転倒を防ぎ、他の高齢者向け製品のとっかかりとしてオススメの製品「高齢者向けの室内履き」をご紹介します。
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室内履きとは
『室内履き』とは、室内で履く靴、シューズのことです。かかとのないスリッパと異なり、かかとがあります。靴下と異なり、滑りにくく設計されています。
そのため、転倒しやすくなった方であっても、比較的安全に歩行することができる履物になります。
筋力、バランス力、判断力、様々な能力が低下している高齢者には、信頼できるツールがあれば、それにより補うことができるのです。
7割以上が住宅での事故
独立行政法人国民生活センターの調査「医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故 -高齢者編-」によると、7割以上が住宅での事故です。
これは65歳以上の高齢者に限ったことではなく、65歳未満の7割以上も同じく住宅での事故になります。
差があるとすれば「事故の危害の程度」。高齢者の事故の方が重症化しているということになります。一度事故による怪我をしたら、そのまま車椅子になってしまう恐れがあるということになります。
出典:「医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故 -高齢者編-」独立行政法人国民生活センター 平成25年3月28日
高齢者が高齢者向けの室内履きを履くメリット
スリッパのように引っかからない
スリッパは、高齢者には全く向いていない履物です。高齢者は、筋力の低下などを理由に「すり足」になりますが、スリッパはつま先が引っかかりにくいように設計されていません。
「すり足」とは、足をずったように歩くようになる症状。ずって歩くということは、ほんの少しの段差にも足を引っ掛けて転倒する恐れがあるということです。たった5ミリの段差でも。
しかし「高齢者向けの室内履き」はつま先が引っかかりにくく設計されています。つま先がだいぶ持ち上がっているのです。
スリッパのようにブラブラしない
スリッパは、とても履きやすく、とても脱ぎやすい履物です。そのため、軽く履いてすぐに脱ぐことになる場合に重宝します。
靴のように手を使わなくても履くことができますので面倒がありません。また高齢者になるとかがむことも大変なので、その点においては優れた履物です。
しかし、手を使わずに履くことができるということは、スリッパがブラブラしてしまうということ。足にフィットしないのでとても危険です。
靴下のように滑らない
誰もがご存知かと思いますが、靴下は滑ります。スリッパがダメなら、スリッパを履かなければいいと考えますが、靴下もダメです。
だからといって、冬に裸足は足が寒すぎます。それらすべての悩みを解決することができるのが「高齢者向けの室内履き」。
スリッパのように転倒しにくい設計で、滑りにくく、しかも靴下を履いた上から履くことができます。
浮腫んでも履くことができる
女性はよく足が浮腫みます。女性ホルモンのバランスが乱れたり、血管の収縮・拡張、血液やリンパの流れの悪化などが原因です。
ただし、女性みなさんが思い描く浮腫と同じものと考えてはいけません。なぜなら高齢者は、加齢による筋力低下などを理由に、リンパや血液循環がかなり悪化しているからです。
そのうち誰もが見ることになり、体験する可能性があります。まるでゾウさん。膝から下の骨全部がぐちゃぐちゃになってしまったのかというほどに腫れます。
そのため、普通のスリッパや靴には足が入らなくなってしまうときがあるのです。しかし「高齢者向けの室内履き」なら、浮腫に備えてマジックテープ式か伸縮性のある素材でできているので、かなり浮腫んでいても履くことができます。
靴が幅広に作られている
高齢者の多くは「開張足」です。「開張足」とは、親指の付け根から小指の付け根までのアーチが崩れ、べたっと足囲(ワイズ)が広がってしまう状態。
若い時より足囲が広がっているのです。そのため、一般的な靴やスリッパには、合わない場合があります。
しかし「高齢者向けの室内履き」なら、もともと高齢者向けに作られていますので、足囲(ワイズ)が広めに作られています。
室内履きだから人に見られず恥ずかしくない
「高齢者向けシューズ」がいくら安心・安全設計であっても、初めは抵抗があります。「尿もれがしやすくなっているのでオムツを履きなさい。」と言われて、パンツからオムツに抵抗なく変えることができる方は少ないでしょう。
オムツほどではないにしろ衣類やシューズも同じ。特に外出先で「高齢者向けシューズ」を履くことに抵抗がある方は少なくありません。
しかし「高齢者向けの室内履き」から始めるのであれば、かなりハードルが下がります。他人に見られる心配が少ないからです。
高齢者向けの製品を勧めるとっかかりにできる
高齢者向けの製品はすべて、高齢者の心身機能に合わせて作られており、機能性に優れた製品です。しかし、機能性とデザインの両立はとても難しいはずです。
そのため高齢者向けの製品のほとんどは、独特の形状をしています。よく知らない人が見てもすぐに高齢者向けの製品だと気がつくはずです。
そこいらで売っているのを見ないからです。イオンなどのスーパーに置いてある場合もあるでしょうが、私たちが見る棚には置いてありません。
パッと見ただけで高齢者向けの製品だとわかる製品は、身に付けたいと思わないのが普通です。恥ずかしいのもありますし、衰えを受け入れ、衰えの象徴を身につけなければならないのです。
「高齢者向けの室内履き」なら、室内でだけ身に付けるものですので、比較的受け入れてもらいやすい製品です。
人の目に触れない場所で受け入れてもらえたなら、その製品の機能性を理解してもらうことができます。
実際に使って、その機能を体験してもらえれば、そのほかの高齢者向け製品も受け入れてもらうハードルを下げることができます。