離れて暮らす老親の生活支援と介護

高齢者の入院!家族がやらなきゃあとあと大変になる11の協力支援

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 親御さんの入院期間中、家族がしなければならないこと、ご存知ですか。全く知らずしていざその時、本番を迎えるのは不安ですよね。焦っているでしょうし、動揺もしていることでしょう。そんな不安を解決する方法は一つです。あらかじめ何をすれば良いかを把握しておくこと。今回は、親の入院中、家族が行うべき協力支援についてご説明します。

1、パジャマとタオルの洗濯

 親御さんの入院中、家族が協力できる代表的なことは「洗濯」。マメに面会に来られるのであれば、パジャマやタオルの洗濯を行い、常に着替えが2〜3着が残っているようにしましょう。もちろん、多くの病院ではパジャマのレンタルができます。

 下着に関しては要相談です。大体は「尿道カテーテル」や「おむつ」の対応になるかと思いますので、看護師に言われた時だけ下着についてを考えます。

詳しくは『親が入院 パジャマとあなたのライフスタイルにあった洗濯の仕方4選』を参照ください。

2、ティッシュ、飲料水、テレビカードなどの買い物

 手術した場合は特に、ティッシュを使います。70〜80歳の親御さんが、何らかの理由で入院したのであれば、かなり衰えていることが予想されます。手術をしていなかったとしても、手先を今までと同じように使えないものだと考えておきましょう。そのため、ティッシュの消耗がかなり激しいものと考えて置いてください。

 基本的に、朝・昼・夕の3食時にしか、病院側から飲み物は提供されません。自由に飲料水を飲んで良いとの許可が出たら、最低でも1日500mlのペットボトルが消費されるものと考えて補充しましょう。

 テレビカードは1分1円、1,000円のカードの購入が可能。親御さんがどのくらいテレビを見るかによりますが、状態が安定してからは、入院生活はかなり暇。できる限りテレビカードがなくならないよう補充しておくようにしましょう。

詳しくは『入院中 家族がマメに買い物補充していないと親が困ってしまう3つ』を参照ください。

3、洗髪や着替えのお手伝い

 救急搬送後、手術や治療もある程度落ち着いて、病状も安定してくると、頭を洗ったり、体を拭いたりしても良いとの許可が出ます。病院によりその時間は多少ことなるとは思いますが、たまたまその時間に家族が面会に来ていた場合、看護師さんにお願いされることもあります。

 断っても良いと思いますが、問題ないとの判断から看護師さんがお願いしているので、その場合は引き受けましょう。その方が親御さんも安心するはず。

詳しくは『親の入院中のストレスを大幅に軽減!洗髪・ドライシャンプーベスト5』を参照ください。

4、手術、検査、治療に関する同意書の記入

 病院は、命を救い、病気を治す場所。そのため、訴訟の多い職業です。手術、検査、治療の都度、「同意書」の記入を求められます。同意書に同意するのは、基本的には本人である親御さんですが、判断力がない場合などは家族が同意します。親御さんに判断力があったとしても、その説明に同席し、同意書に署名をお願いされます。

5、転院と介護の心の準備

 救急車で運ばれる病院を「急性期病院」といいます。「急性期病院」は、命を救うことを目的としており、基本的に14日間で容態の安定と退院を目指します。長くても30日前後。たったの14〜30日で転院、もしくは退院を考えなければなりません。

 また、70〜80歳の親御さんの入院の場合、年齢が年齢ですから、脳や心臓などの大きな病気との診断を受けることは珍しくないこと。脳や心臓の病気を発症した場合、かなり高い確率で体に障害が残るでしょう。体に障害が残れば、介護が必要になること。肝に命じておきましょう。

詳しくは『救急搬送後たった14〜30日ですぐ退院?転院先など5つの心の準備』を参照ください。

6、国の医療保険と高額療養費・限度額認定証の申請

 医療保険で認められている治療に関するお支払いは、毎月自己負担限度額が決められています。一般的な収入のある70歳以上の方なら、毎月の自己負担限度額はなんと、57,600円です。 

 基本的に何の手続きもいりません。入院費をお支払いするとき、病院の窓口に「健康保険証(74歳まで)」「健康保険高齢受給者証(74歳まで)」「後期高齢者医療被保険者証(75歳から)」を提示するだけで、限度額以上の支払いをしなくて大丈夫です。

 国の医療保険の適用を受けない、個室代(差額ベッド代)、先進医療代、診断書代、その他入院生活に必要なサービス代は、高額療養費に含まれません。食事代に関しては特殊で、国の医療保険の適用を受けますが、高額療養費には含まれません。

 70歳以上で国民健康保険にご加入の住民税非課税の方と75歳以上の住民税非課税の方だけは、入院したらすぐ市役所に申請しに行く必要があります。市役所で、『限度額認定証』の交付手続きをします。

 住民税非課税の方は、『限度額認定証』がなければ病院の窓口では、一時的に限度額以上のお支払いをしなければなりません。この場合、後から高額療養費の手続きをしなければならず、多く支払ったお金が戻ってくるのは、3〜5ヶ月も後になってしまいます。忘れずに市役所で『限度額認定証』の発行をお願いしておきましょう。

