介護保険制度を理解する

わかる 読める!指定訪問介護 重要事項説明書の説明・解説・用語辞典

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 専門用語の多い、指定訪問介護の重要事項説明書を、説明・解説します。用語辞典のように活用していただければ幸いです。

指定訪問介護サービスの「指定」とは

 指定訪問介護サービスの「指定」とは、介護保険法に基づいて、都道府県知事により許可を得て運営をしている訪問介護サービスをいいます。

都道府県知事は、人員・設備・運営基準などを満たした訪問介護サービス事業所だけを「指定」します。そのため「指定」とは、一定のサービス水準を(サービスの質)、都道府県知事が保証していると言い換えることができます。

要介護認定を受けた高齢者が指定訪問介護サービスを利用すると、病院でのお支払い同様、要介護度別支給限度額範囲内で1〜3割(2018年8月から)のお支払いでサービス利用が可能となります。

訪問介護サービスとは

 訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が、あなたの親御さんの自宅を訪問して、食事、入浴、排せつなどの介護や調理、買い物、洗濯、掃除などの家事を行なってくれるサービスをいいます。

「身体介護」「生活援助」「通院等のための乗車又は降車の介助」3種それぞれ料金が異なり、提供する時間帯や要介護度によっても料金が異なります。

身体介護とは

 身体介護とは、食事、入浴、排泄、着替え、整容、移動、移乗、服薬、起床、就寝など、身体に直接触れて行う介護をいいます。

生活援助とは

 生活援助とは、買い物、調理、掃除、洗濯など、身体に直接触れない、日常生活の援助をいいます。

通院等のための乗車又は降車の介助とは

 通院等のための乗車又は降車の介助とは、病院などの送り迎え、それに伴う車への乗り降りや、病院内での移動、手続き等の介助や援助をいいます。

訪問介護員の禁止行為とは

 訪問介護員の禁止行為とは、医療行為、「直接本人の援助」に該当しない行為、「日常生活の援助」に該当しない行為など、法的に禁止されているサービスや、その他、金銭や飲酒など、誤解や問題の生じる行為などをいいます。

「直接本人の援助」に該当しない行為とは

 「直接本人の援助」に該当しない行為とは、同居家族に対するサービスをいいます。洗濯、調理、買い物などは、家族全員分まとめてもらった方が、家族としての効率はいいですが、介護保険制度の効率としては悪く、財源を圧迫する要因になりますので禁止されています。

「日常生活の援助」に該当しない行為とは

 「日常生活の援助」に該当しない行為とは、生活を営むのに支障が生じないと判断される行為をいいます。具体的には、草むしり、草木の水やり、ペットの散歩、模様替え、大掃除、修理屋ペンキ塗りなどの行為が該当。これらの行為は、援助しなくても生活に支障がなく、国民の税金や介護保険料を使うに値しないとの判断です。

人員基準とは

 人員基準とは、訪問介護サービスの「指定」を受けるために必要な、資格を保有する職員の人数をいいます。一定のサービス水準を保証するため、最低限必要な職員の数が法律で決められています。

訪問介護サービスの場合、「管理者」「サービス提供責任者」「訪問介護員」3種の職種が必要になります。

管理者とは

 管理者とは、訪問介護サービス事業所の従業員と業務の管理、指揮命令を行う者をいいます。資格要件に決まりはありませんが、多くの事業所で経験と知識・技術(資格)を持った方が勤めています。

1つの訪問介護サービス事業所に最低1名必要。また、原則「サービス提供責任者」や「訪問介護員」との兼務は認められていません。介護は人の命にも関わる仕事ですので、もしもの時に指揮命令できない状況があっては一大事です。

例外として業務に支障がない場合に限り、同一敷地内という狭い範囲であれば兼務が認められています。1日8時間、週40時間、管理者としての職務に勤めています。

サービス提供責任者とは

 サービス提供責任者とは、ケアマネージャーが作成するケアプランに基づいて、訪問介護計画書を作成。訪問介護員を指導・育成し、訪問介護の計画通りにサービスの提供がなされるよう、管理する者をいいます。

サービス提供責任者は、「介護福祉士」「実務者研修修了者」「介護職員初任者研修修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した経験を有するもの」「(旧課程)介護職員基礎研修課程修了者」「(旧課程)ホームヘルパー1級課程修了者」「(旧課程)ホームヘルパー2級課程修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した経験を有するもの」いずれかの資格要件が必要です。

利用者40名に対し、最低1名必要。1日8時間、週40時間、サービス提供責任者としての職務に勤めています。

ケアプランとは

 ケアプランとは、ケアマネージャーが利用者本人及びそのご家族と話した内容(要望や悩みなど)を基に、専門的知識をもって分析・評価。「援助の方針」「課題と目標と大まかな援助内容」「計画表」として書式化したものをいいます。

