2018年度最新版の老健(介護老人保健施設)の費用をまとめてみました。
老健の費用合計金額はもちろん、居室タイプの特徴と賃料の違い、食費、介護保険サービス自己負担額、日常生活費などの内訳についても細かく解説してあります。
Contents
2018年 老健(介護老人保健施設)の費用合計金額
居室タイプ | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
---|---|---|---|---|---|
ユニット型個室【基本型】 | 123,810円 | 125,160円 | 127,020円 | 128,610円 | 130,140円 |
ユニット型個室【在宅強化型】 | 125,160円 | 127,380円 | 129,240円 | 130,820円 | 132,570円 |
ユニット型個室的多床室【基本型】 | 113,910円 | 115,260円 | 117,120円 | 118,710円 | 120,240円 |
ユニット型個室的多床室【在宅強化型】 | 115,260円 | 117,480円 | 119,340円 | 121,020円 | 122,670円 |
従来型個室【基本型】 | 111,540円 | 112,890円 | 114,720円 | 116,280円 | 117,810円 |
従来型個室【在宅強化型】 | 112,770円 | 114,900円 | 116,760円 | 118,440円 | 120,090円 |
多床室【従来型】 | 75,630円 | 77.070円 | 78,900円 | 80,430円 | 82,020円 |
多床室【在宅強化型】 | 77,040円 | 79,260円 | 81,120円 | 82,800円 | 84,450円 |
上の料金表は、下でご説明する「賃料(基準費用額)」+「食費(基準費用額)」+「老健サービスの自己負担額(1割)」を合計した金額です。
「賃料(基準費用額)」「食費(基準費用額)」「老健サービスの自己負担額(1割)」は、固定費になりますので、最低の金額だとお考えください。
その他、変動費(「サービス加算の自己負担額(1割)」+「日常生活費」)が発生しますので、上の表の料金に、おおよそ10,000〜20,000円の追加料金がプラスされるとお考えください。
居室のタイプと特徴
ユニット型個室
10人程度の少ない入居者と共同で生活します。部屋は個室ですが、リビングなどを共同スペースとして、共有して利用します。
ユニット型個室的多床室
「ユニット型個室」と同じです。ただし、イラストに細い線で表現している通り、2つの部屋の仕切り部分は完全な壁ではありません。
隙間があるので、隣の臭い、温度、照明、会話、病気などの影響を受けますので、「個室的」という表現が最適なようです。
従来型個室
一般的な個室でシングルベッドが備え付けられています。
多床室
一般的な大部屋で、複数人が共同で生活します。ベッドは複数配置されています。
老健の費用内訳
内訳概要
賃料(基準費用額)
賃料は、入居する施設によって異なります。そのためここでは、国があらかじめ定めている標準的な額「基準費用額」を記載します。
居室のタイプ | 基準費用額(日額) | 基準費用額(30日額) |
---|---|---|
ユニット型個室 | 1,970円 | 59,100円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,640円 | 49,200円 |
従来型個室 | 1,640円 | 49,200円 |
多床室 | 370円 | 11,100円 |
食費(基準費用額)
食費も、入居する施設によって異なります。そのため賃料同様、ここでは国があらかじめ定めている標準的な額「基準費用額」を記載します。
基準費用額(日額) | 基準費用額(30日額) |
---|---|
1,380円 | 41,400円 |
介護保険サービスの自己負担
老健(介護老人保健施設)のサービス利用料は、1日いくらといった形の「固定費」+「変動費(サービス加算)」を合わせた金額で構成されます。
1日単位の「固定費」は、要介護度によって料金が変わります。また、収入によって、老健(介護老人保健施設)のサービス利用料の負担額が、1割、2割、2018年8月から3割負担の方とに分かれます。
老健サービスの自己負担額(1割)
居室タイプ | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
