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相続放棄は自分でできる?必要書類から家庭裁判所への提出までやさしく解説

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相続放棄という言葉を聞くと、「難しそう」「専門家に任せるしかない」と感じる方も多いかもしれません。ですが、相続関係がシンプルであれば、実は自分自身でも手続きを進めることができます。この記事では、実際にどんな書類を用意し、どのように記入し、どこに提出すればよいのかという流れを、できるだけわかりやすく丁寧にご案内します。

身近な人が亡くなったあと、悲しみや戸惑いのなかでさまざまな手続きに向き合わなければならないのは、本当につらく大変なことです。相続放棄という選択は、そうした中で冷静に状況を整理し、ご自身やご家族を守るためにとても重要な判断となる場合があります。

実際には「借金があるかもしれない」「資産よりも負債の方が多いかもしれない」と不安を感じている方や、「費用をかけずに済ませたい」「できれば自分で対応したい」と考える方も多くいらっしゃいます。そんなときに、基本的な知識や流れを知っておくことは、今後の選択肢を広げるうえでも大切です。

この記事では、はじめて相続放棄を検討する方にも安心して取り組んでいただけるよう、書類の取得方法から申述書の書き方、裁判所への提出の手順まで、実際の現場に即した形でまとめています。

専門家に頼らずに済ませたい方や、費用を抑えたい方にとって、きっと役立つ内容になっています。いざというときに慌てずに対応できるよう、ぜひ最後までご覧ください。

Contents

まずは必要な戸籍を集めるところから始めましょう

相続放棄は戸籍の収集から始まります

相続放棄を進めるためには、最初に「戸籍を集める」という大切なステップがあります。これは、自分が相続人であることや、被相続人(亡くなった方)との関係を証明するために必要です。戸籍の内容は、相続する立場によって変わることもありますが、ここでは「親が亡くなり、その子が相続放棄をする場合」を想定して説明していきます。

まず用意すべきなのは、相続放棄をする本人の戸籍謄本です。これは、自分が被相続人の子どもであることを示す基本資料になります。

次に必要なのが、亡くなった親の戸籍謄本です。ここで重要なのは、死亡の記載がある戸籍だけでは不十分だという点です。出生から死亡まで、つまり親の人生の流れが一続きで確認できる「一連の戸籍」が必要になります。これは、親が転籍している場合などには複数の戸籍をたどって取り寄せる必要があり、少し時間がかかることもあります。

さらに、亡くなった方の住民票の除票または戸籍の附票も必要です。これは、死亡時点の住所地を明らかにするための書類であり、どの家庭裁判所に相続放棄の申述をするかを判断するためにも使われます。

書類の取得先と注意点を押さえておきましょう

これらの書類は、それぞれ発行元が異なります。

  • 戸籍謄本や戸籍の附票は「本籍地」の市区町村役場で発行されます。

  • 住民票の除票は「最後に住んでいた住所地」の役所で発行されます。

本籍地や住所地がわからない場合でも、手がかりになるのが「戸籍の附票」です。附票にはその人がどこに住んでいたかの履歴が記載されているため、現在の本籍地や過去の住所地を調べることができます。

たとえば、親と疎遠だった場合や、転居を繰り返していた場合、本籍地がどこにあるかを把握していないこともあるかもしれません。その場合、まずは最後に確認できている住民票から附票をたどっていくことで、戸籍の所在地が判明する可能性があります。

請求には時間と手間がかかることもあります

必要な書類が揃うまでに時間がかかるケースも少なくありません。特に、戸籍が何度も移されている場合は、複数の自治体に請求することになり、郵送でのやり取りが必要になることもあります。

請求には手数料がかかりますし、郵送で請求する場合は返信用封筒や切手の準備も必要です。役所によっては申請用紙のダウンロードができるところもありますので、事前に該当自治体の公式サイトを確認しておくとスムーズです。

また、遠方の役所に請求する場合には、定額小為替や本人確認書類のコピーを同封する必要があります。戸籍の取得に慣れていないと手間に感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に進めていくことで、後の手続きがスムーズになります。

