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親と同居する介護者が共倒れなくストレスを最小限に抑える7つの方法

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親と同居している場合、起床とともにはじまる家事や介護、日中は仕事、帰宅後や週末も家事や介護。中には子育てをも重なっている方もいるでしょう。睡眠中、何度も起こされるなんてこともあるはずです。介護者、特に女性はいつ休憩しているのでしょうか。「いつもありがとう。」などの言葉とともにプレゼント、なんてこともあまりないことと思います。これでは、体も心も病んでしまいます。共倒れしないためには、定期的なリフレッシュとストレスをできる限り抑える工夫や手続きが必要です。今回は、親と同居する介護者が共倒れなくストレスを最小限に抑える7つの方法をご紹介します。

ケアマネージャーにショートステイとデイサービスを中心としたケアプランをお願いする

ケアプラン

ショートステイは、家族による介護が一時的に難しくなった場合やどうしても外せない用事があるときにだけ利用するものと考えられがちです。しかし、在宅介護において一番大切なのは高齢者ではなく、主たる介護者であるあなたです。

あなたが体調を崩せば、介護を必要とする親御さんはもちろんのこと、代わりに介護をする人にも影響が及びます。家族全体の生活が崩れてしまうのです。そこで、ケアマネージャーに相談して、月に1度や2度、または週に1度など、定期的な利用を検討し、ショートステイを中心としたケアプランを立ててもらうのです。

できれば、要介護度の低いときから定期的に利用しておくことをお勧めします。要介護度が低いうちは頻度が少なくても良いのですが、まったく利用したことがない方に比べ、定期的に利用されている方が緊急時も含めて、受け入れてもらいやすくなるからです。

緊急時や要介護度が上昇したときに備えておくことと、共倒れしないための定期的なリフレッシュ休暇として利用するのです。ショートステイ利用中は、病気であればゆっくり療養したり、遊びや温泉、旅行など、家族サービスに当てるのも良いかと思います。

ただただゆっくり寝て過ごすだけでも疲れがだいぶ取れるはずです。現実問題、すぐそばに親御さんがいるのといないのと、心の安らぎ様が異なるはずです。親御さんと同居して介護または24時間そばにいる家族のストレスは、同じ状況にある方にしか理解できません。介護疲れによる自殺者が絶えない現実もあるのです。

デイサービスショートステイの次に中心とすべき介護保険サービスです。デイサービスは仕事中はもちろん、仕事がない日も定期的に利用しましょう。長く無理しすぎず介護を続けるには、できる限り負担を削るべきです。無理をしすぎては、介護を続けることはできません。

親と世帯分離する

世帯分離

世帯分離とは、住民票に登録されている一つの世帯を、複数に分離することをいいます。同じ住所に住まいながら二世帯、三世帯にするのです。それぞれ家計が別であれば、市役所で申請手続きすることで世帯分離が可能となります。

世帯分離のメリットは、①介護保険サービス費の自己負担額を軽減することができる点。②介護保険料を軽減することができる点。③健康保険料を軽減できる点、3つのメリットが考えられます。詳しくは『同居する親の介護費用を節約できる!知っている人だけ得してる世帯分離』を参照してください。

世帯分離のメリットは全ての方に発生するわけではありませんが、家計を別にしていてメリットがあるのであれば、ぜひ検討しましょう。可能であるなら、金銭的ストレスもできる限り排除しておくべきです。

親を扶養家族にする

扶養家族

世帯分離によって「健康保険料」の軽減が可能となりますが、子が雇用されて働いているのであれば、親御さんを扶養家族にすることを検討します。親御さんの健康保険料が無料になりますし、70歳以上の親御さんであれば最低でも年間7万円以上も所得税と住民税の節税できるからです。

あなたまたは旦那さんが加入している社会保険に、親御さんも扶養家族として加入してもらうのです。親御さんを養っているのであれば、世帯分離どころか別居の場合でも扶養することができます。

扶養には、社会保険における扶養と所得税と住民税の扶養の2種類あります。扶養できる条件はそれぞれ異なりますので、詳しくは『親を扶養したら毎年最低7万円以上も節税できる「老人扶養控除」とは』を参照してください。金銭的ストレスがかなり解消できる方法です。

障害者手帳の交付申請を検討する

車椅子

実は、障害者認定と要介護認定は重複可能です。障害者手帳の交付を受けるメリットは、所得税や住民税を節税できたり、医療費の割引を受けたり、障害者手当をもらえたり、公共料金の割引サービスまで利用できる点にあります。

介護保険サービスだけでも、1割負担でサービス利用ができる点でお得なのにもかかわらず、障害者手帳があるとさらにお得な生活ができるのです。障害者手当や所得税控除は、障害者手帳の交付のない要介護認定者でも利用できる場合があります。