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ユニット型個室【基本型】 | 777円(23,310円) | 822円(24,660円) | 884円(26,520円) | 937円(28,110円) | 988円(29,640円) |
ユニット型個室【在宅強化型】 | 822円(24,660円) | 896円(26,880円) | 958円(28,740円) | 1,014円(30,420円) | 1,069円(32,070円) |
ユニット型個室的多床室【基本型】 | 777円(23,310円) | 822円(24,660円) | 884円(26,520円) | 937円(28,110円) | 988円(29,640円) |
ユニット型個室的多床室【在宅強化型】 | 822円(24,660円) | 896円(26,880円) | 958円(28,740円) | 1,014円(30,420円) | 1,069円(32,070円) |
従来型個室【基本型】 | 698円(20,940円) | 743円(22,290円) | 804円(24,120円) | 856円(25,680円) | 907円(27,210円) |
従来型個室【在宅強化型】 | 739円(22,170円) | 810円(24,300円) | 872円(26,160円) | 928円(27,840円) | 983円(29,490円) |
多床室【従来型】 | 771円(23,130円) | 819円(24,570円) | 880円(26,400円) | 931円(27,930円) | 983円(29,520円) |
多床室【在宅強化型】 | 818円(24,540円) | 892円(26,760円) | 954円(28,620円) | 1,010円(30,300円) | 1,065円(31,950円) |
サービス加算の自己負担額(1割)
老健サービス費が、固定的に発生する基本料金的な役割を果たすのに対し、サービス加算は、利用する老健のサービスの充実度や、実際に追加で利用するサービスにより、変動的に発生する費用になります。
下に箇条書きしているサービス加算、全ての料金が追加されるわけではありませんのでご注意ください。利用する老健のサービス提供体制や方針、利用するご本人の心身状態と希望するサービス等によって、追加される料金が変わってきます。
- 在宅復帰在宅療養支援機能加算(Ⅰ 基本型)
- 34円(単位)/日
- 在宅復帰在宅療養支援機能加算(Ⅱ 在宅強化型)
- 46円(単位)/日
- 療養体制維持特別加算(Ⅰ)
- 27円(単位)/日
- 療養体制維持特別加算(Ⅱ)
- 57円(単位)/日
- かかりつけ医連携薬剤調整加算
- 125円(単位)/日
- 入所者への医療の提供 所定疾患施設療養費(Ⅰ)
- 235円(単位)/日
- 所定疾患施設療養費(Ⅱ)
- 475円(単位)/日
- 排せつ支援加算
- 100円(単位)/日
- 褥瘡マネジメント加算
- 10円(単位)/月
- 在宅サービスを利用したときの費用
- 800円(単位)/日
- 口腔衛生管理加算
- 90円(単位)/月
- 栄養マネジメント加算
- 14円(単位)/日
- 低栄養リスク改善加算
- 300円(単位)/月
- 再入所時栄養連携加算
- 400円(単位)/回
- 身体拘束廃止未実施減算
- 10%/日
- 移行定着支援加算
- 93円(単位)/日
- 療養食加算
- 6円(単位)/回
- 夜勤職員配置加算
- 24円(単位)/日
- 短期集中リハビリテーション実施加算
- 240円(単位)/日
- 認知症短期集中リハビリテーション実施加算(週3日限度)
- 240円(単位)/日
- 認知症の入所者に対して介護保健施設サービスを行った場合
- 76円(単位)/日
- 若年性認知症入所者受入加算
- 120円(単位)/日
- ターミナルケア加算(1)死亡日以前4日以上30日以下
- 160円(単位)/日
- ターミナルケア加算(2)死亡日以前2日又は3日
- 療養型老健以外の場合820円(単位)/日、療養型老健の場合850円(単位)/日
- ターミナルケア加算(3)死亡日
- 療養型老健以外の場合1650円(単位)/日、療養型老健の場合1700円(単位)/日
- 初期加算(入所日から30日以内の期間)
- 30円(単位)/日
- 入所前後訪問指導加算(Ⅰ)
- 450円(単位)/回
- 入所前後訪問指導加算(Ⅱ)
- 480円(単位)/回
- (一) 退所前訪問指導加算(入 所中1回(療養型老健の場合 は1回又は2回)限度)
- 460円(単位)/回
- (二) 退所後訪問指導加算(退 所後1回限度)