戸籍は手続きの土台となる大切な資料です

戸籍は相続放棄の手続き全体の土台となるものです。不備があると申述書を提出しても受理されない可能性があるため、時間と手間を惜しまず、正確な書類をそろえておくことがとても大切です。

この準備段階をきちんと進めることで、後の流れに余計な負担をかけることなく、必要な手続きを落ち着いて進めていくことができます。書類をそろえるのは少し大変ですが、その一歩が安心につながっていきます。

申述書をダウンロードして記入します

相続放棄申述書を準備し正確に記入しましょう

必要な戸籍や住民票などがそろったら、次のステップは「相続放棄申述書」の作成です。これは、家庭裁判所に提出する正式な書類であり、自分の意思で相続を放棄することを申し出るためのものです。書式は全国共通で、どの裁判所でも同じ様式が使用されます。

申述書は、家庭裁判所の公式ホームページからダウンロードすることができます。PDF形式で配布されており、自宅で印刷して使うことが可能です。プリンターがない場合でも、最寄りの家庭裁判所で直接受け取ることができます。また、裁判所に電話で依頼すれば、郵送で送ってもらうこともできるため、状況に応じて受け取り方法を選びましょう。

記入の手順と注意点を確認しておきましょう

申述書の1ページ目には、いくつかの基本情報を記載します。まずは、提出先の家庭裁判所名を記入します。これは被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所ですので、間違えないように確認しましょう。

次に申述する日付、自分の氏名、押印欄があります。印鑑は実印である必要はなく、認印で問題ありません。シャチハタなどのゴム印は避けたほうがよいとされています。

申述人としての情報を記入する欄では、自分の住所、氏名、生年月日、職業、そして被相続人との関係性を丁寧に書きます。ここでの記載内容は、すでに用意してある戸籍や住民票を見ながら進めると、正確に記入することができます。

続いて、被相続人についての情報を記入します。氏名、本籍地、職業、死亡日などが求められます。これらも同様に、戸籍謄本や住民票除票などの公的資料を参照しながら進めてください。

書類の下部には、申述書に添付する書類を選択するチェック欄があります。ここでは提出する戸籍類や住民票などにチェックを入れます。

また、申述書の指定の場所に800円分の収入印紙を貼付する必要があります。この収入印紙は、郵便局や一部のコンビニでも購入できます。貼り忘れや金額の間違いがないよう、記入作業の最後に再確認してから貼るとよいでしょう。

書類の見直しとコピーの準備も忘れずに

申述書の記入が終わったら、記載漏れや記入ミスがないかをよく確認しましょう。特に、住所や名前の漢字が戸籍と一致しているか、被相続人との関係性が正確に書かれているかといった点は重要です。

提出用の書類は基本的に原本が必要ですが、手元にも控えを残しておくと安心です。申述書をコピーしておけば、後日照会書が届いたときや、裁判所からの問い合わせに備えて確認しやすくなります。

この申述書は、家庭裁判所が正式に相続放棄を受け付けるかどうかを判断するための大切な書類です。丁寧に、かつ落ち着いて作成することで、手続き全体がスムーズに進みます。必要な情報はすべて公的書類に基づいて記載できますので、ひとつずつ確認しながら進めていきましょう。

相続放棄の理由と財産内容を記載します

放棄の理由と財産の状況を丁寧に書きましょう

相続放棄申述書の二ページ目には、「なぜ相続を放棄するのか」という理由と、被相続人の財産状況について記入する欄があります。このページは、家庭裁判所が申述の背景を確認するためにとても重要な部分です。記入は難しく感じるかもしれませんが、順を追って考えれば、特別な知識がなくても十分対応できます。

まず最初に記入するのが「相続の開始を知った日」です。これは、一般的には被相続人が亡くなった日とされることが多いですが、死亡の事実を知らされた日が明確に分かっている場合には、その日を記入してもかまいません。たとえば、遠方に住んでいた親戚の訃報を後日知った場合、その日が相続の開始を知った日になります。

