自宅で暮らす親御さんの心身能力の低下、不安ですよね。親御さんの心配だけでなく、親御さんを介護するあなた自身は疲れていませんか。そんな不安や課題が解決できるサービスがあります。今回は通所リハビリ[デイケア]について説明します。
Contents
(介護予防)通所リハビリテーション[デイケア]とは
(介護予防)通所リハビリテーション[デイケア]とは、自宅で暮らす親御さんが、病院や介護老人保健施設(老健)に通って、リハビリを行うサービスです。親御さんの健康、体力や心身機能の維持回復が期待され、日常生活の自立を目指します。デイサービスと同様に、閉じこもり防止、孤独の解消、ストレス軽減、精神面の安定と向上、家族の負担軽減も期待できます。
通所リハビリテーション[デイケア]の種類と利用できる人
サービス名称 | 要介護度 |
---|---|
通所リハビリテーション[デイケア] | 要介護1〜5 |
介護予防通所リハビリテーション[介護予防デイケア] | 要支援1〜2 |
通所リハビリテーション[デイケア]で働く職員
- 医師
- 医師法に基づき、医師国家試験に合格することで得られる、医師免許を与えられた医業を行うもの。
- 看護師
- 保健師助産師看護師法に基づき、看護師養成所(学科を3年以上)を卒業し、看護師国家試験に合格することで得られる、看護師免許を与えられた、療養上の世話または診療の補助を行うもの。
- 理学療法士(PT)
- 理学療法士及び作業療法士法に基づき、理学療法士養成所(3年以上)を卒業し、理学療法士国家試験に合格し、理学療法士免許を与えられた、医学的リハビリテーションを行うもの。基本動作の回復・維持・悪化予防を目的にリハビリを行う。
- 作業療法士(OT)
- 理学療法士及び作業療法士法に基づき、作業療法士養成所(3年以上)を卒業し、作業療法士国家試験に合格し、作業療法士免許を与えられた、医学的リハビリテーションを行うもの。応用動作と社会適応のための能力回復を目的に、趣味やレクを楽しみながらリハビリを行う。
- 言語聴覚士(ST)
- 言語聴覚士法に基づき、大学(2年)言語聴覚士養成所(1年以上)を卒業し、言語聴覚士国家試験に合格し、言語聴覚士免許を与えられた、先天的難聴、脳卒中による言語機能障害などのリハビリテーションを行うもの。
- 生活相談員
- 生活相談員とは、説明・契約・手続き・関連機関との連携などを行うもの。社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格といった福祉の専門知識を持った、有資格者が勤める。ケアマネージャーや介護福祉士など、介護の専門知識を持った有資格者が勤めている場合も。
- 介護職員
- ケアマネージャー、介護福祉士などの介護の専門知識を持った有資格者や、介護職員初任者研修、実務者研修といった研修へて専門知識を持った職員が介護職員として勤める。
通所リハビリテーション[デイケア]の具体的サービス
- 送迎
- 自宅からデイケア間の送迎をしてくれます。
- 健康管理
- 医師と看護師がいますので、デイケア利用中の健康管理もしっかり行ってくれます。
- ストレッチ
- 腕・肩・首・足など、しっかりストレッチして訓練の準備をします。
- 訓練・リハビリ
- 理学療法士(PT)が中心となって、関節拘縮の予防、筋力・体力の維持、褥瘡(じょくそう)の予防、自主トレーニングの指導。歩行練習、寝返り・起き上がり・移乗動作などの訓練、階段の昇降・入浴・トイレ動作などの訓練を行います。
- 入浴
- 医師・看護師の判断で入浴を中止されない限り、リハビリを意識しながらの入浴介助が行われます。
- 口の体操と食事
- 言語聴覚士(ST)が中心となって、リハビリを生きししながらの食事が行われます。
- レクリエーション
- 作業療法士(OT)が中心となって、リハビリを意識しながら、友人・仲間と楽しくレクリエーションを行います。レクリエーションという遊びを通し、身体機能の維持・向上、認知症防止を目指します。
- おやつ
- 休憩を兼ねて、友人・仲間とおやつをいただきます。
- 整理運動
- 疲労の蓄積緩和のため、軽い体操をします。
- 排泄
- 自分一人で排泄できない方であっても、その都度、介護職員が排泄介助をしてくれます。水分量や排泄量などのチェックも行っていますので安心です。
