親の年金と介護費用とお金の悩み

ダブルケアで教育費と介護費のダブル負担月額75,000~82,000円

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 子育てと介護が同時に来てしまった状態を『ダブルケア』といいます。内閣府男女共同参画局の調査によると、ダブルケアをする人は全国に25.3万人もいます。

子育てと仕事の両立に悩んだ後、介護と仕事の両立に悩むのではなく、子育てと介護と仕事、すべての両立を考えなければならなくなったのです。

今回は、ソニー生命保険の調査で分かった、ダブルケアに関する毎月の負担額と家族との前もった話し合いについてご紹介します。

※「ダブルケアに関する調査2017」は2016年10月29日~11月6日の9日間の調査。2,100名の有効サンプルの集計結果
※「ダブルケアに関する調査2018」は2018年2月28日~3月5日の6日間の調査。ダブルケアを経験したことがある男女1,000名

教育費と介護費のダブル負担月額75,000~82,000円

 ソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2017」によると、ダブル負担の月額は81,848円。内訳は、「親(義理の親)の医療・介護関連費用」が29,623円、「子どもの保育・教育関連費用」が33,087円、「その他」が19,138円になります。

同じく、ソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2018」によると、ダブル負担の月額は75,518円。内訳は、「親(義理の親)の医療・介護関連費用」が23,073円、「子どもの保育・教育関連費用」が38,015円、「その他」が14,430円。

ダブルケアに直面すると、現実的な話、教育費と介護費をダブルで負担しなければならず、月額75,000~82,000円もの費用が必要になるのです。

経済的負担より精神的負担と体力的負担の方が大きい

 同調査において、ダブルケアで負担に感じている(いた)ことに対する回答で、最も多買った回答が「精神的にしんどい」で46.8%です。

次いで、「体力的にしんどい」が43.2%、「経済的負担」が33.5%。「経済的負担」が1番ではないのです。

例えば市役所。介護と子育ての窓口は別にあります。そのため、手続きや相談内容によっては、たらい回しにされてしまうのです。「ダブルケア」という名の窓口がないのです。

病院に行っても同じです。親の介護を行なっている方にとって、親の通院に付き添うことは決して珍しくありません。

受付を済ませ、検査室前や診察室前に移動します。混んでいますから、待合室で待つことになります。看護師さんから色々と質問されることもあるでしょう。その場合、親が答えられないことについてサポートします。

ダブルケアをしている方は、この待っている間、お子さんも一緒にいる可能性もあるのです。その間、飽きずにじっと待っていられる子供がどれだけいるでしょうか。

子育てだけでも大変です。介護だけでも大変です。では、子育てと介護を同時に行わなければならない場合、精神的負担と体力的負担がどうなってしまうのか、想像するだけで嫌になるはずです。

丸1日、子供と一緒に、親と一緒に過ごされたことがある方であれば、簡単には「負担なんか全然ないよ。」とは言えないはずです。

ひどいと言われようが、ぞれが現実です。愛があれば負担を感じないなんて、綺麗事でしかありません。

あらかじめ負担を軽減するための制度を把握しておく

 日本は今、深刻な保育所不足に悩まされています。さらに、介護士不足にも悩まされており、徐々に要介護者を引き受けることのできない問題も出てくる可能性があります。

そこで、育児と介護の、精神的負担・体力的負担・経済的負担などを軽減するための制度をあらかじめ把握しておき、家族と話し合っておく必要があります。

親の意思や理解、旦那さんや兄弟姉妹の理解と協力を得て、様々な制度の活用について決定しておけば、ある程度の負担軽減が可能となります。

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あらかじめ旦那からの理解と協力を得る話し合いをしておく

 平成25年の厚生労働省の調査「国民生活基礎調査の概況」によると、要介護状態になった親御さんの介護を行なっているのは、女性が68.7%、男性が31.3%です。

親と同居している場合において、旦那さんと奥さんとどちらが介護を行なっているのかという内容の調査です。そのため奥さんにとって、実の親ではなく、舅または姑の場合もあります。

この時に問題になるのが、旦那さんからの理解と協力です。介護離婚・熟年離婚という言葉ができてしまっているほどに、この大変な状況から、旦那が逃げているということになります。

ダブルケアの場合、介護だけでなく子育てもしなければなりません。旦那さんは、逃げている場合ではないのです。

しっかり現実を受け止めて、理解と協力をする必要があります。そのためには、ダブルケアが現実化して、余裕がなくなってからでなく、余裕のあるうちに、前もって話し合っておく方が良いでしょう。

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あらかじめ兄弟姉妹からの理解と協力を得る話し合いをしておく

 子育てにおいては、兄弟姉妹間の揉め事はあまりないでしょうが、親の介護が絡むと、様々な問題に直面し、不満がたまったり、揉め事が増加することになります。

例えば、「キーパーソン」「重たる介護者」「緊急連絡先」「連帯保証人や身元保証人(身元引受人)」「金銭的負担」「介護の理解・協力」などについてです。

これらのすべて、あなた一人で行うとなると、あなた自身が壊れてしまいかねません。介護だけでこの状態。それにもかかわらず、大事なお子さんもいらっしゃるのです。

後々問題になることがないよう、余裕があるうちに兄弟姉妹とも話し合い、役割分担と理解協力の要請をしておく必要があります。

介護の金銭的負担については、できる限り分散した方が良いでしょう。2人の兄弟姉妹しかいなかったとしても、運が良ければ1万円〜2万円の負担が減るのです。

どのような状況でも、揉め事を減らすため「介護家計簿」なるものを基調する必要も出てくるでしょう。ダブルケアをする方の精神的負担はあまりにも多く、計り知れません。できる限り前もった準備をお勧めします。

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出典:ソニー生命連携調査『ダブルケアに関する調査2017』

出典:ソニー生命連携調査『ダブルケアに関する調査2018』

出典:厚生労働省の調査「国民生活基礎調査の概況」

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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