親御さんの身体機能が低下してきたら、自宅のリフォームが必要かもしれません。お金がかかるのか、心配ですよね。そんな心配を多少解決してくれる介護保険サービスがあります。今回は住宅改修についてご説明します。
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Contents
住宅改修(リフォーム)とは
住宅改修(リフォーム)とは、介護を必要とする親御さんが、住み慣れた自宅で暮らし続けることができるよう、親御さんの身体の状態と利用する介護用品を考慮して、親御さんを支える家族やホームヘルパーの意見も交えたリフォームに必要な金銭的負担を軽減してくれるサービスです。
住宅改修(リフォーム)の種類・特徴と利用できる人
サービス名称 | 利用条件 | サービス概要 |
---|---|---|
(介護予防)住宅改修 | (介護予防:要支援1〜2) 要介護1〜5 |
自宅にて、自立した日常生活を過ごすために必要なリフォームを、1〜2割の安い料金でリフォームできるサービス。1つの自宅で、一生涯で1度だけ、20万円を限度とします。 |
住宅改修(リフォーム)可能なもの
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止または通路面の材料変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
- その他上記の住宅改修に付帯する工事
住宅改修の費用を一旦全額支払わなくてもいい方法もある
住宅改修は、1〜2割でリフォームできますのでとてもお得です。しかし、一旦全額支払った後に市役所から残りの8〜9割が振り込まれる仕組み。これを「償還払い」といいます。
住宅改修 償還払いの流れ
- ケアマネージャーに「住宅改修」を考えていると相談します。
- 市役所の介護保険課に事前申請します。
- 市役所から「事前確認書」が届きます。
- 「事前確認書」を確認した住宅改修業者が工事を始めます。
- 住宅改修費用の全額を住宅改修業者にお支払いし、「領収書」と「工事内訳明細書」を受け取ります。
- 住宅改修完了後、市役所に申請します。
- 住宅改修費用(20万円未満のうち)の9割または8割が、申請書にて指定した銀行に振り込まれます。
住宅改修前 償還払いの場合:事前申請時に必要なもの
- 介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書(ケアマネージャー作成)
- 住宅所有者の承諾書(住宅所有者が別の人の場合だけ)
- 工事見積書(宛名は申請者本人である親御さんのフルネーム)
- 図面
- 改修前の状況がわかる、撮影日が入った写真
- 振込先があなたやその他の家族の場合(申請者本人である親御さんではない場合)の委任状
- 介護保険被保険者証
- 申請対象本人である親御さんの印鑑
- 代理申請の場合はあなたの印鑑も
住宅改修後 償還払いの場合:完了申請時に必要なもの
- 介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修支給申請書
- 工事内訳明細書
- 領収証(宛名は申請者本人である親御さんのフルネーム)
- 改修後の状況がわかる、撮影日が入った写真
市役所に、事前に審査を済ませてもらい、1割または2割だけ支払って、市役所には直接、住宅改修業者に残りの8割または9割を支払ってもらう方法もあります。これを「受領委任払い」といいます。一旦全額支払う必要がないので、ふところに優しい方法。
住宅改修 受領委任払いの流れ
- ケアマネージャーに「住宅改修」を考えていると相談します。
- 「受領委任払い」を希望している旨伝えます。
- 市役所の介護保険課に事前申請します。
- 市役所からが審査をしてくれます。
- 市役所は、「承認」または「不承認」とした審査の結果を申請者に通知してくれます。
- 「承認」を確認した住宅改修業者が工事を始めます。
- 住宅改修費用の1割または2割を住宅改修業者にお支払いし、「領収書」と「工事内訳明細書」を受け取ります。
- 住宅改修完了後、市役所に申請します。
- 住宅改修費用(20万円未満のうち)の9割または8割が住宅改修業者に支払われます。
住宅改修前 受領委任払いの場合:事前申請時に必要なもの
- 介護保険住宅改修費受領委任払に係る取扱承諾書
- 介護保険住宅改修費受領委任払事前承認申請書
- 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー作成)
- 住宅所有者の承諾書(住宅所有者が別の人の場合だけ)
- 工事見積書(宛名は申請者本人である親御さんのフルネーム)
- 図面
- 改修前の状況がわかる、撮影日が入った写真
- 介護保険被保険者証
- 申請対象本人である親御さんの印鑑
- 代理申請の場合はあなたの印鑑も
住宅改修後 償受領委任払いの場合:完了申請時に必要なもの
- 介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修支給申請書(受領委任払用)
- 工事内訳明細書
- 領収証(宛名は申請者本人である親御さんのフルネーム)
- 改修後の状況がわかる、撮影日が入った写真
- 介護保険住宅改修に係る改修費用総額明細書兼確認書
住宅改修(リフォーム)の利用料金
住宅改修の内容、お願いする住宅改修の業者によっても、料金が変わります。通常のリフォームと同じ。そのうちの20万円までが1割、または2割の支払いで済む仕組みです。
例えば、住宅改修可能な「滑りの防止」「通路面の材料変更」、その他にキッチンを車椅子でも料理可能なようにリフォームをお願いしたとします。「滑りの防止」「通路面の材料変更」が10万円、キッチンを車椅子でも料理可能なようにリフォームが60万円だったとします。
この場合、リフォームの合計金額は70万円です。しかし、「滑りの防止」「通路面の材料変更」だけは住宅改修の対象(介護保険対象部分)ですので、1割負担の方でしたらこの部分の支払いは1万円になります。なので、合計61万円。9万円安くなり、その9万円は市役所が支払ってくれます。
一生涯20万円が限度なので、残り10万円の枠が余ります。キッチンのリフォームは、住宅改修の対象ではありませんので枠が余っていても全額自己負担です。
いかがでしたか。今回は住宅改修についてご説明しました。18万または16万円とはいえ、その分のお支払いが免除されるのでとても助かるサービスです。ぜひ参考にしてみてくださいね。