、施設・病院の利用料、介護用品の購入費、手助・介護のための交通費など、さまざまな費用が発生します。親御さんのお金や資産からお支払いをします。しかしもし、親御さんの判断力が低下してしまったら、誰が金銭管理をしますか。今回は親の金銭管理で兄弟・姉妹とのトラブルを防ぐ「介護家計簿」についてご紹介します。

親に関連する費用は親のお金を使うことが原則

介護費用の負担の有無

厚生労働省の調査によると、親御さんの「介護費用の負担の有無」で負担をしていないと回答した割合は、男性で54.0%、女性で59.1%です。負担している方がおおよそ4割いるということになります。

主に生活費、施設・病院の利用料、介護用品の購入費、サービス利用料、手助・介護のための交通費を負担しています。基本的には、親御さんの年金や預貯金を費用に当てます。両親のどちらかでも判断力に問題がないうちは親御さんが管理し、トラブルの心配もないでしょう。

しかし、両親ともに判断力が低下してくると、子の誰かが金銭管理をしなければなりません。このとき、深く考えず良かれと思って、ただ金銭管理の役割を引き受けてしまうと、他の兄弟・姉妹より大変な役割をしているにもかかわらず、トラブルの原因になってしまう可能性があります。

知らない・見えないは疑念を抱くもと

疑念

政治や会社でも大きな課題とされる不透明性の問題です。人は誰でも、知らないこと、見えないもの、見通せないものに不安を感じ、疑念を抱かせる原因となります。「親のお金を自分たち個人の生活費や贅沢費に利用しているのではいか。」と懐疑的になるのです。

家族間の信頼関係が築けていなければなおのこと。信頼関係があったとしても、家計に不安があったり、余裕がなかったりする兄弟・姉妹がいた場合、悪気なく疑われることもあります。何の問題がなかったとしても、見えないものは疑惑の元。トラブルの元は最初からない方がいいのです。

親の介護の方向性を決めておく

方向性

親御さんにもし、それなりの預貯金や資産が残っているのであれば、親御さんの介護の方向性を兄弟・姉妹間であらかじめ決めておくことをお勧めします。兄弟・姉妹と血の繋がった近しい存在であっても、親のものは親のものと考える人もいれば、今は親のものだけど遺産は多ければ多いほどいいと考える人もいます。

もし、なんの話し合いもなく親のお金や資産なんだからと、親御さんに勝手に贅沢させてしまっては、あとあとトラブルの元になります。もちろん、親御さんの意思が一番重要です。判断力のあるうちに、どれくらい子供達に資産を残しておきたいとかそういった決め事をしておきましょう。

親御さんの資産の使い道に制限をかけている場合も同様です。なんの話し合いもなくそれをしてしまうと、「わざと親の暮らしに制限をかけ、自分のためにお金を使っているのでは。」と疑惑の元になりかねません。そうならないためにも、しっかり親御さんの介護の方向性を決めておきましょう。

証拠としての明細書と介護家計簿の必要性

明細書と介護家計簿

いざ疑いをかけられたとき、いざ親御さんの介護費用が足りなくなったとき、家計簿と明細書が残っていると安心です。これを一般的に「介護家計簿」といいます。

支出の流れを「介護家計簿」にしっかり記録しておき、証拠として明細書を残しておけば、いざそのときにそれを見せるだけでトラブルに発展させずに抑えることができます。面倒ですが、血の繋がった親の資産であっても、自分の資産ではないのでしっかり管理しておくという考え方です。

親御さんの年金と預貯金だけでは、介護費用に足りない場合も同様です。この場合、主たる介護者や親御さんの金銭管理をしている方が、足りない分を負担していると思います。ですが、親御さんの要介護度重度化とともに負担が増加したり、家族の誰かが入院したりして、介護費用負担の継続が難しくなることもあるのです。

そんなときも、介護家計簿があると兄弟・姉妹への相談がスムーズになります。「親御さんの年金だけでは足りないので、兄弟・姉妹で足りない分を補いたい。」と相談したとします。兄弟・姉妹にも生活がありますし、介護に直接関わっていない方もいるでしょう。

この場合、「まずコストを削減する努力をしてから言ってくれ。」だとか「贅沢してんじゃないの。」とか言われることがあります。そこで、介護家計簿を見てもらいながら必要最低限であることを説明すれば、兄弟・姉妹にも数値として課題がはっきり見えてくるので説得が容易になります。

介護家計簿の記録内容

介護家計簿の記録内容

介護家計簿には、通常の家計簿同様、「日付」「項目」「金額」を記入します。「備考」欄には、親御さんのお金による出費の場合には親御さんの名前や「親」と記入しておき、あなたの世帯のお金による出費にはあなたの名前や「私」などと記入し、しっかり区別しておきます。

今では、さまざまな高機能家計簿アプリがありますので、そういったものを利用しても良いかと思います。証拠として記録と領収書が残っていれば良いのです。アプリやエクセルなどで管理する場合、印刷して毎月親御さんの家に置いておくことをオススメします。

親御さんの家に「介護家計簿」を置いておけば、兄弟・姉妹が親御さん宅に訪れた際、自由に閲覧することができます。疑問があれば連絡が来るでしょうし、なければ疑われることもありません。

見せて欲しいと連絡しなければ「介護家計簿」を見ることができなかったり、介護費の負担を相談するときだけ見せていたりしても、トラブルになりかねません。いつでも閲覧できるよう親御さんの家に「介護家計簿」を置いておき、「見える化」しておく方が無難です。

いかがでしたか。今回は親の金銭管理で兄弟・姉妹とのトラブルを防ぐ「介護家計簿」についてご紹介しました。「介護家計簿」があれば、トラブルをだいぶ避けられるかと思います。ぜひ参考にして見てくださいね。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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