介護保険制度を理解する

高齢者の孤独,閉じこもりが解決する通所介護[デイサービス]とは

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

 自宅で暮らす親御さんに、友人や仲間はいますか。閉じこもっていませんか。親御さんを介護するあなた自身は、疲れていませんか。そんな不安や課題が解決できるサービスがあります。今回は通所介護(デイサービス)について説明します。

通所介護(デイサービス)とは

 通所介護(デイサービス)とは、施設に通って他の高齢者とともに昼食、入浴、リハビリ・訓練、レクリエーションを楽しむサービス。仲間と一緒に体を動かす場として、閉じこもり防止、孤独の解消、ストレス軽減、精神面の安定と向上、家族の負担軽減が期待されます。

デイサービスの種類と利用できる人

デイサービスの種類と利用できる人
サービス名称 利用条件 サービス内容
通所介護 要介護1〜5 多くの仲間と楽しむことができるデイサービス。
地域密着型通所介護 要介護1〜5 定員18名以下の小規模デイサービス。地域密着型サービス。
(介護予防)認知症対応型通所介護 要支援1〜2
要介護1〜5
医師による認知症の診断
定員12名以下の認知症デイサービス。地域密着型サービス。

デイサービスで働く職員

生活相談員
生活相談員とは、説明・契約・手続き・関連機関との連携などを行うものをいいます。社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格といった福祉の専門知識を持った、有資格者が勤めています。ケアマネージャーや介護福祉士など、介護の専門知識を持った有資格者が勤めている場合もあります。
看護師
保健師助産師看護師法に基づき、看護師養成所(学科を3年以上)を卒業し、看護師国家試験に合格することで得られる、看護師免許を与えられた、療養上の世話または診療の補助を行うものをいいます。
機能訓練指導員
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、柔道整復士、あん摩マッサージ指圧師など、機能訓練に関する専門知識を持った有資格者が勤めています。
介護職員
ケアマネージャー、介護福祉士などの介護の専門知識を持った有資格者や、介護職員初任者研修、実務者研修といった研修似て専門知識を持った職員が介護職員として勤めています。

デイサービスの具体的サービス

送迎
自宅からデイサービス間の送迎をしてくれます。
健康管理
看護師が1人必ずいますので、デイサービス利用中の健康管理もしっかり行ってくれます。
入浴
看護師の判断で入浴を中止されない限り、介護職員による入浴介助が行われます。
食事
介護職員による見守り、介助を受けながら、友人・仲間と楽しく食事をします。
訓練・リハビリ
理学療法士などの機能訓練指導員を中心に、友人・仲間と楽しく訓練やリハビリを行います。
レクリエーション
介護職員のアドバイスやお手伝いを受けながら、友人・仲間と楽しくレクリエーションを行います。レクリエーションという遊びを通し、身体機能の維持・向上、認知症防止を目指します。
おやつ
休憩を兼ねて、友人・仲間とおやつをいただきます。
排泄
自分一人で排泄できない方であっても、その都度、介護職員が排泄介助をしてくれます。水分量や排泄量などのチェックも行っていますので安心です。
身体機能訓練
関節拘縮の予防、筋力・体力の維持、褥瘡の予防、個別トレーニング、自主トレーニングの指導
日常生活
歩行練習(屋内、屋外)、基本動作訓練(寝返り、起き上がり、移乗動作など)日常生活動作訓練(階段の昇降、入浴、トイレ動作など) ほか

デイサービスを利用するまでの流れ

  1. ケアマネージャーに「デイサービス」を利用したいと希望します。ケアマネージャーに勧められることもあります。
  2. 「デイサービス」を、具体的にどこの会社にお願いするか決めます。
  3. ケアマネージャーが、決めた「デイサービス」の会社に連絡してくれます。
  4. 「デイサービス」を提供する会社の人が契約しに、自宅に訪問してくれます。
  5. ケアマネージャー、「デイサービス」の人、サービスを利用する親御さんや家族も参加して、どのくらい「デイサービス」を利用して、どのようなケアプランにするか、会議をします。
  6. ケアマネージャーが、会議の内容をもとに「ケアプラン」を作成して持ってきてくれます。
  7. 「ケアプラン」に問題なければ同意します。
  8. 「ケアプラン」の週間サービス計画書に予定された曜日、時間に「デイサービス」の職員が迎えにきてくれるので、「デイサービス」開始です。

デイサービスは週何回利用できるか

 デイサービスは、デイサービスの規模、親御さんの要介護度、利用時間によって料金が変わる仕組みです。規模の算定方法は、施設の大きさだけではなく、前年度の月間平均利用人数で決まります。そのため、年度が変わると料金が安くなったり、高くなったりすることもあります。

 とても細かい料金表なので、ここでは「介護保険サービスの月間利用限度額」以内で最大どのくらい利用できるかを記載します。

デイサービスは週何回利用できるか
要介護度 限度額1割 通常規模 地域密着 認知症併設型 認知症単独型
要支援1 5,003円 利用不可 利用不可 月6回(週1回) 月5回(週1回)
要支援2 10,473円 利用不可 利用不可 月12回(週2回) 月11回(週2回)
要介護1 16,692円 月25回(週5回) 月22回(週4回) 月19回(週4回) 月17回(週3回)
要介護2 19,616円 月25回(週5回) 月22回(週4回) 月19回(週4回) 月17回(週3回)
要介護3 26,931円 月30回(週7回) 月26回(週5回) 月25回(週5回) 月22回(週4回)
要介護4 30,806円 月30回(週7回) 月26回(週5回) 月25回(週5回) 月22回(週4回)
要介護5 36,065円 月30回(週7回) 月28回(週6回) 月28回(週6回) 月25回(週5回)