この日付はとても大切です。なぜなら、相続放棄の申述には「相続の開始を知った日から3か月以内」という期限があるためです。この日付によって、家庭裁判所が申述が期限内であるかどうかを判断します。曖昧な書き方は避け、戸籍の記載や連絡を受けた記録などをもとに、具体的な日付を記入しましょう。

放棄の理由は簡潔に正直に記入しましょう

次に、相続放棄をする理由を記入します。この欄は長い文章で書く必要はなく、要点を端的に伝えることが大切です。もっとも多い理由は「債務超過」、つまり借金が資産を上回っているために相続を放棄したい、というものです。その場合は「債務超過のため」や「負債の存在を確認したため」などと記載すれば十分です。

借金の詳細がわからなくても、「借金がある可能性が高いため」や「遺産よりも債務が多いと判断したため」といったように、自分の判断に基づいて理由を書くことは認められています。嘘や装飾のない、等身大の理由が最も信頼されます。

なお、放棄の理由が特殊な事情である場合(たとえば被相続人との関係が断絶していたなど)は、簡潔に事情を補足しておくと、裁判所側の理解が得やすくなります。書きすぎる必要はありませんが、背景が分かる程度には触れておくとよいでしょう。

財産の欄には分かる範囲で丁寧に記入を

最後に、被相続人の財産について記載する欄があります。ここには、預貯金・不動産・株式などの資産、あるいは借金・ローン・滞納金などの負債を記入します。ただし、完璧なリストを作る必要はありません。大切なのは、「分かる範囲でできるだけ正確に書くこと」です。

たとえば、「預貯金は不明、借金約100万円あり(クレジットカード請求)」というように、確認できた範囲の情報をそのまま記載すれば大丈夫です。家計簿のような詳細まで求められているわけではありません。遺品の中に請求書や督促状があれば、それに基づいて記載するだけでも十分です。

不明な財産がある場合は、「不明」や「調査中」と記載することも可能です。記入欄が空白のままでも申述は受理されるケースもありますが、裁判所が事情を把握しやすくなるよう、何かしら記載する方が望ましいといえます。

また、記入の際には「マイナスの財産(借金)」の有無を中心に考えると整理しやすくなります。資産がまったくないか、またはあったとしても負債を大きく上回る場合には、それを放棄する判断は妥当とされることが多いからです。

誠実に書かれた申述書は裁判所にきちんと伝わります

このページの記入で大切なのは、正確さよりも誠実さです。書き方に迷う場合は、無理に難しい表現を使わず、自分の言葉で簡潔にまとめるようにしてください。裁判所は、その人の立場や状況に応じて申述書を受け取ってくれます。

何よりも、申述の理由や財産内容をきちんと整理して書くことは、自分自身にとっても心の整理につながります。この作業を通じて、「なぜ相続を放棄したいのか」がはっきりし、安心して次の手続きへ進めるようになります。大切なのは、できる範囲で、丁寧に書くという気持ちです。

家庭裁判所に提出して照会書が届くのを待ちます

家庭裁判所への提出と照会書への対応について

申述書の作成がすべて完了し、添付書類もそろったら、いよいよ家庭裁判所への提出に進みます。この段階からは、実際に手続きを「動かす」ステップになります。ここでは、提出先や提出方法、提出後に届く「照会書」への対応について、初心者の方にもわかりやすくご説明します。

提出先の家庭裁判所を確認しましょう

相続放棄の申述書は、被相続人が最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。提出先を間違えると手続きが進まず、再提出が必要になることもありますので、必ず事前に確認しましょう。

提出先がわからない場合は、裁判所の公式ウェブサイトにアクセスし、「家庭裁判所の管轄区域」などのページを調べてください。郵便番号や市区町村名から簡単に検索できるようになっています。