- 460円(単位)/回
- (三) 退所時指導加算(退所時:1回限り、試行的退所時:月1回限度)
- 400円(単位)/回
- (四) 退所時情報提供加算
- 500円(単位)/回
- (五) 退所前連携加算
- 500円(単位)/回
- 老人訪問看護指示加算
- 300円(単位)/回
- 経口移行加算
- 28円(単位)/日
- 経口維持加算(Ⅰ)
- 400円(単位)/月
- 経口維持加算(Ⅱ)
- 100円(単位)/月
- 口腔衛生管理体制加算
- 30円(単位)/月
- 緊急時治療管理
- 511円(単位)/月3日限度
- 所定疾患施設療養費
- 305円(単位)/月7日限度
- 認知症専門ケア加算(Ⅰ)
- 3円(単位)/日
- 認知症専門ケア加算(Ⅱ)
- 4円(単位)/日
- 認知症行動・心理症状緊急対応 加算(7日間限度)
- 200円(単位)/日
- 認知症情報提供加算
- 350円(単位)/回
- 地域連携診療計画情報提供 加算
- 300円(単位)/回
- サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イ
- 18円(単位)/日
- サービス提供体制強化加算(Ⅰ)ロ
- 12円(単位)/日
- サービス提供体制強化加算(Ⅱ)
- 6円(単位)/日
- サービス提供体制強化加算(Ⅲ)
- 6円(単位)/日
日常生活費
日常生活費は、身の回りの日常生活に必要な品に対する費用です。介護保険サービスではないので、全額自己負担。オムツ代などはサービス費用に含まれていますので、別途請求されることはありません。
初期費用はなし
老健(介護老人保健施設)には初期費用がありません。
所得によって負担軽減措置
設定区分 | 対象者 | 月額負担の上限 |
---|---|---|
第1段階 | 生活保護を受給している方等 | 15,000 円(個人) |
第2段階 | 世帯全員が市町村民税非課税の方で、前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下の方等 | 24,600 円(世帯) 15,000 円(個人) |
第3段階 | 世帯全員が市町村民税非課税の方で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円超 | 24,600 円(世帯) |
第4段階 | 世帯のどなたかが市区町村民税を課税されている方 | 44,400円(世帯) |
第5段階 | 現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方 | 44,400円(世帯) |
第4段階と第5段階の月額負担の上限は一緒です。ただし第4段階は、同じ世帯の全ての65歳以上の方の利用者負担割合が1割の世帯は、年間 446,400円(37,200 円 ×12 ヶ月)の上限が設けられています。
第5段階が年間 532,800円になるのに対して、第4段階は年間 446,400円になります。年間を通しての負担額が増えないようにされます。(3年間の時限措置)
第5段階の具体的対象者は、世帯内に課税所得145万円以上の被保険者がおり、かつ、世帯内の第1号被保険者の収入の合計額が520万円(世帯内の第1号被保険者が本人のみの場合は383万円)以上の方をいいます。
1ケ月あたり介護サービス費が、上の表の上限額を超えた場合、超えた分が返ってくる、とても助かる仕組みが、高額介護サービス費制度になります。
第1〜3段階の方は賃料と食費の負担額が介護保険から支給
所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた賃料と食費の負担額が、介護保険から支給されます。
食費・居室タイプ | 基準費用額(日額) | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 |
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食費 | 1,380円 | 300円 | 390円 | 650円 |
ユニット型個室 | 1,970円 | 820円 | 820円 | 1,310円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,640円 | 490円 | 490円 | 1,310円 |
従来型個室 | 1,640円 | 490円 | 490円 | 1,310円 |
多床室 | 370円 | 0円 | 370円 | 370円 |