※平成28年4月施行された、平成29年7月時点での料金表と限度額をもとに計算しています。
※地域によって多少異なります。
※通常は1割負担です。
※年金+年収が280万以上の方は2割負担。
※2018年8月からは、年金+年収が340万以上の方は3割負担の予定。

 デイサービスだけ1回9時間、「介護保険サービスの月間利用限度額」の制限いっぱいまで利用したとき、月に何回デイサービスを利用できるのか、上の表にまとめました。

 デイサービスを利用すると、入浴1日50円、リハビリ1日46〜56円、そのほかにも色々追加料金が発生。しかし、それら諸々は無視しました。実際は、もっと少ない回数しか入れないでしょうが、おおよその回数だと考えてください。

 月間平均利用人数750人以下の通常規模のデイサービスでは、要介護1〜2で月約25回(週約5回)も利用できることになります。要介護3〜5の方なら月約30回(週約7回)も利用できるのです。751人以上のデイサービスの場合、料金はより安くなりますのでよりたくさん利用できます。

 定員18名以下の小規模デイサービスや定員12名以下の認知症デイサービスになると、利用人数が少なく、手厚いサービスを受けられるので、利用料金は通常のデイサービスより高くなります。そのため、通常のデイサービスより毎月利用できる回数は減少。それでも、要介護1〜2の方で、単独型の認知症デイサービスを利用すると、月約17回(週約3回)も利用できます。

 実際は、訪問介護や訪問入浴、ショートステイなどと併用して利用することになるので、デイサービスだけ利用することはないでしょう。

デイサービスを利用する際の注意点

昼食、おやつ、おむつ等は全額自己負担

 デイサービスの料金は、「介護保険サービスの月間利用限度額」いっぱいいっぱいまで利用しても、上の表にあるように、要介護1の方で1割自己負担の方なら毎月約16,692円です。2割自己負担の方でその2倍。

 ですが、この料金にはデイサービスで提供される昼食、おやつ、レクリエーションの材料費や参加費、おむつ等は含まれていません。これらの料金は介護保険制度の適用を受けないからです。全額自己負担。そのため、利用するデイサービスによってこれらの料金に差があります。

 昼食代は1食400〜900円、おやつ代は昼食代に含まれていたり50〜100円別にかかる場合があります。おむつ代は種類によって1つ50〜200円。レクリエーションは、内容によって実費負担です。

 デイサービスを毎日利用すると、デイサービスの料金の他、最低でも昼食代金が月に12,000〜27,000円も発生。昼食代、結構大きいですね。おむつを利用する方ならおむつ代も発生します。レクリエーション代金も。

認知症対応型通所介護は3種類あって、料金が大きく変わる

 上の表「デイサービスは週何回利用できるか」に記載した「認知症対応型通所介護」は、単独型と併設型の2種類だけ。

 併設型とは、特養、養護老人ホーム、病院、診療所、老健、社会福祉施設、特定施設など、何らかの施設に併設されている「認知症対応型通所介護」をいいます。

 単独型は併設型の逆で、施設に併設されていない「認知症対応型通所介護」をいいます。単独型の方が当然に料金が高く、併設型の方が安いです。

 もう一つ。共用型という「認知症対応型通所介護」があります。共用型に定員は、12名以下ではなく3名以下です。理由は、グループホームや域密着型介護老人福祉施設、地域密着型特定施設の居間または食堂を利用するから。もちろん、料金はどの種類のデイサービスより安くなります。

 いかがでしたか。今回は通所介護(デイサービス)についてご説明しました。親御さんの孤独も、あなたの介護疲れも、デイサービスがあれば解決できます。

親の介護の前に必須! 実家 親の持ち家の価値を知っておこう

親の介護の期間が長くなればなるほど重くのしかかってくるのが費用の問題。

最初は親孝行の意を込めて快く費用を負担できても、長生きすればどんどん金額が積み上がっていくのが現実。

自分たちの生活もあるので、親の介護費用を援助し続けるには限界があります。

そのため、親の介護費用は基本的にまず親の財産を使っていくことが、お互いのため。

だからこそ、すぐに売る売らないは別にして、
あなたの実家・親の持ち家の価値を知っておく(一度、査定をしておく)ことで、介護費用にあてられる金銭の目処が立ちます。

実家終いノート編集部
家を売らなくても、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、家の金銭的価値を把握しておけば選択肢が増えますよ。

相続した実家が空き家⇛ 築40年超えの古家でも高く売る方法

親の介護費用が払えない!? 親が認知症になってからでは遅い

築47年の一戸建てを相続したが住まない長男が実家を売却【母親が介護施設に入所】

  • この記事を書いた人

孝行(たかゆき)

40代男性。有料老人ホーム、訪問介護、グループホームに勤務経験があり介護の現場に詳しい。主任やユニットリーダー兼計画作成担当者も経験。介護事業新規立ち上げ手伝い中。旧サイト名「フィリアル(親孝行)」部分の記事を主に執筆。

-介護保険制度を理解する