郵送か窓口か、提出方法を選びましょう

申述書の提出方法には、大きく分けて「郵送」と「窓口持参」の2つがあります。それぞれにメリットがありますので、状況に合わせて選んでください。

郵送で提出する場合は、以下のものを封筒にまとめて送ります。

  • 相続放棄申述書(収入印紙貼付済み)

  • 必要な添付書類(戸籍謄本や住民票など)

  • 返信用封筒(自分の住所と名前を記入し、切手を貼ったもの)

  • 必要な郵送費(追加で切手を同封するよう求められる場合もあるため、事前に裁判所に確認を)

郵送は遠方に住んでいる方や、日中に裁判所へ行くのが難しい方にとって便利ですが、書類の不備がある場合、やりとりに時間がかかることもあります。

一方で、家庭裁判所の窓口へ直接持参する方法もあります。これは、提出時にその場で職員に書類をチェックしてもらえるため、万が一記載ミスや不足があってもすぐに修正できるのが利点です。時間に余裕がある方や、初めての手続きで不安な方には、窓口提出がおすすめです。

照会書が届いたら速やかに対応しましょう

提出後、家庭裁判所が書類を確認すると、後日「照会書(しょうかいしょ)」と呼ばれる書類が届くことがあります。これは、申述人の意思を再確認するための書類で、「本当に相続放棄を望んでいますか?」という確認が主な内容です。

照会書には、複数の質問が選択肢形式で並んでいますので、当てはまるものにチェックを入れ、署名・捺印をして返送します。難しい記述は求められませんが、記入漏れがないように、丁寧に仕上げましょう。あわせて、返信用封筒が同封されている場合は、それを使って返送してください。

なお、照会書は必ず届くとは限りません。ケースによっては、裁判所が照会を省略することもあります。その場合は、特に何もせず、次の連絡を待つだけで問題ありません。

ただし、提出から2〜3週間経っても音沙汰がない場合や、手続きが進んでいるか不安なときは、申述先の家庭裁判所に電話で確認してみると安心です。照会書の返送は、相続放棄が受理されるまでの大切なステップなので、確実に対応しましょう。

提出後の流れを把握することで安心感が生まれます

家庭裁判所に書類を提出すること自体は、大きな負担ではありません。しかし、初めて行う手続きでは、どう進むのか先が見えず不安になることもあります。だからこそ、照会書のような中間ステップをあらかじめ知っておくことで、必要な対応を落ち着いて行うことができるようになります。

提出後も自分の手続きがどのように進んでいるのかを把握し、必要な書類が届いた際には確実に対応すること。それが、相続放棄を確実に成立させるための基本です。準備と行動の積み重ねが、最終的な安心につながっていきます。

最終的に届く「相続放棄受理通知書」が完了の証です

「相続放棄受理通知書」が届けば手続きは完了です

照会書を家庭裁判所に返送したあと、裁判所による書類審査が行われます。書類の内容に不備がなく、相続放棄の意思が確認できれば、数日から数週間後に「相続放棄受理通知書」という書類が自宅に届きます。これが、相続放棄の申述が正式に認められたことを示す重要な通知です。

この通知書が届いた時点で、手続きとしては完了となります。つまり、この瞬間から法的には「相続を放棄した人」として扱われ、遺産の取得義務はもちろん、借金などのマイナスの財産も一切引き継がない立場となります。受理通知書が発行されることで、はじめてその効力が確定します。

通知書は、A4サイズの公的な文書として発行されます。内容はシンプルで、「申述が受理された」という旨が記載されており、日付や受理した家庭裁判所の情報などが明記されています。

通知書の保管はとても大切です

「手続きが完了したから、もう必要ない」と感じる方もいるかもしれませんが、**相続放棄受理通知書は必ず保管しておいてください。**これは今後、万が一の問い合わせやトラブルに備えるための非常に大切な書類です。

たとえば、被相続人に借金があった場合、その債権者から連絡が来ることがあります。その際にこの通知書を提示することで、「すでに相続を放棄しており、支払い義務はない」ということを法的に証明できます。