訪問介護計画とは

 訪問介護計画とは、サービス提供責任者が訪問介護の専門家として、ケアプランの目標や援助内容とその所要時間をより具体化かつ書式化したものをいいます。

サービス担当者会議とは

 サービス担当者会議とは、要介護者に関係するサービス担当者が集まり、ケアマネージャーが作成したケアプラン原案の内容についてを検討する会議をいいます。

訪問介護員とは

 訪問介護員とは、ケアプラン及び訪問介護計画に基づき、利用者の自宅に訪問。実際に身体介護や生活援助などの訪問介護サービスを提供するホームヘルパーをいいます。

訪問介護員は、「介護福祉士」「実務者研修修了者」「初任者研修修了者」「旧介護職員基礎研修過程修了者」「旧ホームヘルパー1級課程修了者」「旧ホームヘルパー2級課程修了者」「看護師」「准看護師」いずれかの資格要件が必要です。

1つの訪問介護サービス事業所に1ヶ月おおよそ440時間働くことのできる訪問介護員が必要。1日8時間、週40時間と労働基準法で決まっていますので、人数に換算すると最低でもおおよそ2.5人が勤務していることになります。

加算とは

特定事業所加算とは

 特定事業所加算とは、サービス提供体制や人材要件に関し、通常より高い基準を満たした指定訪問介護サービス事業所だけが請求することのできる追加料金です。

サービス提供体制の具体的内容は、訪問介護員に対する計画的研修、定期会議、定期検診、緊急時対応マニュアルの策定。

人材要件の具体的内容は、訪問介護員について、介護福祉士の割合が30%以上または介護福祉士+実務者研修等を修了している職員の割合が50%以上。サービス提供責任者について、全員が実務3年以上の介護福祉士または実務5年以上の実務者研修修了等。

前年または前3ヶ月において、要介護4・5、日常生活自立度Ⅲ以上の認知症の方、たんの吸引等の行為が必要な方が20%以上いるなど、人材や金銭的負担の多い体制や人材要件を満たす必要があります。

この場合、サービス料金の請求が通常の指定訪問介護サービス事業所と比較して10%以上料金が高くなりますが、かなり高い質のサービスを期待できます。

緊急時訪問介護加算とは

 緊急時訪問介護加算とは、要介護者やその家族等からの要請に基づき、計画外の指定訪問介護サービスを緊急に行った場合に請求されます。1回につき約100円程度です。

初回加算とは

 初回加算とは、初めて訪問介護サービスを利用する場合において、初回または初回月に、サービス提供責任者が自ら、もしくは訪問介護員に同行した場合に請求される料金です。料金は約200円。

生活機能向上連携加算とは

 生活機能向上連携加算とは、サービス提供責任者と訪問リハビリまたは通所リハビリの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が同行。共同して分析・評価することによる訪問介護計画の作成及びサービスの提供を行なった場合に請求されます。

生活機能向上連携加算を請求できる指定訪問介護サービス事業所のサービスは、その他の指定訪問介護サービス事業所が提供する訪問介護より高い質のサービスを期待できます。

生活機能の向上を目的としているこのサービスは、月に約100円〜200円程度料金が高くなるだけにもかかわらず、要介護度の上昇速度を抑制する効果が期待できますので、長期的には介護サービス利用料金を安くすることにつながります。

介護職員処遇改善加算とは

 介護職員処遇改善加算とは、介護職員の処遇を改善するために賃金改善や資質の向上等の取組みを行う指定訪問介護サービス事業所に認められる加算です。

少ない給料や悪い待遇が理由で、介護職員が年々減っています。指定訪問介護サービスの売上や利益の増加とともに、自然と職員の待遇も上昇していくことが理想ですが、なかなかそうはいきません。

そこで、介護職員の待遇改善のため、賃金改善や昇級の仕組み、スキルアップのための研修や資格取得支援、そのほか職場環境の改善などを行なっている指定訪問介護サービス事業所であれば、売上が増加するといった仕組みが国により採用されています。

介護職員処遇改善加算は、会社の売上増加にはなりますが、利益増加にはなりません。全て介護職員に支給しなければならないと義務付けられているからです。

職場環境が良くなり、モチベーションの向上、スキルアップにつながれば、サービスの質も向上します。そのため、介護職員処遇改善加算のある指定訪問介護サービス事業所のサービスの方が、質が高いといえるでしょう。

地域区分別の単価とは

 地域区分とは、地域間における人件費の差を考慮して、地域間の介護保険費用の配分方法を調整するため仕組みです。そのため、同じ要介護度かつ同じサービス内容であったとしても、住んでいる地域が異なると、多少費用に差が出ます。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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