東京スター銀行は「リバースモーゲージのパイオニア」などと言われることがあります。
東京スター銀行はリバースモーゲージを最初に始めた銀行なのですが、他の銀行の商品とはどのように異なるのでしょうか?
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東京スター銀行のリバースモーゲージ
リバースモーゲージのパイオニア的な存在であるリバースモーゲージはどのような商品なのでしょうか?
それなりのデメリットもありますが、東京スター銀行は上記に説明したリバースモーゲージのデメリットをできる限り無くしたローンであると言えます。
借入額は500万円~1億円以内
東京スター銀行のリバースモーゲージの借入額は500万円からとリバースモーゲージとしては比較的低い金額からの借入が可能です。
銀行によっては、借入額は1,000万円からという商品も珍しくないため、手軽に生活資金を手にすることができます。
なお、東京スター銀行のリバースモーゲージは限度額を作るという方法です。
例え500万円の枠を作成しても、100万円しか使用しないということも可能ですし、当然ながら現金を借りた分しか利息はかかりません。
55歳から借入可能
東京スター銀行のリバースモーゲージは55歳からの借入が可能です。
定年退職前に借りることができるため、退職前の5年間だけお金を借りて、退職金で一括返済という返済計画を立てることも可能です。
定年退職後の60歳を超えてからではないと借入ができないという銀行も多いですので、借入の幅や用途や返済計画の多様性は東京スター銀行のリバースモーゲージにはあると言えるでしょう。
大都市の居住者は利用可能
リバースモーゲージの担保となる物件は、換金性が高く、借主死亡時に売却できなかったら担保としての価値がありません。
山の中の一軒家では担保の価値が見込めません。
そのため、東京スター銀行のリバースモーゲージは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪市・京都市・神戸市(東灘区・灘区・中央区・兵庫区)に居住している人しか申し込むことはできません。
日本どこに住んでいる人でも申し込むことができないことは間違いないのですが、東京、神奈川、千葉、埼玉などの東京の周辺までしか申し込むことができないリバースモーゲージが多い中では、東京スター銀行のリバースモーゲージは申し込むことができる対象者が多いと言えるでしょう。
限度額の範囲内で何回でも借入可能
東京スター銀行のリバースモーゲージは借入限度額を先に作るローンですので、限度額の範囲内で何回でも借入を行うことができます。
カードローンのように、使いたい時に使いたいだけ下ろすことができるため、随時に必要になる生活資金の借入としては最適です。
借入額は担保評価額の50%程度
東京スター銀行だけではなく、リバースモーゲージで借りることができるのは、担保価格の50%程度です。
リバースモーゲージの返済は担保物件の売却によって行います。
担保には価格が変動することがあることから、担保割れのリスクを避けるために、担保価格の半分程度までしか融資を行わないのが一般的です。
利払い式
東京スター銀行のリバースモーゲージは利息分だけは毎月支払っていかなければなりません。
東京スター銀行のリバースモーゲージの金利は11月現在で2.906%ですが、1,000万円借りた場合には1ヶ月分の利息である24,217円の利息を毎月支払っていかなければなりません。
利息が元金に加算されていく元加タイプのリバースモーゲージの場合には、元加された利息に翌月さらに利息が乗るため、元金の負担が大きくなっていくと同時に、毎月元加されていく利息も大きくなっていきますが、東京スター銀行のリバースモーゲージは利払い式であるため、借主死亡時のトータル利息額は元加式のリバースモーゲージよりも少なくて済みます。
預金連動型
東京スター銀行のリバースモーゲージは預金連動型です。
預金連動型とは、借りたお金のうち、東京スター銀行の口座に入れてある分については預金と見做され、借入金に算入されないということです。
例えば1,000万円一括で借りて、500万円は使わずに東京スター銀行の預金口座に入れておいた場合には、使った500万円分にしか利息は発生しません。
フリーローンなどでは、いくら借りた銀行の口座にお金を入れておいたとしても、借入金として利息が発生してしまいます。
預金連動型の東京スター銀行のリバースモーゲージはいざという時のために多めに借りておいても、使わない分は利息が発生しないというメリットがあります。
返済は建物の売却
東京スター銀行のリバースモーゲージの返済は相続人が現金で一括返済するか、担保となっている物件を売却することで返済を行います。
この点は他の銀行のリバースモーゲージと変わりません。
しかし後述しますが、東京スター銀行のリバースモーゲージには、担保割れしても残金の返済義務が相続人に発生しないというメリットがあります。
東京スター銀行リバースモーゲージのメリット
東京スター銀行のリバースモーゲージには他の銀行のリバースモーゲージにはないメリットがあります。
預金連動型であるため多めに借りても安心
前述したように、東京スター銀行のリバースモーゲージは預金連動型です。
そのため、すぐに使わないお金まで多めに借りてしまっても、使わない分は東京スター銀行の銀行口座に入れておけばその分の利息は発生しません。
いざという時のために多めに借りても利息がかからないため安心です。
利払い式なので、正確には「リバース」ではない
東京のスター銀行のリバースモーゲージの返済方法は利払い式と言って、利息分だけ毎月払っていきます。
本来であれば利息が借入元金に元加され、時間の経過とともに元金が増えていくため「リバース」モーゲージというのですが、東京スター銀行は、利息を毎月支払うため、時間が経過しても元金は増えません。
そのため、正確には時間の経過とともに元金が増える「リバース」ではないという点もメリットの1つです。
担保割れしても相続人に借金が残らない
東京スター銀行のリバースモーゲージ最大のメリットが担保割れしても相続人に返済義務が生じないという点です。
借主死亡時に借入残高が2,000万円で、担保物件の売却金額が1,500万円の場合には、不足分が500万円生じることがあります。
他の多くの銀行では、不足分の500万円に関しては相続人に返済義務が生じてしまうのですが、東京スター銀行のリバースモーゲージは不足分についても相続人に返済義務は生じません。
担保割れのリスクを東京スター銀行が負ってくれます。
このため、東京スター銀行のリバースモーゲージは借りたお金を完全に自分の資産だけで完結できる商品であると言えるでしょう。
「自分のために子どもに迷惑をかけたくない」という人には東京スター銀行のリバースモーゲージがおすすめです。
東京スター銀行リバースモーゲージのデメリット
東京スター銀行のリバースモーゲージにはデメリットもあるためご紹介します。
借入限度額見直し時に担保割れした場合には返済義務が生じる
東京スター銀行のリバースモーゲージは1年に1回担保価格の見直しを行っています。
この際に担保価格が著しく下落した場合には限度額の引き下げの可能性があります。
引き下げた金額が借入残高を下回っていた場合には、限度額以上の金額に関しては一括か分割での返済義務が生じてしまいます。
例えば担保価格の下落によって、すでに1,000万円の借入がある人の限度額が900万円まで下がった場合には限度額オーバー分である100万円に関しては返済義務が生じてしまいます。
東京スター銀行のリバースモーゲージは借主死亡時の担保割れのリスクは銀行が負ってくれるものの、借入途中の担保割れのリスクは借主が負わなければならないため注意が必要です。
まとめ
リバースモーゲージはメリットとデメリットが明確な商品です。
自宅を担保にお金を借りることができ、毎月の返済義務がないというメリットがありますが、担保割れのリスクが相続人に生じるなどのデメリットもあります。
しかし、東京スター銀行のリバースモーゲージはリバースモーゲージ本来のデメリットをできる限りなくしつつ、メリットの大きい商品であると言えます。
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