また、金融機関や公共機関などから相続に関する問い合わせを受けた場合にも、受理通知書をもって対応する場面があるかもしれません。こうした場面では、書面としての証拠があることが重要です。紛失してしまうと、再発行には時間がかかることもありますので、通帳や権利証と同じように、大切に保管しておくことをおすすめします。

通知書が届いたあとの確認事項

受理通知書が届いたら、念のため記載内容に間違いがないかを確認しましょう。申述人の氏名、受理日、家庭裁判所名などが正しく印字されているか確認しておくと安心です。

また、相続放棄が受理されたからといって、その情報が自動的に他の相続人や債権者に通知されるわけではありません。そのため、関係者に伝える必要がある場合は、自分で通知書のコピーを用意し、説明を添えて送るとスムーズです。特に、同じ遺産を他の相続人が引き継ぐ場合には、自分の放棄が確定していることを伝えておくと、トラブルの予防になります。

完了後も情報は手元に残しておく

この相続放棄受理通知書を受け取るまでが一連の流れですが、ここで終わりというわけではなく、「相続に関する自分の立場を証明する手段を手に入れた」ということになります。万が一将来、第三者から相続のことで問われたときに、受理通知書があることで自分を守ることができます。

そのため、保管場所には注意し、通帳や重要書類と一緒に保管するようにしましょう。可能であれば、コピーを数部取って別の場所に分けて保管しておくとより安心です。長期的に見て、自分と家族の安心につながる大切な一枚になります。

自分でやるのが難しいケースもあります

自分で手続きするのが難しい場合には専門家の力を借りましょう

相続放棄は、必要な書類をそろえて正しく手続きを進めれば、自分ひとりでも完了できる制度です。特に、家族関係がシンプルで、期限内に行える場合は、落ち着いて対応すれば自力で進めることが十分に可能です。

しかし、すべてのケースにおいてそれが可能というわけではありません。実際には、自分での対応が難しいと感じる場面や、慎重な判断が求められる状況もあります。そうした場合には、無理をせず、司法書士や弁護士などの専門家に相談することが、結果として安心につながります。

3ヶ月の期限を過ぎてしまった場合

相続放棄の申述には、原則として「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限があります。この期間を過ぎてしまうと、相続を承認したものとみなされる可能性があり、相続放棄が原則として認められなくなってしまいます。

しかし、例外的に3ヶ月を超えても放棄が認められることがあります。たとえば、被相続人に借金があることを後から知った場合や、そもそも相続人になっていたこと自体を知らなかった場合などです。

こうした場合には、「なぜ期限を超えてしまったのか」を説明する理由書を家庭裁判所に提出する必要があります。この理由書は、ただの形式的な書類ではなく、内容によって裁判所の判断が大きく分かれます。そのため、法律の知識や経験が求められる部分となり、専門家に作成を依頼することで、説得力のある申述にまとめることができます。

被相続人との関係が希薄だった場合

相続手続きには戸籍や住民票などの公的書類が必要ですが、被相続人との関係が長年途絶えていた場合、こうした書類の取得が困難になることがあります。

たとえば、本籍地がどこにあるのかもわからない、最後にどこに住んでいたのかも不明、といった状況ですと、戸籍や除票をどこに請求すればいいかすらわからないケースもあります。

こうしたときに役立つのが、専門家による戸籍の調査や取得代行です。専門家は、戸籍の附票や住民票の履歴をもとに本籍地や住所地をたどるノウハウを持っています。自分では手に負えないような場面でも、必要な情報を的確に集めてくれるため、手続きの負担が大きく減ります。

相続関係が複雑な場合

相続人の範囲が広がったり、代襲相続が発生していたりするケースでは、関係する戸籍の数が非常に多くなります。たとえば、兄弟姉妹がすでに亡くなっており、その子(つまり甥や姪)が相続人になる場合などがその典型です。

このような場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍だけでなく、亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍も必要となり、取得すべき資料が複数の自治体にまたがることも珍しくありません。

