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近所の高齢者を手助けするも…国の将来を憂いてしまう介護エピソード

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家族を顧みず近所のリウマチ高齢者を手助けに行く母

 母は60代、近所に住む母の友人はリウマチにより歩行困難で一人暮らしをしています。父の話によると、父の運転でそのリウマチ高齢者の代わりによく買い物代行や病院への送迎を無償でしているとのことでした。

これだけ聞くととても良い話に聞こえます。しかし父は言います。「最近は食事の出来上がる時間が遅くなってきた。」と。20時を過ぎることもざらにあるようです。しかも、そのリウマチの高齢者から電話が来ると、何も言わずに家を飛び出していってしまうとのこと。

話す内容から、相手がリウマチの高齢者だとすぐにわかるようです。焦って出て行くので、また何かあったのだろうと黙って見送るものの、連絡が一切なく、夕食は21時を過ぎても用意されないのだと言います。

人助けそのものはいいことだと思います。しかし、家族をないがしろにしてまで手助けをする行為は、家族にその手助けを強制することと同じ。母に傲慢さを感じる反面、歩くこともままならない高齢者のSOSを無視するというのもどうかという気持ちもあります。

難しい問題だと考えさせられる内容でした。家族や家のことをしっかり行えている上での手助けならなんら問題ないのですが、SOSがいつ来るのか予想がつかないのだから仕方がないとも言えるのです。

リウマチ高齢者の娘さんの訪問と拒絶

 母の話によると、ある日突然リウマチ高齢者の娘さんが家に訪問されたようです。話の内容は「今後一切、母に何を言われても手助けをしないでほしい。」とのこと。まるで悪者のような対応だったそうです。

よく考えれば想定できたことでしたが、もっと早くに気がつくべきだったと後悔しました。理由はいろいろあるようです。お金の問題です。将来どうなるか不透明なので、娘側は考えてお金を使ってほしいと思っています。また、衣・食・住は生活するに十分なものを用意しているとのことでした。当然のことです。

しかしリウマチの高齢者は、母にはお金は十分にあるようなことを言って買い物をお願いしていたようです。お礼にとお金を渡そうとすることもあったようですが、母は断っていたと。しかし、母以外の人はガソリン代だからと渡してくれるお金を受け取っていたようで、知り合いであったら他の方にも今後一切遠慮してもらうよう伝えてくださいと言われ、きっぱり拒絶された形です。

現在の日本は、残念ながら人助けが当たり前の世の中ではありません。何の見返りもなく手助けをする人に対し、胡散臭さを感じてしまってもおかしくないのです。今回わざわざ訪問してまで話をしに来たのには、何らかのきっかけがあったはずです。

お金の減りが早くなったとか、そういったよっぽどの理由です。リウマチ高齢者にとっては親友でも、娘にはただの知らない人。疑われても仕方のない状況です。

自分自身も含め、国の将来を憂いてしまう結果に

 国は今、「地域包括ケアシステム」の構築に力を入れています。家族はもちろん、民間の介護保険サービス事業は今現在においても人材不足。そのような状態にもかかわらず、団塊の世代が75歳以上となる2025年をさかいに、要介護者が急増するのです。

重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が必要なのです。それにはもちろん、老人クラブやボランティアの力も必要。

このシステムは必要です。何もしなければ、支えきれなくなることはわかりきっています。「地域包括ケアシステム」でも足りないでしょうが、他にもっと良いやり方を思いつかない以上仕方がないことです。老人クラブやボランティアなど、何らかの組織を通してであれば、サービスを受ける家族側も安心と信頼をもとにお願いできるでしょう。

しかし、本人に親友と呼べる友人がいたのなら、困ったらまず友人に相談するのではないでしょうか。娘に言いづらいことはたくさんあるはずです。自分が要介護状態になったことで、ただでさへ苦労をかけているのであれば、お願いするのに気が引けて当然です。

友人に対しての方が言いやすいこと、お願いしやすいこともあるはずなんです。しかし私自身、父をないがしろにしてまでやることなのかと、否定的な感情を抱いていました。それを理由に喧嘩をしていることも聞いていたのもあります。

リウマチ高齢者の娘さんも私と大して変わらないでしょう。直接知らない人です。私の側から見ても、母に対して「いいように使われているな。」と感じていたくらいです。リウマチ高齢者の娘さんからしたら、「何が目的なの。」と疑心暗鬼になられて当然なのです。

だからといってボランティアにお願いするにしろ、夜21時くらいに電話してすぐに飛んで来てくれるはずもありません。人材不足である介護保険サービスでもそれは同じ。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」や「看護小規模多機能型居宅介護」であっても、すぐに対応できるかどうかわからないのです。

だからこそ、近隣の人たちの支えもあって「地域包括ケアシステム」はより機能するはずなのです。それには、近隣の方たちに対する私たち若い世代の信頼や信用関係が不可欠だということ、より深く考えなければならないようです。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
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  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

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