通所リハビリテーション[デイケア]を利用するまでの流れ
- ケアマネージャーに「デイケア」を利用したいと希望します。ケアマネージャーに勧められることもあります。
- 「デイケア」を、具体的にどこの会社にお願いするか候補をあげます。
- ケアマネージャーが候補のデイケアへ連絡してくれるので、見学しに行きます。
- 見学してよかったデイケアの利用を決めます。
- 決めた「デイケア」を提供する会社の人が契約しに、自宅に訪問してくれます。
- ケアマネージャー、「デイケア」の人、サービスを利用する親御さんや家族も参加して、どのくらい「デイサービス」を利用して、どのようなケアプランにするか、会議をします。
- ケアマネージャーが、会議の内容をもとに「ケアプラン」を作成して持ってきてくれます。
- 「ケアプラン」に問題なければ同意します。
- 「ケアプラン」の週間サービス計画書に予定された曜日、時間に「デイケア」の職員が迎えにきてくれるので、「デイケア」開始です。
通所リハビリテーション[デイケア]は週何回利用できるか
デイケアは、デイケアの規模、親御さんの要介護度、利用時間によって料金が変わる仕組みです。とても細かい料金表なので、ここでは「介護保険サービスの月間利用限度額」以内で最大どのくらい利用できるかを記載します。
要介護度 | 限度額1割 | 通常規模 |
---|---|---|
要支援1 | 5,003円 | 週1回 |
要支援2 | 10,473円 | 週2回 |
要介護1 | 16,692円 | 約月22回(約週4回) |
要介護2 | 19,616円 | 約月22回(約週4回) |
要介護3 | 26,931円 | 約月26回(約週5回) |
要介護4 | 30,806円 | 約月26回(約週5回) |
要介護5 | 36,065円 | 約月26回(約週5回) |
※平成28年4月施行された、平成29年7月時点での料金表と限度額をもとに計算しています。
※地域によって多少異なります。
※通常は1割負担です。
※年金+年収が280万以上の方は2割負担。
※2018年8月からは、年金+年収が340万以上の方は3割負担の予定。
デイケアだけ1回8時間、「介護保険サービスの月間利用限度額」の制限いっぱいまで利用したとき、月に何回デイケアを利用できるのか、上の表にまとめました。
デイサービスを利用すると、入浴1日50円、そのほかにも色々追加料金が発生します。しかし、それら諸々は無視しました。実際は、もっと少ない回数しか入れないでしょうが、おおよその回数だと考えてください。
月間平均利用人数750人以下の通常規模のデイケアでは、要介護1〜2で月約22回(週約4回)も利用できることになります。要介護3〜5の方なら月約26回(週約5回)も利用できるのです。751人以上のデイサービスの場合、料金はより安くなりますので、もう少しだけ利用できるかもしれません。
実際は、訪問介護や訪問入浴、ショートステイなどと併用して利用することになるので、デイサービスだけ利用することはないでしょう。
昼食、おやつ、おむつ等は全額自己負担
デイケアの料金は、「介護保険サービスの月間利用限度額」いっぱいいっぱいまで利用しても、上の表にあるように、要介護1の方で1割自己負担の方なら毎月約16,692円です。2割自己負担の方でその2倍。
ですが、この料金にはデイケアで提供される昼食、おやつ、レクリエーションの材料費や参加費、おむつ等は含まれていません。これらの料金は介護保険制度の適用を受けないからです。全額自己負担です。そのため、利用するデイケアによってこれらの料金に差があります。
昼食代は1食400〜900円、おやつ代は昼食代に含まれていたり50〜100円別にかかる場合があります。おむつ代は種類によって1つ50〜200円。レクリエーションは、内容によって実費負担です。
デイケアを毎日利用すると、デイケアの料金の他、最低でも昼食代金が月に12,000〜27,000円も発生します。昼食代、結構大きいですね。おむつを利用する方ならおむつ代も発生します。レクリエーション代金もかかります。
いかがでしたか。今回は通所リハビリテーション[デイケア]についてご説明しました。親御さんの心身能力低下も孤独も、あなたの介護疲れも、デイケアがあれば解決できます。