こうした複雑な相続関係では、漏れなく正確に戸籍をそろえるのが大変です。手続きに不備があれば、家庭裁判所に受理されないこともあるため、はじめから専門家に依頼する方が確実で効率的です。

専門家に相談することは大きな安心につながります

相続放棄は、負債などから自分自身を守るための大切な制度ですが、内容によっては高度な判断や正確な書類作成が求められることがあります。

「期限を過ぎてしまった」「情報が少なく戸籍が取れない」「相続人が多くて整理できない」など、少しでも不安な点がある場合は、なるべく早く専門家に相談してみてください。最初の段階で相談しておくことで、後から発生するトラブルややり直しを防ぐことができます。

専門家に相談するという選択肢は、「できないから依頼する」のではなく、「間違えずに確実に進めるための工夫」として、とても賢い判断です。自分の状況に応じて、自力で進めるか、専門家に頼るかを選ぶことが、納得できる相続放棄の第一歩となります。

まとめ

相続放棄の手続きは、決して特別な知識や資格が必要なものではありません。必要な書類を準備し、申述書を丁寧に記入し、定められた手順に沿って一つずつ進めていけば、ご自身の力で完了することができます。戸籍の取得から始まり、申述書の提出、照会書への対応、そして最終的に受理通知書を受け取るまで、どのステップも落ち着いて向き合えば確実に乗り越えられます。

また、家庭裁判所の公式サイトや役所の窓口でも情報を得ることができますので、不安な点はその都度確認しながら進めていくことが大切です。初めての方でも、制度の仕組みを正しく理解し、書類を整えて提出すれば、相続放棄という選択肢をしっかり活かすことができるはずです。

とはいえ、現実にはすべてのケースが単純というわけではありません。相続関係が複雑だったり、被相続人との関係が希薄で戸籍が追えなかったり、気づいたときには3ヶ月の期限を過ぎていたということもあります。そうしたときは無理をせず、早めに専門家に相談することをおすすめします。的確なアドバイスとサポートを受けることで、精神的な負担が大きく軽減され、結果的にスムーズに問題を解決できることも少なくありません。

相続放棄は、借金などのマイナスの遺産から自分や家族を守るための大切な制度です。不安や疑問があるまま手続きを遅らせてしまうと、思わぬ不利益につながることもあります。ですから、少しでも「放棄を考えたい」と思ったら、その気持ちを大切にしながら、必要な行動に移してみてください。

最初の一歩は、小さな確認や情報収集でもかまいません。大切なのは、自分にとって最善の判断ができるよう、状況をしっかり把握し、必要な手続きを確実に進めていくことです。知ること、備えること、それが後悔しない相続への道につながっていきます。

迷いや不安のある方も、今できることから始めていきましょう。ひとつずつ行動に移すことで、必ず前に進めます。この情報が、あなたとご家族の安心と未来を守る助けになりますように。

空き家になった実家を放っておくと…

老親の介護施設入りで空き家になった実家や、相続しても住まない実家は、ついついそのままに放っておいてしまいがちですよね。

家は住んでいてこそ保たれるので、住んでいない家というのは傷みが進むのが早いです。

また、固定資産税を払い続けるだけでなく、家の傷みが進むことで維持管理の費用がかさむという金銭的な痛手も大きくなります。

もちろん、親の思い出、自分が実家に住んでいた時の思い出などあるでしょう。

でも、その思い出は心に残すものです。朽ちていく家の行く末を自分の子供世代に負わせるわけにも行きませんよね。

もし売却を検討する場合、自分たちの生活もあるので何度も実家近くの不動産屋に足を運ぶのが難しいこともあるでしょう。

そうであれば、家の近くの不動産屋だけでなく、不動産一括査定や買取再販業者も合わせて利用してみることをおすすめします。

物屋敷 整太
家は売るだけでなく、担保にして金融機関からお金を借りることも可能ですし、いずれにしても家の金銭的価値を把握しておくことは大切ですね。

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