親御さんと離れて暮らす娘さんにとって、親御さんの心配事は尽きることがありません。特に、両親ともに要介護状態になってしまったら、生活のさまざまな部分に支障が出てしまうことでしょう。その問題の一つがゴミ出しです。今回は「戸別収集サービス」についてご紹介します。
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戸別収集サービスとは
「戸別収集サービス」とは、玄関先までゴミを収集しに来てくれるサービスです。同居する元気なご家族がいるのであれば問題ありませんが、一人でごみ収集所までゴミを運ぶことができない高齢者には必要なサービスです。ついでに安否確認サービスをしてくれる自治体もあります。
玄関先にもゴミを運べない状態であれば、ホームヘルパーに、ゴミを前日までに玄関に置いてもらいます。「戸別収集サービス」の料金は無料です。地域によって多少異なると思いますが、要介護1以上または障害者だけの世帯で、家族や近隣の協力が得られない方が利用できます。
市町村や都道府県は「今後、高齢化により、ごみ出しが困難な住民が増える」と約9割が考えている
出典:「高齢者を対象としたごみ出し支援の取組みに関するアンケート調査」2015年10月 国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター報告書
「高齢者を対象としたごみ出し支援の取組みに関するアンケート調査」によると、「今後、高齢化により、ごみ出しが困難な住民が増える」と回答した自治体が約9割です。
訪問介護や複合型介護サービスでも、ホームヘルパーさんがゴミ出しをしてくれます。しかし、親御さんの住まう地域のゴミ出しは、前日や前々日にゴミ出しすることは可能でしょうか。多くの場所で早朝からとなっています。
親御さん側の介護の予算や訪問リハビリなどその他のサービス利用量によっても、介護保険サービスでゴミ出しまでカバーできるとは限らないのです。もちろん、大型のゴミの問題もあります。
実際、約9割もの自治体が「今後、高齢化により、ごみ出しが困難な住民が増える」と回答しています。もし、介護保険サービスでゴミ出しまでカバーできない場合、他のサービス利用を考えなければなりません。
2015年時点で約2割、将来的には約6割が「戸別収集サービス」を考えている
「高齢者を対象としたごみ出し支援の取組みに関するアンケート調査」によると、高齢者を対象とした「ごみ出し支援制度」がある自治体は約2割。しかし、「将来的には検討したい」とする割合が約4割です。
2015年時点での調査なので、現在はもう少し増加している可能性がありますが、将来的にはおおよそ6割の自治体から「戸別収集サービス」が提供される可能性があります。
9割の自治体が「戸別収集サービス」の必要性を感じているにもかかわらず、なぜ6割なのか。理由としては「人員や体制の確保が難しいから」が 53.8%、「介護保険などの福祉制度でカバーされているから」が 32.1%、「予算の確保が難しいから」が 30.9%です。人材の確保、体制づくり、それに伴う資金の問題。地域によってはとても難しい課題となります。
「介護保険などの福祉制度でカバーされているから」については少し矛盾を感じる回答です。調査をした2015年時点で既に、介護保険サービスが存在していたからです。その上で約9割が「戸別収集サービス」の必要性を考慮しているのです。カバーされているだけで、カバーしきれるかどうかは別の問題です。
出典:「高齢者を対象としたごみ出し支援の取組みに関するアンケート調査」2015年10月 国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター報告書
自治体が「戸別収集サービス」を提供していない場合は「一般廃棄物収集運搬業社」にお願いする
各地のごみ収集所を回ってゴミを回収してくれる「一般廃棄物収集運搬業社」さん。基本的には、各家庭からごみ収集所に集められたゴミだけを回収しますが、実はお願いすれば玄関先までゴミを取りに来てくれます。
ただし、こちらは民間企業が提供するサービスですので、自治体が提供する「戸別収集サービス」と違って料金がかかります。週1回の「定期戸別収集サービス」でおおよそ3,000円です。もちろん料金は会社によって多少異なります。
いかがでしたか。今回は「戸別収集サービス」についてご紹介しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。