7、保険会社の医療保険の申請

 親御さんが保険会社の医療保険に加入しているかどうか、ご存知でしょうか。そして、その医療保険の「指定代理請求人」が誰かご存知でしょうか。

 「指定代理請求人」とは、保険会社の医療保険の加入者本人である親御さんが自ら請求できない場合、代理として保険金や給付金の請求をできる人のことをいいます。「指定代理請求人」は、あらかじめ指定しておく必要がありますので、事前に家族と話し合って決めておきましょう。

 「指定代理請求人」は、入院や手術が決まったら、その旨保険会社に連絡します。すると、保険会社が申請書類を送ってくれます。退院する時に、保険会社が送ってくれた申請書類にて、診断書を作成してもらうよう病院に頼みます。

 病院は、作った申請書類(診断書)を直接保険会社に送ってくれると思います。申請後、審査に問題なければ、5営業日以内に給付金が銀行に振り込まれます。

詳しくは『親が突然入院 医療保険の代理請求できる指定代理請求人と申請方法』を参照ください。

8、介護保険(要介護認定)の申請

 医師と相談の上、医師の意見として介護保険(要介護認定)の申請をした方が良いといわれた場合は、「介護保険(要介護認定)」の申請を行います。親御さんの住んでいる市役所に行き、「要介護認定」の申請をするのです。原則として30日以内に、介護が必要かどうかの認定結果が通知されます。

詳しくは『要介護認定調査の流れと訪問調査に家族が立ち会わないと損をする理由』を参照ください。

9、月に1回と退院時に入院費用のお支払い

 入院費用は、医療保険で認められている治療の自己負担分と食事代と差額ベッド代と先進医療代と診断書作成代とその他入院生活に必要なサービス代を合わせた金額をお支払いします。

 差額ベッド代と先進医療代、診断書作成代は、希望しなければ請求されません。その他入院生活に必要なサービス代は、おむつ代などが請求の対象です。パジャマなどをレンタルしている場合にはその料金も支払い対象です。

 請求は、月末締めで、毎月10日前後までにお支払いするようになると思います。10日前後かどうかは、病院によって差がありますが、月末締めは一緒。毎月入院費を支払っていますので、退院するときの支払いはその差額だけになります。

詳しくは『親の入院費用は1月約20万!概算が簡単にわかる7つのポイント』を参照ください。

10、その都度医療ソーシャルワーカーに相談しに行く

 多くの病院では、「医療相談室」「地域連携室」などの名前の相談窓口が用意されています。「医療相談室」「地域連携室」には、『医療ソーシャルワーカー』と呼ばれる相談員が所属しています。

 『医療ソーシャルワーカー』は、パジャマやタオルの洗濯やオムツに関して、ティッシュ、飲料水、テレビカードなどのお買い物、洗髪や着替え、手術、検査、治療、転院と介護の心の準備、国の医療保険と高額療養費、保険会社の医療保険、介護保険制度、入院費用など、今まで説明してきた内容に関してや、退院後の施設、病院、介護保険サービス、そして病院の設備や職員に対する不満まで、様々な相談を聞いて、無料でアドバイスをしてくれるスペシャリストです。

詳しくは『親の退院 介護が必要になっても安心な医療ソーシャルワーカーの役割』を参照ください。

11、退院後、在宅に戻る場合は、医療ソーシャルワーカーに「退院時ケアカンファレンス」をお願いする

 退院するとき、親御さんが介護を必要とする状態になっており、病院から家に戻る方は必ず「退院時ケアカンファレンス」をお願いしましょう。
 
 70〜80歳の親御さんの突然の入院では、多くの場合、退院とともに介護が必要な体になっている可能性かなり高いです。このままなんのアドバイスもなく家に戻ってきたとしても、本人も家族も途方に暮れてしまうことでしょう。

 『退院時ケアカンファレンス』開催の目的は、退院する親御さんとその家族が安心して退院できるようにすることと、病院医療と在宅医療と在宅介護と本人と家族の連携強化です。

 『退院時ケアカンファレンス』では、入院中の病院側から、主治医、看護師、医療ソーシャルワーカーなどが参加。在宅側からは、在宅主治医、ケアマネージャー、地域包括支援センター、介護サービス事業所、本人と家族などが参加します。

 『退院時ケアカンファレンス』で話し合われる内容は、在宅ケアの方針と具体的な対応方法です。入院している親御さんの診療情報が、入院中の病院と在宅側とで共有。その上で、本人と家族の意見も交えて、介護が必要になってしまった親御さんを、どのように支えていくかを決めるのです。

詳しくは『親の退院 介護が必要になっても安心な医療ソーシャルワーカーの役割』を参照ください。

いかがでしたか。今回は親の入院中、家族が行うべき協力支援についてご説明しました。これで、親御さんもあなたも、焦らず安心した入院生活を送ることができるはずです。ぜひ参考にして見てくださいね。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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