厚生労働省によると、平成25年における熱中症の死亡数1,077人中、65歳以上の方はなんと、833人。割合としては約77.3%。毎年、インフルエンザと同じくらいの人が亡くなられています。
平成26年では、熱中症による死亡数全体としては529人と少ない年でありましたが、そのうち65歳以上の割合が80.9%。約8割が65歳以上。
高齢になると、暑さを認識したり、喉の渇きを感じたり、体温を調節したり、私たちが意識しなくても当たり前に備わっている機能が、かなり低下してしまっているのが原因です。何も苦痛を感じないので、倒れた時にはすでにもう手遅れ。熱中症が重度化しているのです。
「脅威なのはわかっているけど、昔の人にどんな水分を進めれば飲んでくれるのかわからないわ。」そんな方に、熱中症予防にもなって、高齢者でも無理なく飲むことのできる、オススメの水分をご紹介します。
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麦茶
麦茶は、価格も安く昔から夏の代表的飲み物です。65歳以上の親御さん世代にも、私たち40代にとっても、馴染みの深い飲み物です。この麦茶、大したことないように見えますが、熱中症対策の飲み物として実は1番なんです。
麦茶は大麦からつくられ、電解質(ミネラル)を多く含んでいます。さらに、体を冷やしたり、血液をサラサラにしたり、夏バテに効果があります。さらに、赤ちゃんや妊婦さんでも安心のノンカフェイン。熱中症予防にオススメな、隠れた実力者です。
水
次にオススメなのが水です。水は、わざわざ買い物に行かなくても蛇口をひねると出てきます。そのため、足腰の弱い親御さんでも無理なく簡単に飲むことができます。熱中症対策には、5~15℃くらいの少し冷たい水がオススメ。
ですが、真夏の水道水は、約25℃もある(お住いの地域によって違います。)ので冷やすなどの工夫も必要です。ホームヘルパーさんやご家族の協力を得て、水の管理が必要になるかもしれません。
ただし、一度に大量の冷たい水を飲むのはいけません。体の温度が下がりすぎ、お腹をこわしてしまうので、コップ1杯程度の量を1時間おきにこまめに飲みましょう。
スポーツドリンク
スポーツドリンクは、体内の水分に近い飲み物で、適度な塩分を含んでいます。ミネラル(ナトリウムやカリウムなど)も効率的に摂取できます。あまり知られていないかもしれませんが、高齢者はみんなスポーツドリンクが大好き。糖分も多いので飲みすぎには注意です。
運動の後やいつもより多く汗をかいてしまったときに飲むといいでしょう。いつも麦茶やお水ばかりだと飽きてしまうので、いいアクセントになるスポーツドリンク。運動後のご褒美的役割にするのもオススメです。
牛乳
テレビでも取り上げられていたのでご存知の方も多いと思いますが、牛乳が熱中症対策として注目されています。「えっ。そうなの。」と思いますよね。
牛乳には、アルブミンというたんぱく質が含まれています。このアルブミンには血液を増やす作用があります。血液量が増えると、汗をかきやすくなり、皮膚の表面から熱を発散、体温を下げてくれます。
飲むタイミングは運動後がオススメ。「残念。牛乳が苦手。」という親御さんには、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を用意してあげましょう。
いかがでしたか。今回は熱中症予防にオススメの水分をご紹介しました。高齢者にとって、熱中症は非常に怖い病気です。ぜひ参考にしてみてくださいね。