要介護認定の基準と、障害者の基準は異なりますので、要介護認定を受けている方が全員、障害者手帳を交付を受けられる訳ではありません。身体障害者と精神障害者、それぞれ別の基準が用意されていますので、詳しくは『障害者認定と要介護認定は重複OK!障害者手帳で増加するメリットとは』を参照してください。

介護休業・介護休暇・有給休暇を利用する

介護休業と介護休業給付金

あなたの実の親御さんの介護で、あなたが仕事をしているのであれば、あなた自身の介護休業・介護休暇・有給休暇を考えます。もし、舅・姑を介護しているのであれば、必要を感じたとき、旦那さんに介護休業・介護休暇・有給休暇を取得してもらいましょう。

介護の全てをあなた一人で背負ってはいけません。虐待をうみやすく、介護疲れによる自殺者まで出ているほどにストレスを伴うものだからです。特に、舅・姑の介護であれば旦那さんに強く協力を仰ぎましょう。舅・姑を介護する義務は実の子にあります。介護がどれだけ大変なのか理解してもらうためにも、旦那さんの介護参加は、子育て参加同様に必要なことです。

また、国の政策(アベノミクス 新・三本の矢)は「介護離職ゼロ」を目標としています。介護離職をした方が主たる介護者やその家族の負担が増加するとの調査結果があります。年収がかなり減ってしまうとの調査結果もあり、デメリットの方が多いのです。詳しくは『(介護離職)介護を理由に転職・退職しないほうがいい5つの理由』『仕事と介護の両立を手助け!法律で定められた介護休業制度 9種類』を参照してください。

兄弟・姉妹の家に定期的なお泊まりを計画・相談する

急に出てきてまるで経験者のように、テレビなどの知識で当然のように言いたい放題言ってくれることも珍しくありません。親御さんの介護は、兄弟・姉妹の揉め事の原因になり得ます。そのような状態を避けるためにも、定期的に自分の親御さんの心身状態を知ってもらうのです。

兄弟・姉妹の家に定期的なお泊まりができれば、ショートステイと合わせてリフレッシュできる日が増加します。また、ショートステイをいやがる親御さんでも、実の子の家へのお泊まりであれば嫌がらない可能性もあります。毎日介護をする必要がない兄弟・姉妹にとって、大きな負担にもなりません。

どうしても兄弟・姉妹の家へのお泊まりが難しいようであれば、兄弟・姉妹にこちらにきてもらうことや兄弟・姉妹と親御さんだけで、小旅行を兼ねてホテルに泊まってもらうなども考えます。簡単なことではないと思いますが、家族全体にとってプラスになります。

外野の冷たい声を覚悟しておく

ショートステイを利用して、旅行などのリフレッシュ休暇。介護休業などの利用。兄弟・姉妹の家に定期的なお泊まりなど、当事者ではない外野にとっては他人事です。本来は、高齢者の介護の課題は日本国民全体の課題であり、社会で支えていかなければ解決できない大きな問題です。

しかし、「介護離職ゼロ」を目標の一つとするアベノミクス新・三本の矢は、2015年頃開始されたばかり。まだ2年です。「介護離職ゼロ」の実現のため、介護休業・介護休暇に関する法律も改正されましたが、全ての会社への周知と理解は、まだまだ時間がかかります。

有給休暇すら使いづらいのに、介護休業・介護休暇はさらに使いづらい制度だといえます。旦那さんやきょうだいなどの家族ですら、毎日介護をしていなければ本当の理解を得られません。

プロであり、普段毎日介護をしている介護職員ですら、そういった理解が薄い方も中にはいます。仕事は仕事。時間が来れば解放されます。同居する家族の場合、すぐそばに24時間親御さんがいるわけですから、本当の意味で気の休まることがないので、ストレスは積み重ねられていきます。家族の負担を考えてくれないケアマネージャーもいます。

そういった外野の冷たい声は、ある程度あらかじめ覚悟しておいた方が、実際に耳にした時にショックが和らぎます。「ショートステイに自分の親をあずけて旅行なんて冷たい。」だとか、実際に体験していないからこそ言えることです。

ですが、介護はおおよそ10年と長く続くことが少なくありません。無理をしすぎることなく、ストレスを溜めすぎることなく、定期的にリフレッシュ休暇を取りながら行うべきです。でなければ病気になったり、精神的に追い詰められてしまったり、何もいいことはありません。

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いかがでしたか。今回は、親と同居する介護者が共倒れなくストレスを最小限に抑える7つの方法をご紹介しました。できる限り自分をいたわり、楽して笑顔でいられるような生活を続けられるようにしましょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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